WBO世界ライト級タイトルマッチ アブドゥラー・メイソン対ジョー・コルディナ
22歳の天才サウスポー vs 34歳の元Sフェザー級王者
オッズは8対1 凱旋防衛なるか
20戦全勝(17KO)の戦績を残しているWBO世界ライト級王者、アブドゥラー・メイソン(22=アメリカ)が、20戦19勝(9KO)1敗の元IBF世界スーパー・フェザー級王者、ジョー・コルディナ(34=イギリス)を相手に初防衛戦に臨む。開催地が王者のホームということもありオッズは8対1でメイソン有利と出ている。
21歳で戴冠を果たした才能の塊メイソン
メイソンはアマチュアで全米ジュニア五輪や全米ユース選手権で優勝するなど80戦65勝15敗の戦績を残し、2021年11月に17歳でプロデビュー。2年前のヨハン・バスケス(ドミニカ共和国)戦で2度のダウンを喫するなど危ない試合もあった(2回逆転KO勝ち)が、まずは順調に成長してきたといっていいだろう。
昨年4月にNABF北米王座とNABO北米王座を同時に獲得し、6月の初防衛戦では世界挑戦経験者のジェレマイア・ナカティラ(ナミビア)に5回TKO勝ちを収めている。その5ヵ月後、体重超過のキーション・デービス(アメリカ)が失ったWBO王座の決定戦に出場し、17戦全勝(15KO)のサム・ノークス(イギリス)に12回判定勝ちを収めて戴冠を果たした。
身長175㎝、リーチ188㎝のサウスポーで、スピード、パンチの切れ、瞬間の閃きなど、まさに才能の塊といえる逸材だ。バスケス戦で露呈した打たれ脆さは気にかかるが、その後の4試合ではディフェンス面の強化が一定の成果を見せているといえそうだ。
2階級制覇に王手をかけたコルディナ
挑戦する立場のコルディナは2016年リオデジャネイロ五輪のほか世界選手権に3度出場するなど輝かしいアマチュア実績を誇る。2017年4月にプロ転向後もライト級のWBAインターナショナル王座、英連邦王座、英国王座、スーパー・フェザー級のWBAコンチネンタル王座などを獲得。そして2022年6月には尾川堅一(帝拳)を2回KOで破ってIBF世界スーパー・フェザー級王座を奪取した。この王座は2度防衛後、2年前にアンソニー・カカチ(イギリス/アイルランド)に8回TKOで敗れて失っている。
無冠になったのを機にライト級に戻り、再起戦でWBOグローバル王座、次戦でWBOインターナショナル王座を獲得し、WBO最上位に浮上してきた。
KO率は45パーセントと決して高くはないが、尾川を一撃で倒したように右ストレートはタイミングがよく破壊力がある。モナコやサウジアラビアに加え直近の試合では相手の地元に乗り込んで戦うなど経験値という点では22歳の王者を上回るものがある。
王者の圧勝が濃厚 それでも挑戦者の右には要注意
スピードと攻撃力で勝るサウスポーのメイソンが積極的に仕掛け、コルディナが折々で応戦するというスタートが予想される。地元の声援を背にメイソンが一気に勢いに乗るようだと一方的な展開になる可能性もありそうだ。才能に恵まれた若い王者が圧倒的なパフォーマンスを披露するものと思われるが、それでもコルディナの右には十分な注意が必要だろう。
<TALE OF THE TAPE 両選手のデータ比較表>
| <メイソン> | <コルディナ> | |
| 生年月日/年齢 | 2004年4月5日/22歳 | 1991年12月1日/34歳 |
| 出身地 | ベッドフォード(アメリカ オハイオ州) | カーディフ(イギリス) |
| アマチュア実績 | 2017年 全米ジュニア五輪 優勝 | 世界選手権に3度出場 |
| 2020年 全米ユース選手権 優勝 | 2016年リオデジャネイロ五輪出場 | |
| アマチュア戦績 | 80戦65勝15敗 | |
| プロデビュー | 2021年11月 | 2017年4月 |
| 獲得世界王座 | WBOライト級 | IBF Sフェザー級 |
| 戦績 | 20戦全勝(17KO) | 20戦19勝(9KO)1敗 |
| KO率 | 85% | 45% |
| 世界戦 | 1戦1勝 | 4戦3勝(1KO)1敗 |
