WBA世界ウェルター級タイトルマッチ ローランド・ロメロ対テオフィモ・ロペス
(写真左より)ローランド・ロメロ、テオフィモ・ロペス、ビクトル・サンティリャン、ゲイリー・アントニオ・ラッセル
3階級制覇王者 vs 元2階級制覇王者
初防衛戦のロメロ 転級初戦&再起戦のロペス
ライト級、スーパー・ライト級、そして現在のWBA世界ウェルター級と3階級制覇を成し遂げているローランド・ロメロ(30=アメリカ)が、前WBO世界スーパー・ライト級王者のテオフィモ・ロペス(29=アメリカ)の挑戦を受ける。ロメロにとっては戴冠から1年3ヵ月ぶりの初防衛戦、3階級制覇を狙うロペスにとっては転級初戦、再起戦となる。
戴冠から1年3ヵ月ぶりの初防衛戦
ロメロはアマチュアを経て10年前にプロに転向。元5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー(アメリカ)率いるメイウェザー・プロモーションズと契約を交わしていたことが後押しになったのか、まだ6回戦の経験しかない実績ゼロの時点でWBAランク入り。その半年後には決定戦を経てWBA暫定世界ライト級王者になった。
WBAが暫定王座廃止に舵を切ったのを受け、2022年5月にはレギュラー王者のジャーボンテイ・デービス(アメリカ)に挑んだが、善戦はしたものの6回TKO負けを喫した。それを機に階級を上げ、1年後の再起戦で空位のWBA世界スーパー・ライト級王座を獲得。しかし、初防衛戦でイサック・クルス(メキシコ)の闘牛スタイルに対応できず8回TKOで敗れた。再起戦を挟み、昨年5月のウェルター級転向初戦でライアン・ガルシア(アメリカ=現WBC世界ウェルター級王者)からダウンを奪って12回判定勝ち、3階級制覇を成し遂げた。それ以来、1年3ヵ月ぶりのリングとなる。戦績は19戦17勝(13KO)2敗。
KO勝ちから4年も遠ざかっているロペス
ロペスは両親の出身国ホンジュラスの代表として2016年リオデジャネイロ五輪に出場後、19歳でプロデビュー。こちらはトップランク社の後ろ盾を得て順調に出世街道を歩み、2019年12月、リチャード・コミー(ガーナ)を豪快な2回TKOで屠りIBF世界ライト級王座を獲得。次戦ではパウンド・フォー・パウンドの上位常連だったワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)を破り、WBCフランチャイズ(特権)王座を含めて4団体の王座を手にした。試合そのものは凡戦の部類に入るものだったが、ロペス時代到来を印象づける試合だった。
ところが、ビジネス面で生じた摩擦が試合に影響したのか、1年1ヵ月後の初防衛戦で伏兵ジョージ・カンボソス(オーストラリア)に不覚をとり、4本のベルトと輝きを失ってしまった。2023年6月にはジョシュ・テイラー(イギリス)を破ってWBO世界スーパー・ライト級王座を奪取したが、今年1月に4度目の防衛戦でシャクール・スティーブンソン(アメリカ)に12回判定で完敗を喫し、無冠になった。ウェルター級の体重で戦うのは今回が初めてとなる。かつては痛烈なKOを連発していたが、直近の3年半は6戦全てで判定決着となっている。戦績は24戦22勝(13KO)2敗。
オッズは17対7でロペス有利
王座獲得から1年以上の空白ができてしまったロメロと、今年1月にWBO世界スーパー・ライト級王座を失い、これが再起戦であると同時に転級初戦となるロペス。まずは両選手のコンディションに注目したい。
ともにベストの状態でリングに上がったと仮定した場合、総合的な戦力ではロペスが上回っていると思われる。スピードを生かして機敏に出入りしつつサイドから切り込んでいくことが考えられる。ロメロは唐突感のある得意の左フックを狙うことになりそうだ。オッズは17対7、挑戦者のロペス有利と出ている。
<ウェルター級トップ戦線の現状>
WBA S:ローランド・ロメロ(アメリカ)
:ジャック・カテロール(イギリス)
WBC :ライアン・ガルシア(アメリカ)
IBF :リアム・パロ(オーストラリア)
WBO :デビン・ヘイニー(アメリカ)
