IBF世界スーパー・フェザー級タイトルマッチ エデュアルド・ヌニェス対クリストファー・ディアス
日本で戴冠果たしたヌニェスの初防衛戦
ディアスは3度目の世界挑戦
今年5月、横浜BUNTAIで行われた王座決定戦で力石政法(大橋)に12回判定勝ちを収めてIBF世界スーパー・フェザー級王座を獲得したエデュアルド・ヌニェス(28=メキシコ)が、同級15位のクリストファー・ディアス(30=アメリカ)を迎えて初防衛戦に臨む。
試合が行われるメキシコのシナロア州ロスモチスはヌニェスの出身地であり現在の居住地でもある。新王者にとっては凱旋試合となる。
93%のKO率を誇るヌニェス
30戦29勝(28KO)1敗の戦績が物語るとおりヌニェスは頑丈な体を生かしたファイターで、力石戦まで17連続KO勝ちを収めていた。
全28KOのうち3ラウンド以内の決着が18もあり、相手との力量差
を考慮しても序盤から積極的に攻めて出るタイプであることが分かる。力石戦では初めて12回をフルに戦い抜いたがスタミナも問題なかった。ただ、11回TKOで下した元IBF王者のシャフカッツ・ラヒモフ(タジキスタン)以外は世界的な強豪との対戦が少ないため、まだ評価を定める段階ではないともいえる。そういった意味でも今回の初防衛戦は豪快なKOでアピールしたいところだ。
伊藤雅雪と対戦した経験を持つディアス
挑戦者のディアスも日本に馴染みの選手だ。2018年7月、アメリカのフロリダ州キシミーでWBO世界スーパー・フェザー級王座決定戦に出場。伊藤雅雪(伴流⇒横浜光)との対戦だったが、4回に喫したダウンが響いて12回判定負けを喫している。その後、フェザー級に下げてエマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)の持つWBO王座に挑んだが12回TKO負け。2022年から再びスーパー・フェザー級を主戦場としている。ただ、昨年12月にヘンリー・レブロン(プエルトリコ)との世界ランカー対決で判定負けを喫するなど再起ロードは必ずしも順調とはいえない。35戦30勝(19KO)5敗。
王者が仕掛け挑戦者が応戦のパターンか
ヌニェスは身長168cm/リーチ173cmとスーパー・フェザー級では小柄の部類に入るが、ディアスも168cm/163cmと大きくはない。
サウスポーで178cm/182cmの力石のような戦いにくさはないかもしれない。地元の期待と声援を背にヌニェスが序盤から積極的に飛ばす可能性が高い。これが3度目の世界挑戦となるディアスは的を絞らせないように細かく動いて迎え撃ちたいが、パワーに欠けるため苦しい展開は避けられそうにない。
<スーパー・フェザー級トップ戦線の現状>
WBA:ラモント・ローチ(アメリカ)
暫定 :ジェームス・ディケンス(イギリス)
WBC:オシャキー・フォスター(アメリカ)
IBF :エデュアルド・ヌニェス(メキシコ)
WBO:エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)
WBA王者のラモント・ローチ(30=アメリカ)は攻防ともにバランスのとれた戦力を備えた選手で、今年3月、1階級上のWBA世界ライト級王者、ジャーボンテイ・デービス(アメリカ)と引き分けて株を上げた。これで自信を増した様子で、更に階級を上げて今度はイサック・クルス(メキシコ)が持つWBC暫定世界スーパー・ライト級王座に挑戦することになっている。そのWBAには暫定王者もいる。今年7月、アルベルト・バティルガシエフ(27=ロシア)を4回KOで破ったジェームス・ディケンス(34=イギリス)だ。スーパー・バンタム級時代にキッド・ガラハド(イギリス)やギジェルモ・リゴンドー(キューバ)にTKO負けを喫した印象が強いが、2024年以降は4連勝(3KO)と好調を維持している。12月に堤駿斗(26=志成)とサウジアラビアで対戦することになっている。
WBC王者のオシャキー・フォスター(32=アメリカ)は10月にWBC世界フェザー級王者のスティーブン・フルトン(31=アメリカ)の挑戦を受ける予定だったが、メインカードの延期にともない試合は12月へ先延ばしになった。
IBF王者のエデュアルド・ヌニェス(28=メキシコ)は今年5月、
力石政法(31=大橋)との王座決定戦を制して戴冠を果たし、今回、初防衛戦でクリストファー・ディアス(30=アメリカ)の挑戦を受ける。これをクリアしたあとは他団体王者との統一戦が視野に入っているようだ。
WBO王者のエマヌエル・ナバレッテ(30=メキシコ)は3階級制覇の実績を持つが、直近の4戦は1勝(1KO)1敗1分1無効試合と停滞気味だ。今年5月、8回無効試合に終わったチャーリー・スアレス(37=フィリピン)との再戦指令を受けているが、まだ決定の報はない。
日本勢では前出の堤、力石のほか元IBF王者の尾川堅一(37=帝拳)、同門のOPBF東洋太平洋王者、波田大和(31=帝拳)とWBOアジアパシフィック王者の齊藤麗王(27=帝拳)が挑戦の機会をうかがっている。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
エキサイトマッチ~世界プロボクシング
IBF世界S・フェザー級タイトルマッチ
エドゥアルド・ヌニェス vs クリストファー・ディアス
11/3(月・祝)午後9:00
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