WBC世界スーパー・ライト級タイトルマッチ スブリエル・マティアス対ダルトン・スミス
打撃戦のすえのKO決着濃厚
オッズは3対2で王者有利
2025年7月にアルベルト・プエジョ(ドミニカ共和国)に12回判定勝ちを収めてWBC世界スーパー・ライト級王座を獲得したスブリエル・マティアス(33=プエルトリコ)の初防衛戦。1位のダルトン・スミス(28=イギリス)を相手に"肉を切らせて骨を断つ"リスキーな戦い方は通用するのか。
プエルトリコのボクシング界の牽引者 マティアス
マティアスは25戦23勝(22KO)2敗の戦績が示すとおりのスラッガーで、被弾を覚悟で乱打戦に持ち込み、最後は持ち前の打たれ強さとパンチ力を生かして相手を仕留めてしまうことが多い。悪く言えば攻防ともに雑で隙が多いということになる。逆によく言えばダイナミックでスリリングと表現できる。その戦闘スタイルから安定チャンピオンとはいえないが、地力は十分にある。それはプエジョを含め無敗の強豪との対戦を7度(6勝1敗)経験していることでも分かるだろう。ザンダー・ザヤス、オスカル・コヤソらと並びプエルトリコのボクシング界の牽引者といえる。
「イギリスのThunder」 スミス
挑戦者のスミスはアマチュアで活躍後の2019年5月に22歳でプロデビュー。国内王座、英連邦王座、EBU欧州王座などを獲得しながらランキングを駆け上がってきた。
世界的強豪との対戦は多くはないが、2024年3月には世界挑戦経験者のホセ・セペダ(アメリカ)に右ボディブローを突き刺して5回KO勝ちを収めている。18戦全勝(13KO)の戦績を誇り、「Thunder 雷」の異名を持っている。今回がヨーロッパ圏を出て初の試合となる。両ガードを比較的高い位置においた構えで、相手が出て来ないと自分から仕掛け、相手が出てくると慎重にカウンターを狙うなど戦い方の幅は広い。防御勘もよく、総合力の高い選手だ。
距離を詰めるマティアス 応戦するスミス という展開か
攻撃型のマティアスが正面からプレッシャーをかけながら距離を詰め、スミスが間合いをキープしながら迎え撃つ展開が予想される。マティアスが被弾を厭わないためスミスのパンチは序盤からヒットする可能性が高そうだ。ここで一気に攻略できれば理想的だが、マティアスのイメージしている乱打戦に引きずり込まれないように注意したいところだ。オッズは3対2、マティアス有利と出ている。
<プエルトリコの主な歴代世界王者>
シクスト・エスコバル プエルトリコの初代世界王者
カルロス・オルティス 来日して小坂照夫に5回KO防衛
ホセ・トーレス 引退後に作家に転身(アリやタイソンに関する書籍)
ウィルフレド・ベニテス 17歳で戴冠
ウィルフレド・ゴメス 17連続KO防衛
エステバン・デ・ヘスス ガッツ石松から王座奪取
アルフレド・エスカレラ 柴田国明から王座奪取
サムエル・セラノ 上原康恒らと対戦
ヘクター・カマチョ 80年代~90年代の人気者
ウィルフレド・バスケス親子 親子世界王者
フェリックス・トリニダード 3階級制覇
ミゲール・コット 4階級制覇
<プエルトリコの主な現役トップ選手>
スブリエル・マティアス WBC世界スーパー・ライト級王者
オスカル・コヤソ WBA、WBO世界ミニマム級王者
レネ・サンティアゴ WBA、WBO世界ライト・フライ級王者
ジョナサン・ゴンサレス WBA暫定世界フライ級王者
ザンダー・ザヤス WBO世界スーパー・ウェルター級王者
エマヌエル・ロドリゲス 元IBF世界バンタム級王者
ジェイビエール・シントロン
ネストル・ブラボー
<スーパー・ライト級トップ戦線の現状>
WBA:ゲイリー・アントゥアン・ラッセル(アメリカ)
WBC:スブリエル・マティアス(プエルトリコ)
暫定 :イサック・クルス(メキシコ)
IBF :リチャードソン・ヒッチンス(アメリカ)
WBO:シャクール・スティーブンソン(アメリカ)
