ヘビー級12回戦 アンソニー・ジョシュア対クリスチャン・プレンガ
(写真左より)アンソニー・ジョシュア、クリスチャン・プレンガ、ハムザ・シェラーズ、シモン・ザッヘンフーバー
元3団体統一王者ジョシュアが
KO率95%のノーランカーと再起第2戦
2度の戴冠実績を持つ元3団体統一世界ヘビー級王者、アンソニー・ジョシュア(36=イギリス)が、KO率95パーセントを誇るノーランカー、クリスチャン・プレンガ(35=アルバニア)と対戦する。2年前、ダニエル・デュボア(イギリス)の持つIBF王座に挑んで5回KO負けを喫しているジョシュアにとっては再起第2戦となる。
かつての勢いと輝きを失ったジョシュア
ロンドン五輪スーパー・ヘビー級金メダリストのジョシュアは翌年10月にプロデビュー。2016年4月にはチャールズ・マーティン(アメリカ)を2回KOで下してIBF世界ヘビー級王座を獲得。このときの戦績は16戦全勝(16KO)というものだった。その後、WBAスーパー王者のウラディミール・クリチコ(ウクライナ)、WBO王者のジョセフ・パーカー(ニュージーランド)にも勝って3団体王座を統一。そのまま天下が続くかと思われたが、伏兵アンディ・ルイス(アメリカ)に計4度のダウンを喫して7回TKO負け、3年以上の在位にピリオドが打たれた。
半年後の再戦で3本のベルトを取り戻したものの、以後のジョシュアは輝きを失ってしまった印象が強い。下の階級から上がってきたオレクサンデル・ウシク(ウクライナ)に連敗し、4連勝後にはデュボアに4度倒されて王座復帰を阻まれた。最近は異種格闘技から転向したフランシス・ガヌー(カメルーン)やYouTuberのジェイク・ポール(アメリカ)といった話題性はあるものの力量差が明白な相手との対戦が目立つ。
戦績は33戦29勝(26KO)4敗。ルイスと初戦を含む直近の11戦は7勝(5KO)4敗で、キャリア前半の勢いは完全に失せている。現在はWBOとWBAで4位、WBCとIBFで5位にランクされている。
16連続KO勝ち中の即決型 プレンガ
アドリア海を挟んでイタリアの対岸にあるアルバニア出身のプレンガは2016年5月にドイツでプロデビュー。5戦目に8回判定負けを喫したあとはカナダを拠点に活動し、さらに2022年からはアメリカ東海岸にホームを移した。身長196㎝、体重118㎏前後と恵まれた体格の持ち主で、無名相手ばかりとはいえ6戦目以降は16連続KO勝ちを収めている。通算戦績は21戦20勝(20KO)1敗。KO率は95パーセントを超える。3ラウンド以内のKO勝ちが17度もあり、試合開始と同時に攻めて出る即決型といえる。
オッズは12対1だが番狂わせの可能性も......
