IBF世界ライト級タイトルマッチ レイモンド・ムラタラ対アンディ・クルス
23戦全勝の"危険人物" vs 東京五輪金メダリスト
オッズは9対4 挑戦者有利
昨年5月、IBF暫定世界ライト級王座を獲得し、のちにワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の引退にともない正王者に昇格したレイモンド・ムラタラ(29=アメリカ)の初防衛戦。指名挑戦者のアンディ・クルス(30=キューバ)は2021年に開催された東京五輪で金メダルを獲得後にプロ転向。昨年6月には挑戦者決定戦で三代大訓(横浜光)を5回TKOで下すなど6連勝(3KO)を収めている。注目度の高いカードだが、オッズは9対4でクルス有利と出ている。
74%のKO率を誇る攻撃型の王者
ムラタラは2016年9月に19歳でプロデビューし、10年間に23戦全勝(17KO)の戦績を収めている。ジェレマイア・ナカティラ(ナミビア)、ディエゴ・トーレス(メキシコ)、ゾリサニ・エンドジェニ(南アフリカ)、元世界王者のテビン・ファーマー(アメリカ)ら強豪を連破して上位に進出し、昨年5月にザウル・アブドゥラエフ
(ロシア)に勝ってベルトを獲得した。戴冠の1ヵ月後、ロマチェンコが引退したため正王者に昇格した経緯がある。
身長173cm、リーチ183cmのムラタラはスピード、パワー、テクニックなどバランスのとれた戦力を備えている。そのうえで過去には構えを右から左にスイッチした戦ったこともあり、なかなか器用な一面もある。右ストレート、左フック、アッパーの強打に加え顔面とボディの打ち分けも巧みだ。「Danger(危険人物)」のニックネームが示すように自信に満ちた攻撃的な戦い方をする反面、防御が疎かになることもあり、そこを突かれてダウンを喫した苦い経験も一度ならずある。戦績は23戦全勝(17KO)。
完成度の高い技巧派のクルス
クルスはアマチュア時代に東京五輪ライト級金のほか世界選手権で3度優勝するなど誰もが認めるエリートで、「ディアマンテ(ダイヤモンド)」のニックネームを持つ。2023年7月にプロに転向し、いきなり世界挑戦経験者のファン・カルロス・サルガド(メキシコ)に完勝してIBFインターナショナル王座を獲得。4度防衛後に三代との挑戦者決定戦に臨み、一方的に支配したすえ5回TKO勝ちを収めた。これをステップにして今回の大舞台に上がる。
すでにアマチュアで完成の域に到達しており、プロの6試合でスタミナ、試合運びなどをプラスした印象だ。攻防ともに隙がないが、
やや爆発力に欠ける点に物足りなさが残る。基本は右構えだが、ムラタラ同様、試合中に左構えで戦ったこともある。
ジャッジ泣かせの接戦か
ともに総合的に高い戦闘能力を備えているが、より攻撃的なのはムラタラだ。その積極性を生かして先手を取り、挑戦者を守勢に追いやることができればジャッジにアピールすることができるだろう。しかし、完成度の高いボクシングをするクルスから半分以上のラウンドでポイントを奪うことは至難の業といえよう。同じことはクルスにもいえる。
おそらく序盤から競った展開になるだろう。攻めるムラタラ、巧みに迎え撃つクルス――ジャッジ泣かせの試合になりそうだ。
<ライト級トップ戦線の現状>
WBA:空位
休養 :ジャーボンテイ・デービス(アメリカ)
WBC:空位
暫定 :ハディエル・エレラ(キューバ)
IBF :レイモンド・ムラタラ(アメリカ)
WBO:アブドゥラー・メイソン(アメリカ)
ここに来てリング内外で大きな動きが起こっている。WBA王者だったジャーボンテイ・デービス(31=アメリカ)が私的なトラブルのためWBA王座を降ろされ、休養王者に格下げされた。WBCも王者だったシャクール・スティーブンソン(28=アメリカ)がスーパー・ライト級の他団体王座に挑む際にWBCの承認を得ずにリングに上がったとして王座を剥奪した。WBCには暫定王者のハディエル・エレラ(23=キューバ)がいるが、これを据え置いたまま1位のウィリアム・セペダ(29=メキシコ)と2位のラモント・ローチ(30=アメリカ)で決定戦を行う計画が浮上している。
こうしたリング外の動きがある一方、リング内ではレイモンド・ムラタラ(29=アメリカ)対アンディ・クルス(30=キューバ)のIBFタイトルマッチが行われる。注目の無敗対決だ。
WBOでは20戦全勝(17KO)の21歳、アブドゥラー・メイソン(アメリカ)が昨年11月に戴冠を果たしている。サウスポーのパンチャー型で、4試合前に喫した2度のダウンが気にはなるものの大成が期待される逸材だ。
メイソンと同様、才能に恵まれたWBA1位にランクされるフロイド・スコフィールド(23=アメリカ)にも注目したい。昨年6月、元世界王者のテビン・ファーマー(35=アメリカ)に1回KO勝ちを収めて評価を上げたが、それ以前から大器として期待を集めていた。
今年はタイトルに絡んでくる可能性大だ。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
エキサイトマッチ~世界プロボクシング
IBF世界ライト級タイトルマッチ
レイモンド・ムラタラ vs アンディ・クルス
WBC米国L・ヘビー級タイトルマッチ
カリル・コー vs ジェシー・ハート
3/23(月)午後9:00
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