シャクール・スティーブンソン(28=アメリカ)がテオフィモ・ロペス(28=アメリカ)を破ってWBO王者になり、早くも階級NO.1の評価がある。この4階級制覇者はボクシングIQの高い技巧派サウスポーで、このクラスに留まるのならば長期政権が予想される。WBA王者のゲイリー・アントゥアン・ラッセル(29=アメリカ)、IBF王者のリチャードソン・ヒッチンス(28=アメリカ))との頂上決戦が期待されるが、新WBO王者のスキルが一枚上といった印象だ。ちなみにラッセルは平岡アンディ(29=大橋)、ヒッチンスはオスカル・デュアルテ・フラド(30=メキシコ)との防衛戦が決まっている(ともに現地2月21日)。
スティーブンソンを脅かす存在として、前WBO世界ライト級王者のキーション・デービス(26=アメリカ)がいる。2025年2月に戴冠を果たしたときは長期政権が期待されたが、初防衛戦を前に計量で体重超過のため失格。それを機にスーパー・ライト級に上げてきた。スティーブンソン対キーション・デービスは興味深いカードだ。
このほか2016年リオデジャネイロ五輪戦士のリンドルフォ・デルガド(31=メキシコ)、WBO7位、WBA9位に入ってきたエミリアーノ・バルガス(21=アメリカ)、さらに前WBC王者のアルベルト・プエジョ(31=ドミニカ共和国)、前WBO王者のロペスも巻き返しを狙う。
バンタム級10回戦
エマヌエル・ロドリゲス対フェルナンド・ディアス
元IBF王者の再起戦
激戦階級で存在感示せるか
2018年~2019年、2023年~2024年の2度、IBF世界バンタム級王座に君臨した実績を持つエマヌエル・ロドリゲス(33=プエルトリコ)が、2024年5月の西田凌佑(29=六島)戦以来の再起戦に臨む。
ロドリゲスは世界ユース選手権で準優勝するなどアマチュアで182戦171勝11敗の戦績を残し、2012年6月にプロ転向を果たした。6年後にはIBF王座を獲得したが、V2戦でWBA王者の井上尚弥(32=大橋)に2回KO負け。次戦で不運な判定負け、次々戦は1回無効試合と武運から見放されたが、2023年8月には井上が返上した王座のひとつ、IBF王座を再獲得した。しかし、初防衛戦で西田に敗れ、在位は1年に満たなかった。今回はそれ以来の復帰戦となる。26戦22勝(13KO)3敗1無効試合。
フェルナンド・ディアス(25=アメリカ)は23戦16勝(6KO)6敗1分の戦績を残している中堅選手で、「Leoncito(小さなライオン)」のニックネームを持っている。
勝率は7割に満たないが、6敗のうち5人がのちの世界王座挑戦者、のちの世界ランカーである点は考慮する必要があるだろう。直近の試合でも現IBF13位のドミニク・クラウダー(アメリカ)に敗れているが、この試合を含めすべて判定まで粘っている。
11対1でロドリゲス有利というオッズが出ているように大番狂わせの可能性は低いカードといえるが、問題は試合内容である。井上拓真(大橋)、堤聖也(角海老宝石)を軸に那須川天心(帝拳)、井岡一翔(志成)、武居由樹(大橋)、増田陸(帝拳)ら日本勢がトップを占めるバンタム級戦線。そこにロドリゲスが割って入るには十分なアピールが必要となる。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
エキサイトマッチ~世界プロボクシング
WBC世界S・ライト級タイトルマッチ
スブリエル・マティアス vs ダルトン・スミス
バンタム級10回戦
エマヌエル・ロドリゲス vs フェルナンド・ディアス
バンタム級10回戦
ジェイビエール・シントロン vs ビクトル・サンドバル
S・ライト級10回戦
ネストル・ブラボー vs ペドロ・カンパ
2/23(月・祝)午後9:00
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