| 身長/リーチ | 175㎝/188㎝ | 175㎝/175㎝ |
| 戦闘スタイル | 左ボクサーファイター型 | 右ボクサーファイター型 |
<ライト級トップ戦線の現状>
WBA:ジャーボンテイ・デービス(アメリカ)
WBC:空位
暫定:ハディエル・エレラ(キューバ)
IBF:レイモンド・ムラタラ(アメリカ)
WBO:アブドゥラー・メイソン(アメリカ)
つい3年ほど前まではジャーボンテイ・デービス(31=アメリカ)、シャクール・スティーブンソン(アメリカ)、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)、デビン・ヘイニー(アメリカ)らがトップ戦線を賑わしていたが、引退や転級によりデービス以外のスター選手はこの階級から去っていった。残ったデービスも直近の試合で引き分けており、そのあと1年以上のブランクが続いている。
大きな救いはWBO王座に君臨する22歳のアブドゥラー・メイソン(22=アメリカ)や、WBC暫定王者のハディエル・エレラ(23=キューバ)、デービスへの挑戦が計画されているフロイド・スコフィールド(23=アメリカ)といった若くて才能に恵まれた選手が台頭してきている点だ。メイソンが20戦全勝(17KO)、エレラが18戦全勝(16KO)、スコフィールドが19戦全勝(13KO)と3人ともKO率も高い。
IBF王者のレイモンド・ムラタラ(29=アメリカ)も24戦全勝(17KO)と無敗をキープしている。今年1月に五輪金メダリストのアンディ・クルス(30=キューバ)に競り勝って評価を上げたばかりだ。8月には元WBC世界スーパー・フェザー級王者のロブソン・コンセイサン(37=ブラジル)の挑戦を受けることになっている。
追う一番手はムラタラと接戦を演じたクルスで、さらに8月にWBC王座の決定戦に出場するラモント・ローチ(30=アメリカ)とウィリアム・セペダ(30=メキシコ)、メイソンに挑むジョー・コルディナ(34=イギリス)が続く。
WBC世界フェザー級タイトルマッチ
ブルース・カーリントン対レネ・パラシオス
井上尚弥戦を熱望のカーリントン
大一番への布石を打てるか
かねてから井上尚弥(33=大橋)との対戦を望んでいるWBC世界フェザー級王者のブルース・カーリントン(29=アメリカ)が、同級10位のレネ・パラシオス(25=メキシコ)を相手に防衛戦に臨む。「モンスター」を振り向かせるだけのパフォーマンスを披露することができるか。
カーリントンはアマチュア時代は全米選手権や全米ゴールデングローブ大会で3位という成績が最高だが、プロでは昨年7月に16戦目でWBC暫定世界フェザー級王座を獲得。次戦のカルロス・カストロ(メキシコ)戦で9回KO勝ちを収め正規王者になった。今年1月のことだ。スピードと切れのあるパンチを持つ選手で、特に左フックと右ストレートが強い。ただ、過去には被弾して窮地に陥ったこともあり、耐久力は十分に試されているとはいえない。戦績は17戦全勝(10KO)。
パラシオスは2019年8月にプロデビューし、引き分けを挟んで19連勝(10KO)を収めている。今年1月、カーリントンとも対戦経験(10回判定負け)のある世界ランカー、スライマン・セガワ(ウガンダ)に10回判定勝ちを収め、空位のNABF北米フェザー級王座を獲得し、同時にトップ10入りを果たした。サウスポーのボクサーファイター型で、左ストレートから返す右フックの上下打ちを得意としている。
オッズは8対1、スピードとパンチ力で勝るカーリントンが有利と見られている。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
エキサイトマッチ~世界プロボクシング
WBO世界ライト級タイトルマッチ
アブドゥラー・メイソン vs ジョー・コルディナ
WBC世界フェザー級タイトルマッチ
ブルース・カーリントン vs レネ・パラシオス
7/5(日)午前9:00頃~ 先行ライブ配信
7/6(月)午後9:00
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