アマチュア、プロを通じた実績や総合的な戦力を比較した場合、ジョシュアが圧倒的に上であることは間違いない。左ジャブから繋げる右ストレートであっさりと序盤で葬ってしまうという予想が大半を占めているのは当然といえよう。オッズも12対1と大差で元3団体王者有利と出ている。番狂わせが起こるとしたら、序盤にプレンガの強打がジョシュアのモロいアゴを捉えた場合だろう。
<アンソニー・ジョシュア 全世界戦>
| 2016年 4月 | チャールズ・マーティン | 〇 2回KO | |
| (IBF世界ヘビー級王座獲得) | |||
| 2016年 6月 | ドミニク・ブリージール | 〇 7回TKO | 防衛1 |
| 2016年12月 | エリック・モリナ | 〇 3回TKO | 防衛2 |
| 2017年 4月 | ウラディミール・クリチコ | 〇11回TKO | 防衛3 |
| (WBAスーパー 世界ヘビー級王座獲得=2団体王座統一) | |||
| 2017年10月 | カルロス・タカム | 〇10回TKO | 防衛4 |
| 2018年 3月 | ジョセフ・パーカー | 〇12回判定 | 防衛5 |
| (WBO世界ヘビー級王座獲得=3団体王座統一) | |||
| 2018年 9月 | アレクサンデル・ポベトキン | 〇 7回TKO | 防衛6 |
| 2019年 6月 | アンディ・ルイス | ● 7回TKO | |
| (3団体統一世界ヘビー級王座失う) | |||
| 2019年12月 | アンディ・ルイス | 〇12回判定 | |
| (3団体統一世界ヘビー級王座奪回) | |||
| 2020年12月 | クブラト・プーレフ | 〇 9回KO | 防衛1 |
| 2021年 9月 | オレクサンデル・ウシク | ●12回判定 | |
| (3団体統一世界ヘビー級王座失う) | |||
| 2022年 8月 | オレクサンデル・ウシク | ●12回判定 | |
| (3団体統一世界ヘビー級王座挑戦) | |||
| 2024年 9月 | ダニエル・デュボア | ● 5回KO | |
| (IBF世界ヘビー級王座挑戦) |
<ヘビー級トップ戦線の現状>
WBA:ムラト・ガシエフ(ロシア)
WBC:アギト・カバイェル(ドイツ)
IBF :フィリップ・フルゴビッチ(クロアチア)
WBO:ダニエル・デュボア(イギリス)
4団体統一王者だったオレクサンダ―・ウシク(ウクライナ)が4本のベルトを放棄したことで、一転して混戦状態となった。現在の王者は強打とタフネスが売りのムラト・ガシエフ(ロシア)、27戦全勝(19KO)のWBC王者、アギト・カバイェル(ドイツ)、大逆転TKOで戴冠を果たしたフィリップ・フルゴビッチ(クロアチア)、勝っても負けてもKOというスリリングなWBO王者、ダニエル・デュボア(イギリス)と個性的なメンバーが揃ってはいるが、いずれも飛び抜けた存在とはいえない。仮に4人で統一戦を行ったとしても誰が勝ち残るか意見が分かれるはずだ。
ヘビー級の今後を占ううえで大きな引っかかりを感じるのは、39歳のウシク、38歳のタイソン・フューリー(イギリス)、36歳のアンソニー・ジョシュア(イギリス)、40歳のデオンテイ・ワイルダー(アメリカ)ら元王者が現役で活動中であるという点だ。いずれも一時代を築いた選手で、まだまだ返り咲きのチャンスが十分にあると見られているからだ。今後、元王者たちが再び世界王座という名誉を求めるのか、それとも高報酬が見込まれるレジェンド同士の対決を優先するのか注目していきたい。
WBO世界スーパー・ミドル級タイトルマッチ
ハムザ・シェラーズ対シモン・ザッヘンフーバー
無敗の長身王者の初防衛戦
サウスポーの挑戦者を圧倒か
24戦無敗(23勝19KO1分)のWBO世界スーパー・ミドル級王者、ハムザ・シェラーズ(27=イギリス)が、同級12位のシモン・ザッヘンフーバー(28=ドイツ)を迎えて初防衛戦に臨む。オッズは20対1、「The Quiet Storm」(静かな嵐)というニックネームを持つ長身王者が、「マタドール」闘牛士と呼ばれる挑戦者を圧倒するとの予想が出ている。
