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R・マドリードvsマンチェスター・C「至高の一戦」が3季連続で実現!アーセナルは天敵と対戦【CL/EL 準々決勝プレビュー】

 WOWOWで独占生中継しているUEFAチャンピオンズリーグ 2023-24。準々決勝に昨季王者マンチェスター・シティや最多14度の優勝を誇るレアル・マドリード、14年ぶりに鬼門のベスト16を突破したアーセナルなど、欧州各国の名だたるビッグクラブが集結した。日本時間4月10日(水)に迎える1st legを前にこれまでの各クラブの戦い、対戦カードの因縁、そして試合の見どころをお届け。また4月12日(金)に行われるUEFAヨーロッパリーグ準々決勝のカードも紹介する。

4月10日(水)午前3:45 レアル・マドリードvsマンチェスター・シティ

 3季連続、そして決勝トーナメントでは過去10年で5度目の対戦となったこのカードが、今季の準々決勝で最も注目を浴びているのは間違いない。2021-22シーズンは敗色濃厚と思われた2nd legの終了間際、途中出場のFWロドリゴの2ゴールでR・マドリードが追いつき、延長の末に勝利した劇的な展開。昨季はマンチェスター・Cが前年度王者を翻弄し、ホームで4-0の圧勝と、リベンジを果たした。世界最高峰の2クラブだからこそ、彼らの戦いは見る者の想像をはるかに超えてくる。

 今季のCLにおいても、両者の戦いは順風満帆といっていい。出場32クラブのなかで、グループステージで6連勝を飾ったのはR・マドリードとマンチェスター・Cだけ。前者はベスト16でライプツィヒを苦しみながらも破り、後者はコペンハーゲンを難なく下した。

 1st legをホームで戦うR・マドリードが先勝して折り返せるかが勝ちぬけのカギを握る。百戦錬磨の白い巨人にして、唯一の鬼門といえるのがシティ・オブ・マンチェスター・スタジアムで、過去このスタジアムで勝利を収めたことはない。ペップ・シティが "らしく" 戦える土俵が2nd legで待つことを考えると、R・マドリードは初戦から攻勢をかけてくるかもしれない。そうなれば至高の90分――いや180分が見られそうだ。

4月10日(水)午前3:45 アーセナルvsバイエルン・ミュンヘン

 抽選会でこの組合せが決まったとき、おそらく多くのアーセナルファンは頭を抱えたはずだ。何せこれまでのCL決勝トーナメントで、バイエルンを下して突破したことがないからである。

 ベスト16で対戦すること4回、アーセナルはいずれもこのドイツの絶対王者を前に散っている。再三のチャンスをGKカーンのビッグセーブに阻まれた2004-05シーズン。ミケル・アルテタ現監督もピッチに立った2012-13シーズンから2季連続で同じ舞台、同じ相手に敗れ、極め付きは2016-17シーズン、合計スコア2-10での衝撃的な敗戦。アーセナルにとってのバイエルンは、CL初制覇のために超えるべき大きな壁とも言える相手だ。

 両者ともにグループステージを危なげなく首位で通過しながら、ベスト16ではアーセナルがポルトに、バイエルンがラツィオに敵地で先勝を許すなど苦しんだ。結果的に前者はPK戦までもつれ込む戦いを制し、後者は2nd legを3-0で勝利したものの、ともにアウェイでの戦いは課題となりそうだ。

 キーマンはやはりバイエルンのFWケインだろう。今季のCLでゴール関与数トップに立つ(6ゴール3アシスト)ストライカーは、トッテナム所属時の対アーセナル戦で19試合14ゴール。かつての宿敵を相手にまたもネットを揺らすのか、エースを封じてアーセナルが歴史を変えるのか。

4月11日(木)午前3:45 アトレティコ・マドリードvsボルシア・ドルトムント

 過去2度、決勝に進みながらも涙をのんだA・マドリードと、1996-97シーズン以来の優勝を目指すドルトムント。近年のCL出場常連クラブではあるが、この2クラブが対戦したのは2018-19シーズンのグループステージのみ。その時はそれぞれがホームゲームで勝利し、揃ってグループステージ通過を決めた。ちなみにアトレティコの守備の要であるヴィツェルは当時黄色のシャツを着ており、さらにドルトムントのホームゲームでは先制点を挙げている。

 今季のグループステージはともに首位で通過。とりわけドルトムントは、パリ・サンジェルマン、ミラン、ニューカッスルと居合わせるスリリングな組合せ。初戦でPSGに敗れながらも、以降5試合を無敗で終え、世界中の注目を集めた "死の組" をいの一番に突破した。一方、決勝TではA・マドリードが厳しい組合せに。昨季準優勝のインテルと戦ったベスト16では試合の主導権を握られながらも、PK戦の末に勝利した。

