スーパー・ウェルター級10回戦 ティム・チュー対アンソニー・ベラスケス
前WBO王者チューの再起戦
トップ戦線に踏みとどまれるか
前WBO世界スーパー・ウェルター級王者で現WBC9位のティム・チュー(31=オーストラリア)が、19戦18勝(15KO)1分の戦績を誇るアンソニー・ベラスケス(29=アメリカ)を相手に再起戦に臨む。チューは2025年7月、前年に12回判定で敗れた相手、セバスチャン・フンドラ(アメリカ)に7回終了TKO負けを喫するなど直近の4試合は1勝3敗と武運から見放されている。トップ戦線に踏みとどまるためには絶対に落とせない試合だ。
前戦でフンドラに7回終了TKO負け 捲土重来期すチュー
元WBA、WBC、IBF世界スーパー・ライト級王者のコンスタンチン・チュー(ロシア/オーストラリア)を父に持つチューは6歳でボクシングを始め、アマチュアを経て2016年12月に22歳でプロの世界に飛び込んだ。元世界王者のジェフ・ホーン(オーストラリア)、世界挑戦経験者の井上岳志(ワールドスポーツ)、テレル・ゲシェイ(アメリカ)らを下したあと2023年3月、トニー・ハリソン(アメリカ)を9回TKOで破ってWBO暫定世界スーパー・ウェルター級王座を獲得。
正王者に昇格後の2024年3月、WBC王座決定戦を兼ねた試合で流血戦のすえフンドラに敗れ、初黒星を喫するとともにWBO王座を失った。7ヵ月後、再起をかけてバカラン・ムルタザリエフ(ロシア)の持つIBF王座に挑んだが、4度のダウンを喫する3回TKOの完敗に終わった。その後、ジョーイ・スペンサー(アメリカ)戦を挟んでフンドラとの再戦に臨んだが、初回にダウンを喫するなど劣勢が続くなか8回の開始を前に棄権した(7回終了TKO負け)。
左ジャブを起点にしながら右ストレート、返しの左フックの上下打ちなど多彩な攻撃を持ち味としている。戦績は28戦25勝(18KO)3敗。
79%のKO率を誇るベラスケスだが...
ベラスケスは19戦無敗で79パーセントと高いKO率を誇る好戦型だが、世界レベルの相手との対戦は皆無といえる。プロ8年のキャリアで実績といえるものは2024年9月のNABF北米ジュニア スーパー・ウェルター級王座獲得ぐらいだ。距離を詰めながら左右フックで攻めていくことが多いが、これはあくまでも過去の試合での戦い方といえる。同じ好戦型のチューを相手に積極的に行けるかどうか。
パンチ力、テクニック、経験値などほとんどの面でチューが上回っており、したがって10対1というオッズも当然といえるだろう。
直近の4戦で3敗している前WBO王者が大きなダメージを引きずっていないことが前提となるが、チューのKO(TKO)勝ちが順当なカードといえる。
<スーパー・ウェルター級トップ戦線の現状>
WBA:アバス・バルー(ドイツ)
暫定 :ジャロン・エニス(アメリカ)
WBC:セバスチャン・フンドラ(アメリカ)
暫定 :バージル・オルティス(アメリカ)
IBF :バカラン・ムルタザリエフ(ロシア)
WBO:ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)
才能豊かな個性派タレントが揃った階級といえる。そんななか統一戦の機運が高まっていることは歓迎すべきであろう。まずはWBA王者のアバス・バルー(31=ドイツ)対WBO王者のザンダー・ザヤス(23=プエルトリコ)、そして早ければ春にも実現しそうなジャロン・エニス(28=アメリカ)対バージル・オルティス(27=アメリカ)。これは暫定王者同士の対決だが、事実上の階級NO.1決定戦といっていいかもしれない。スイッチヒッターのエニスが36戦35勝(31KO)1無効試合、攻撃力が魅力のオルティスが24戦全勝(22KO)、KO決着が期待される好カードだ。
IBF王者のバカラン・ムルタザリエフ(33=ロシア)は23戦全勝(17KO)の強打者で、2度目の防衛戦として同級3位のジョシュ・ケリー(31=イギリス)と対戦。。2022年に2試合、2023年はゼロ、2024年は2試合、2025年はゼロと活動が不活発な点が大きなマイナス点がどう出るか。
WBC王者のセバスチャン・フンドラ(28=アメリカ)はヘビー級並みの身長とリーチを持つサウスポーで、チューに2勝して評価を上げた。
そのフンドラに挑戦を予定していた元ウェルター級王者のキース・サーマン(37=アメリカ)は自身の負傷でチャンスを逃した。残された時間が少ないことを考えると早めに交渉をまとめたいところだ。
このほかWBC5位、IBF4位、WBO9位にランクされる16戦全勝(11KO)のカラム・ウォルシュ(アイルランド)、ベテランのブランドン・アダムス(36=アメリカ)、そしてティム・チュー、ニキータ・チュー(28=オーストラリア)兄弟にも注目したい。
フェザー級10回戦
サム・グッドマン対タイラー・ブリザード
アマ時代の宿敵を相手に再起戦
グッドマンのパフォーマンスに注目
2025年8月にニック・ボール(イギリス)の持つWBA世界フェザー級王座に挑んで12回判定負けを喫したサム・グッドマン(27=オーストラリア)の再起戦。10戦全勝(4KO)の戦績を残している相手のタイラー・ブリザード(27=オーストラリア)とはアマチュア時代の2017年11月に対戦して敗れているだけに、グッドマンにとっては再起とリベンジのかかった試合となる。
グッドマンは2024年9月と12月、2025年1月と計3度のわたって井上尚弥(大橋)の持つ4団体統一世界スーパー・バンタム級王座に挑戦する機会があったが、最初は調整試合を挟むため、残りの2回は自身の負傷によってチャンスを棒に振った。こうしたなか階級を上げてボールに挑戦したわけだが、明白な差をつけられて敗退。
今回が再出発の試合となる。素早く動きながら距離と位置取りをしてワンツーから左フックを顔面、ボディへと打ち分ける攻撃パターンを持つ右のボクサーファイター型で、安定感はあるもののパワーに欠けるため意外性は少ない選手といえる。戦績は21戦20勝(8KO)1敗。現在はスーパー・バンタム級でWBC8位、WBA9位、IBF10位にランクされている。
ブリザードはアマチュア時代、2016年のオーストラリア ゴールデングローブ大会で優勝したほか、2017年11月にはオーストラリア選手権フェザー級準決勝でグッドマンに3回判定勝ちを収めている。ただ、2018年4月にプロデビューしたグッドマンに対しブリザードは2022年4月で、両者のプロキャリアには4年、10戦の差がある。ブリザードは国内王座とIBFパンパシフィック王座を獲得しているものの強豪との対戦経験に乏しく、同じ右ボクサーファイタ型ながら総合力では明らかな差が見てとれる。
グッドマンがスピードを生かして積極的に攻め、ブリザードが守りながら迎え撃つ展開になりそうだ。オッズは9対2、グッドマン有利と出ている。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
エキサイトマッチ~世界プロボクシング
ミドル級10回戦
ティム・チュー vs アンソニー・ベラスケス
フェザー級10回戦
サム・グッドマン vs タイラー・ブリザード
2/16(月)午後9:00
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