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IBF世界ヘビー級王座決定戦 モーゼス・イタウマ対フィリップ・フルゴビッチ

(写真左より)モーゼス・イタウマ、フィリップ・フルゴビッチ

近未来のスター候補 vs 五輪銅メダリスト
イタウマへの期待反映 オッズは7対1

 オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)が手放したIBF世界ヘビー級王座を21歳のモーゼス・イタウマ(スロバキア/イギリス)と、2016年リオデジャネイロ五輪スーパー・ヘビー級銅メダリストのフィリップ・フルゴビッチ(34=クロアチア)が争う。オッズは7対1、近未来のスター候補として期待と注目を集めているサウスポー、イタウマが絶対的有利と見られている。

勢いがある一方でスタミナや耐久力が未知のイタウマ

 WBA1位、WBC3位、IBF3位、WBO5位にランクされるイタウマはアマチュアで24戦全勝(11KO)の戦績を残し、2023年1月にプロデビュー。当時から「2025年までに世界ヘビー級王者になり、マイク・タイソン(アメリカ)のヘビー級年少戴冠記録(20歳4ヵ月)を更新する」と豪語していた。その自信どおり快進撃を続け、約3年半の間に14戦全勝(12KO)の戦績を残している。WBOインターコンチネンタル王座、英連邦王座を獲得したおり、世界挑戦経験者のマリウス・ワフ(ポーランド)や元WBC暫定王者のディリアン・ホワイト(ジャマイカ/イギリス)にも短いラウンドでTKO勝ちを収めている。
 大きな期待と注目を集めている一方、まだ最長でも6ラウンドまでしか戦った経験がなく、14試合すべて合わせても31ラウンドしか戦っていない。そのためスタミナや打たれた場合の耐久力は試されていない。

2年ぶり2度目の世界挑戦に臨むフルゴビッチ

 フルゴビッチは五輪銅のほか世界選手権にも3度出場しているが、いずれもベスト8止まりに終わった。2017年9月に転向したプロでも17連勝のあとでIBF世界ヘビー級暫定王座決定戦に出場したが、ダニエル・デュボア(イギリス=現WBO王者)に8回TKOで敗れている。なかなかトップに立てない運命なのかもしれない。
 それでもWBCインターナショナル王座、IBFインターナショナル王座、WBOインターナショナル王座、さらに直近の試合ではIBFインターコンチネンタル王座を獲得するなど地力があるところは十分に見せてきた。のちにWBO暫定王者になるツァン・チレイ(中国)、元WBO暫定王者のジョー・ジョイス(イギリス)にも勝っている。戦績は21戦20勝(15KO)1敗。

21歳が戴冠か 34歳が意地を見せるか

 7対1のオッズが示すように86パーセントのKO率を誇るサウスポーのイタウマが有利であることは間違いないところといえよう。
 スピードを生かして早々と主導権を握り、相手が反応しきれないタイミングで左ストレート、右フックなどを命中させて勝負を決めてしまうシーンが目に浮かぶ。
その一方、「El Animal」と呼ばれるベテランのフルゴビッチが打たれ強さと経験を生かして中盤までを乗り切ると勝負はもつれる可能性もある。
 タイソンの記録には及ばないがイタウマが21歳で戴冠を果たすのか、それともフルゴビッチがクロアチアに初の世界ヘビー級王座をもたらすのか。1ラウンドから目の離せないスリリングな試合になりそうだ。

<ヘビー級トップ戦線の現状>


WBA:ムラト・ガシエフ(ロシア)
WBC:アギト・カバイェル(ドイツ)
IBF   :空位
WBO:ダニエル・デュボア(イギリス)

 オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)が束ねていた4本のベルトを手放したことで最重量級は、混乱の一方、ちょっとした盛り上がりを見せつつある。39歳のウシクも引退したわけではないので、
 タイミングをみて再び割って入る可能性も残っている。
 そのウシクの後継王者はWBAがムラト・ガシエフ(ロシア)、WBCがアギト・カバイェル(ドイツ)、WBOがダニエル・デュボア(イギリス)、そして今回のモーゼス・イタウマ(スロバキア/イギリス)対フィリップ・フルゴビッチ(クロアチア)の勝者がIBF王者となる。130年以上の長い歴史を持つヘビー級では、ほかの階級と異なり30歳を超えた世界王者が数多く生まれている。一定以上の打たれ強さとパワー、経験がものをいう階級といってもいいだろう。現在も29歳のデュボアを除き、ガシエフが33歳、カバイェルが34歳で、そのカバイェルに挑戦する予定のネルソン・ヒーサ(アルバニア)に至っては42歳である。
 現役続行中のタイソン・フューリー(イギリス)は38歳、そのフューリーと12月に戦う予定のアンソニー・ジョシュア(イギリス)は37歳、元WBC王者のデオンテイ・ワイルダー(アメリカ)は41歳になった。こうして見てくると21歳のイタウマがいかに若いか、そして34歳のフルゴビッチが決してロートルなどではないことが分かるだろう。 
 このほかIBF1位にランクされる34歳のフランク・サンチェス(キューバ)、3度の五輪出場を果たし東京大会とパリ大会で金メダルを獲得した32歳のバホディル・ジャロロフ(ウズベキスタン)らが次期王者候補といえる。

WBCインターナショナル ライト級王座決定戦
サム・ノークス対デニス・ベリンチク

 ライト級で世界挑戦を経験しているWBO3位、WBC4位、IBF10位のサム・ノークス(29=イギリス)と、元WBO世界ライト級王者のデニス・ベリンチク(38=ウクライナ)が空位のWBCインターナショナル王座をかけて拳を交える。
 7年前にプロデビューしたノークスは複数の地域王座を獲得しながらランキングを上げ、昨年11月にはWBO世界ライト級王座決定戦に出場したが、アブドゥラー・メイソン(アメリカ)に12回判定負けを喫した。再起戦を挟み今回の試合に臨む。戦績は19戦18勝(16KO)1敗。
 対する2012年ロンドン五輪銀メダリストのベリンチクも地域王座をコレクトしながらランクを上げ、2024年5月にはエマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)に勝って空位のWBO世界ライト級王座を獲得した実績を持っている。初防衛戦でキーション・デービス(アメリカ)に完敗(4回KO負け)を喫したあとはブランクが続いていたため、これが1年半ぶりのリングとなる。戦績は20戦19勝(9KO)1敗。
 トップ戦線残留をかけた一戦のオッズは6対1、地の利もあるノークス有利と出ている。

WBOグローバル ヘビー級タイトルマッチ
ネルソン・ヒーサ対トーマス・ノーモ

WBA6位、WBO10位にランクされるWBOグローバル ヘビー級王者のネルソン・ヒーサ(42=アルバニア)が、「ラスト・バイキング」と呼ばれるトーマス・ノーモ(32=ノルウェー)の挑戦を受ける。
24戦全勝(22KO)のヒーサ、14戦全KO勝ちのノーモ。KO決着が約束されたカードといえる。
ヒーサは2022年5月に37歳でプロデビューし、地域王座を獲得しながら経験値を上げ、昨年10月にはWBOグローバル王座も手に入れた。強豪との対戦は極めて少なくスピードや技術面に物足りなさはあるが、まるでサンドバッグを打つようにして思い切り叩きつける右フックは強烈だ。
対するノーモは2022年2月にプロデビューして以来、無名選手を相手に14のKO勝ちを連ねてきた。今年2月に対戦した元世界ランカーのマーク・デ・モーリ(オーストラリア)が唯一の著名どころといえる。14戦のなかでは4ラウンドが最長試合だ。ヒーサは117kgの巨漢だが、このノーモも身長200㎝、リーチ202㎝、体重116kgの大きな選手である。
KO率92パーセントのヒーサ、100パーセントのノーモ。最重量級らしいド突き合いが見られそうだ。

◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆


エキサイトマッチ~世界プロボクシング
IBF世界ヘビー級王座決定戦
モーゼス・イタウマ vs フィリップ・フルゴビッチ

11/9(月)午後9:00 WOWOWライブWOD


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