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WBO世界フライ級タイトルマッチ アンソニー・オラスクアガ対ファン・カルロス・カマチョ

日本で5連戦のオラスクアガ
指名挑戦者を迎えて自国でV3戦

 2024年7月に加納陸(大成)に3回KO勝ちを収めて空位になっていたWBO世界フライ級王座を獲得したアンソニー・オラスクアガ(26=アメリカ/帝拳)が、WBO1位のファン・カルロス・カマチョ(28=プエルトリコ)を相手に3度目の防衛戦に臨む。このところ5試合連続で日本のリングに上がっていたオラスクアガにとっては久しぶりの自国での試合となる。

スリリングな攻撃ボクシングが人気のオラスクアガ

 オラスクアガはアマチュアを経て2020年9月にプロデビュー。5連勝を収めたあと韓国での試合が決まり日本で調整していたが、そんなタイミングで対抗団体王者との統一戦が流れた寺地拳四朗(BMB)への挑戦話が舞い込んだ。結果として9回TKOで敗れたが、勇敢で攻撃的なオラスクアガのボクシングはファンの心をつかみ、その後も日本のリングに上がることになった。そのなかのひとつが加納とのWBO王座決定戦だった。初防衛戦では2階級制覇を狙ったジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)を1回TKOで退け、V2戦では同じく2階級制覇に挑んだ京口紘人(ワタナベ)を判定で下した。
 正面からプレッシャーをかけて相手を追い、距離を潰すとワンツー、左フック、さらに左右のアッパーを矢継ぎ早に繰り出すファイター型。自身の被弾も少なくはないが、馬力を生かして攻め勝ってしまう。戦績は10戦9勝(6KO)1敗。

地域王座2階級制覇の挑戦者カマチョ

 カマチョは2016年8月にプロデビューした右のボクサーファイター型で、2018年以降、無効試合を挟んで13連勝(4KO)を収めている。角度を変えながら中間距離で左フック、右ストレートを狙い撃つ右のボクサーファイターだが、自ら踏み込んで攻めるよりも相手の打ち終わりを突く迎撃型といえる。戦績は21戦19勝(8KO)1敗1無効試合。19勝のなかには世界挑戦経験者のカルロス・ブイトラゴ(ニカラグア)やジェイソン・ママ(南アフリカ)に勝った星が含まれる。また、スーパー・フライ級のNABF北米王座、フライ級のNABO北米王座を獲得した実績もある。

攻撃力に大差 オラスクアガのKO防衛濃厚

 9対1というオッズが出ているように攻撃力で大きく勝るオラスクアガが圧倒的有利であることは間違いない。序盤から積極的にプレッシャーをかけて出ていき、距離が合ったところで左右の連打を見舞って早々に仕留めてしまう可能性もある。カマチョは左右に動いて的を絞らせないようにしたいが、はたしてオラスクアガの圧力の前にどこまで抗うことができるか。

<アンソニー・オラスクアガ 最近の5試合>


2023年4月8日 寺地拳四朗
(WBA、WBC世界ライト・フライ級王座挑戦)
●9回TKO @東京
2023年9月18日 ジーメル・マグラモ 〇7回TKO @東京
2024年7月20日 加納陸
(空位のWBO世界フライ級王座獲得)
〇3回KO @東京
2024年10月14日 ジョナサン・ゴンサレス 〇1回TKO @東京 V1
2025年3月13日 京口紘人 〇12回判定 @東京 V2

<フライ級トップ戦線>


WBA:リカルド・サンドバル(アメリカ)
WBC:リカルド・サンドバル(アメリカ)
暫定 :ガラル・ヤファイ(イギリス)
IBF   :矢吹正道(緑)
WBO:アンソニー・オラスクアガ(アメリカ/帝拳)


 寺地拳四朗(BMB)を破ったリカルド・サンドバル(26=アメリカ)がWBA王座とWBC王座に君臨。WBC暫定王者のガラル・ヤファイ(32=イギリス)は6月にフランシスコ・ロドリゲス(33=メキシコ)に大差の12回判定で敗れたが、のちにロドリゲスのドーピング違反が発覚。結果が変わることはなかったが、暫定王座は差し戻された。
IBF王座には今年3月にアンヘル・アヤラ(25=メキシコ)を12回TKOで下して2階級制覇を果たした矢吹正道(33=緑)が就いている。年内に元IBF世界ライト・フライ級王者のフェリックス・アルバラード(36=ニカラグア)との指名防衛戦が控えている。
 日本でもお馴染みのWBO王者のアンソニー・オラスクアガ(26=アメリカ/帝拳)は5試合連続で日本で戦ったが、今回は約3年ぶりにアメリカのリングに上がる。ファン・カルロス・カマチョ(28=プエルトリコ)はWBO1位の指名挑戦者だが、攻撃力で勝る王者の勝利は揺るがないだろう。
 元WBA王者のユーリ阿久井政悟(30=倉敷守安)、日本&OPBF東洋太平洋王座を獲得した実績を持つ飯村樹輝弥(27=角海老宝石)、2度目の挑戦を目指す桑原拓(30=大橋)ら日本勢が4王者を追っている。

WBA、WBO世界ミニマム級タイトルマッチ
オスカル・コヤソ対ジェイソン・バイソン


2団体統一王者コヤソのV6戦
バイソンは右ストレートに活路

 ミニマム級のWBAスーパー王座とWBO王座を保持するオスカル・コヤソ(28=プエルトリコ)が、WBA10位、WBO9位にランクされるジェイソン・バイソン(27=フィリピン)を相手に通算6度目の防衛戦に臨む。
 2020年2月にプロデビューしたコヤソは5戦目にWBA王座への挑戦者決定戦、次戦でWBO挑戦者決定戦を制したあと、2023年5月にメルビン・ジェルサレム(フィリピン)を7回終了TKOで下してWBO王座を獲得。3度の防衛をこなしたあと昨年11月にはWBAスーパー王者のノックアウト・CPフレッシュマート(タイ)を7回TKOで破って2団体統一王者になった。身長157cmと最軽量級のなかでも小柄だが、左構えからパワフルな左ストレートを上下に打ち分ける。返しの右フックも強い。戦績は12戦全勝(9KO)。
 挑戦者のバイソンは2016年10月にプロデビューし、引き分けと無効試合を挟んで10連勝をマーク。2023年2月、のちに世界王者になるユーリ阿久井政悟(倉敷守安)には10回判定で敗れたが、以後は4連勝と調子を上げている。このなかには元世界王者の山中竜也(真正)に2回TKO勝ちを収めてWBOアジアパシフィック王座を獲得した試合も含まれている。切れのある右ストレートを持つボクサーファイター型で、戦績は17戦14勝(8KO)1敗1分1無効試合。
 総合力の高いサウスポーのコヤソが機敏に動きながら左ストレート、右フックを狙って出るものと思われる。対するバイソンは相手の出端に右ストレートのカウンターを合わせたいところ。オッズは9対1、コヤソ有利と出ている。統一王者のKO防衛が濃厚だ。

◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆


エキサイトマッチ~世界プロボクシング
WBO世界フライ級タイトルマッチ
アンソニー・オラスクアガ vs ファン・カルロス・カマチョ

WBA・WBO世界ミニマム級タイトルマッチ
オスカル・コヤソ vs ジェイソン・バイソン

11/10(月)午後9:00 WOWOWライブWOD


◆最新の放送・配信予定などはこちらから◆


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アンソニー・オラスクアガ (C)Naoki Fukuda、オスカル・コヤソ Getty Images

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