シェラーズはWBO欧州スーパー・ウェルター級王座、英連邦ミドル級王座、欧州ミドル級王座などを獲得後、昨年2月にWBC世界ミドル級王座に挑んだが、慎重に戦い過ぎたのが裏目に出てカルロス・アダメス(ドミニカ共和国)と引き分けに終わった。
191㎝の長身を72.5㎏のミドル級に収めるのは厳しかったのだろう、アダメス戦を最後にスーパー・ミドル級にクラスを上げ、今年5月の決定戦を制して戴冠を果たした。体格を生かした遠距離砲に加え左右フックやアッパーも強く、長期政権も期待されている。
挑戦者のザッヘンフーバーは2018年5月にプロデビューし、IBF欧州スーパーミドル級王座を獲得するなど28連勝をマーク。世界ランクにも名を連ねていたが、今年4月、初のイギリス遠征で伏兵パウェル・オーガスト(ポーランド/イギリス)に6回判定負けを喫した。6月の再起戦で4回終了TKO勝ちを収めて今回の大一番に臨む。両ガードを高めに上げて構えるサウスポーで、堅い守りから相手の打ち終わりを突くことが多い。ニックネームは「マタドール」(闘牛士)。戦績は30戦29勝(18KO)1敗。
攻撃力やテクニック、経験値で勝るシェラーズが圧倒的有利であることは間違いない。過去の試合ではサウスポーとの対戦も苦にしておらず、ザッヘンフーバーのスタイルにも戸惑うことはないと思われる。あとはシェラーズのコンディション次第というところか。
ジョシュ・ケリー対クィビーン・アジャコ
堤麗斗対アルビノ・エレラ
アンダーカードではジョシュ・ケリー(32=イギリス)対クィビーン・アジャコ(29=イギリス)のIBF世界スーパー・ウェルター級タイトルマッチと、近未来の軽中量級スター候補、堤麗斗(23=志成)対アルビノ・エレラ(30=メキシコ)のスーパー・フェザー級10回戦が組まれている。
2016年リオデジャネイロ五輪出場の実績を持つケリーは今年1月、バカラン・ムルタザリエフ(ロシア)とのダウン応酬の激闘を制して(12回判定勝ち)王座を獲得。
これが初防衛戦となる。戦績は20戦18勝(9KO)1敗1分。
「Black Thunder」の異名を持つアジャコは2018年にプロデビューし、ここまで18戦全勝(7KO)と無敗をキープしている。整った戦力を持つ右のボクサーファイター型だが、爆発力に欠ける印象だ。守りに不安を抱えるケリーだが、4対1というオッズどおり防衛が濃厚とみられている。
堤は世界ユース選手権優勝など輝かしいアマチュア実績を残して昨年5月にプロデビュー。初陣こそ6回判定勝ちに留まったが、次戦から3連続KO勝ちを収めている。
世界的強豪との対戦はなく今回が初10回戦となるが、すでにWBAでフェザー級14位にランクされている。
対するエレラは20戦18勝(11KO)2分の戦績を残している30歳で、「コブラ」のニックネームを持つ。アメリカで3試合、サウジアラビアで1試合の堤とは対照的に北米を出て戦うのは初めてとなる。スピードと攻撃力が自慢のサウスポー、堤が圧倒しそうだ。
堤麗斗対アルビノ・エレラ
アンダーカードでは近未来の軽中量級スター候補、堤麗斗(23=志成)対アルビノ・エレラ(30=メキシコ)のスーパー・フェザー級10回戦が組まれている。
堤は世界ユース選手権優勝など輝かしいアマチュア実績を残して昨年5月にプロデビュー。初陣こそ6回判定勝ちに留まったが、次戦から3連続KO勝ちを収めている。
世界的強豪との対戦はなく今回が初10回戦となるが、すでにWBAでフェザー級14位にランクされている。
対するエレラは20戦18勝(11KO)2分の戦績を残している30歳で、「コブラ」のニックネームを持つ。アメリカで3試合、サウジアラビアで1試合の堤とは対照的に北米を出て戦うのは初めてとなる。スピードと攻撃力が自慢のサウスポー、堤が圧倒しそうだ。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
エキサイトマッチ~世界プロボクシング
ヘビー級12回戦
アンソニー・ジョシュア vs クリスチャン・プレンガ
WBO世界S・ミドル級タイトルマッチ
ハムザ・シェラーズ vs シモン・ザッヘンフーバー
10/5(月)午後9:00
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