テレンス・クロフォード(アメリカ)やジャロン・エニス(アメリカ)が治めていたときと比べると、いまは絶対的な存在がいないため混戦状態といえる。3階級制覇のWBO王者、デビン・ヘイニー(アメリカ)をトップに位置づけることはできるが、因縁のあるライアン・ガルシア(アメリカ)がWBC王座に君臨していることを考えると両者の並走状態といった方がいいかもしれない。
ヘイニー、ガルシアもそうだが、2階級制覇のサウスポー、リアム・パロ(オーストラリア)、WBAスーパー王者のローランド・ロメロ(アメリカ)、WBAレギュラー王者のジャック・カテロール(イギリス)も下の階級から上げてきた選手ということで、今後、どれだけ147ポンド(約66.6㎏)に順応していくかという点にも注目したい。
無冠組には王者たちと差のない実力を備えたメンバーが揃っている。ロメロに挑むテオフィモ・ロペス(アメリカ)、リチャードソン・ヒッチンス(アメリカ)、そしてキーション・デービス(アメリカ)。彼らもまた下の階級から上げてきた選手だ。このほか捲土重来を期す前WBO王者のブライアン・ノーマン(アメリカ)も控えている。18戦全勝(8KO)のデランテ・ジョンソン(アメリカ)、18戦全勝(10KO)のロハン・ポランコ(ドミニカ共和国)の東京五輪出場組にも要注目だ。
WBA暫定世界スーパー・バンタム級タイトルマッチ
ビクトル・サンティリャン対ゲイリー・アントニオ・ラッセル
2度の来日経験を持つサンティリャン
「3兄弟世界王者」狙うラッセル
井上尚弥(大橋)が4本のベルトを束ねているスーパー・バンタム級のWBA暫定王者、ビクトル・サンティリャン(31=ドミニカ共和国)が、4位のゲイリー・アントニオ・ラッセル(33=アメリカ)を相手に初防衛戦に臨む。オッズは13対8、挑戦者のラッセル有利と出ている。
サンティリャンは13戦全勝(5KO)の戦績を引っ下げて2023年6月に来日。石田匠(井岡)とのWBA世界バンタム級挑戦者決定戦に臨んだが12回判定負け。再起戦を挟み、昨年6月に再来日して那須川天心(帝拳)と拳を交えたが、大差の10回判定負けに終わった。
しかし、今年2月、再起2戦目で同国人のノエル・レイジェス・セペダに3回TKO勝ちを収めて暫定王座を手に入れた。フェイントを多用しながら攻防の組み立てをするサウスポーで、窮地にはクリンチも多用する。
挑戦者のラッセルは全米ゴールデングローブ大会で優勝するなど輝かしいアマチュア実績を残したあと2015年1月にプロデビュー。順調に白星を重ね、そのまま一気に突き抜けるかと思われたが、エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)とのWBA世界バンタム級暫定王座決定戦で1回無効試合に終わり勢いが止まった。次戦ではのちの世界王者、アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に判定で辛勝。翌年、IBF王座への挑戦権をかけてロドリゲスと再び拳を交えたが、大差の10回負傷判定負けという結果に終わった。その後、2023年は活動休止状態となり、2024年と2025年に各1試合をこなすに留まった。比較的高いレベルでバランスのとれた戦力を備えているサウスポーだが、大事なところで行き切れないところがある。戦績は23戦21勝(13KO)1敗1無効試合。
ラッセルには兄ゲイリー・アレン・ラッセル(元WBC世界フェザー級王者)、弟のゲイリー・アントゥアン・ラッセル(現WBA世界スーパー・ライト級王者)とともに兄弟3人で世界王者という夢がかかっている。この5年ほどはパッとしない印象が強かったが、ここは奮闘しなければならないところだ。ラッセルが勝てば亀田3兄弟に続く史上2例目の記録となる。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
エキサイトマッチ~世界プロボクシング
WBA世界ウェルター級タイトルマッチ
ローランド・ロメロ vs テオフィモ・ロペス
WBA暫定世界S・バンタム級タイトルマッチ
ビクトル・サンティリャン vs ゲイリー・アントニオ・ラッセル
11/2(月)午後9:00
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