 A・マドリードはグリーズマンが6ゴール、モラタが5ゴールとフィニッシャーとしての役割を全うしている。さらにインテル戦で流れを変えたメンフィスなど切り札の存在も大きい。ドルトムントは突出したスコアラーこそいないものの、ターゲットになれるフュルクルク、爆発的なスピードを誇るアデイェミに加え、ベスト16では2年半ぶりに復帰したサンチョにもゴールが生まれた。
 A・マドリードの2大エースか、ドルトムントの多彩な攻撃か。両チームの攻撃陣に注目したい一戦だ。

4月11日(木)午前3:45 パリ・サンジェルマンvsバルセロナ

 94分、バルセロナのフリーキックははじかれ、ネイマールが拾う。ミドルレンジで一人をかわし、チップ気味にクロスを上げる先は、動き出しのタイミングがずれて一瞬足が止まったゴール前の群衆。そこをかき分けるように走り込んだのはセルジ・ロベルト――。
 過去10年のうち5回実現するほど、何かと縁のあるPSGとバルセロナのカード。それでもサッカーファンの脳裏に色濃く残るのは2016-17シーズン、ベスト16でのこのシーンではなかろうか。
 1st legを0-4で落としたバルセロナにとっては、ホームの2nd legでゴールを重ねてもなお、逆転突破は絶望的な状況だったが、試合終盤に立て続けに3ゴールを挙げて勝利を収めた。俗にいうバルセロナにとっての "カンプ・ノウの奇跡" だ。そして今シーズン、当時バルセロナの指揮官であったルイス・エンリケは、敵陣のベンチに足を踏み入れることとなる。

 今季、エンリケ監督率いるPSGは "死の組" グループFを戦い、Matchday 4以降の3試合未勝利に終わる苦しい戦いを強いられながら辛くも2位で通過。レアル・ソシエダと相まみえたベスト16は、文字通りエンバペの独壇場。2試合合計3ゴールを挙げる活躍でラ・レアルを手玉に取った。対するバルセロナはグループHを下馬評通り首位で突破し、ベスト16ではナポリを破っての準々決勝進出。順調な勝ち上がりを見せてきた。

 注目選手はやはりFWエンバペだ。左サイドに流れたときに対峙するのは同胞のDFクンデ。スピード、パワー、アジリティどれをとっても世界最高峰の2人によるマッチアップがこの試合の見どころだろう。またCL史上最年少ゴールの期待がかかるラミン・ヤマル、古巣対決となるデンベレのパフォーマンスも両クラブにとっては気になるところだ。

4月12日(金)午前3:45 UEFAヨーロッパリーグ 準々決勝 1st leg

リヴァプールvsアタランタ

 ユルゲン・クロップ監督が今季限りでチームを去るリヴァプールは、ここまで順調な勝ち上がり。今や中盤で欠かせない存在となっている遠藤航のタスクは、タレント豊富なアタランタの攻撃陣を封じることだろう。

 アタランタの中でも、遠藤とのマッチアップが気になるのは2列目のコープマイネルスだ。元々はセンターバックもこなせるほどの守備的なMFでありながら、攻撃のセンスを買われて今季は2列目のシャドーの位置に定着。ここまでセリエAでは11ゴールを挙げている。攻守にわたる能力の平均値が高いという点では遠藤と似たタイプの選手であり、両者ともピッチ中央の幅広いエリアをカバーできるだけに、どちらが中盤を制すかが、勝利のカギと言えるだろう。

バイヤー・レヴァークーゼンvsウェスト・ハム

 「今シーズン公式戦無敗」この言葉だけでB・レヴァークーゼンがいかほどに強いのか十分に伝わるだろう。名手シャビ・アロンソ率いるチームは、欧州メガクラブさながらのパスワークで相手守備網を崩す強さを持っている。中盤のジャカ、アンドリッヒ、ヴィルツを中心とした巧みなプレス回避、そして最後はボニフェイス、シックといった決定力に長けたフィニッシャーが仕留める。

 一方のウェスト・ハムはボーウェン、クドゥスと推進力と決定力を併せ持つアタッカーが武器。クドゥスはフライブルクとのベスト16 2nd legで、約55mをドリブルで独走しての、今大会ベストともいえるゴールを決めた。世界が注目する完全無欠の組織力と欧州屈指の個の打開力、B.レヴァークーゼンに今季初めて土がつくのか、興味深い一戦だ。

ベンフィカvsマルセイユ

 ポルトガルとフランス、それぞれの国を代表する歴史ある名門クラブの対決は、数々のビッグクラブで活躍をしてきた2人に注目。今季13年ぶりに古巣復帰を果たしたディ・マリアは、ここまで公式戦15ゴールでベンフィカの攻撃陣をけん引。36歳にして衰えないキレ、そして確かな技術と戦術眼でチームの核となっている。

 マルセイユの絶対的エースである34歳オーバメヤンも、その得点力に一切の陰りを見せることはない。UEFAヨーロッパリーグでは現在得点ランクトップの9ゴールで、その中には芸術的なバイシクル弾も含まれる。そして彼の象徴でもある、前方宙返りのパフォーマンスも健在だ。欧州での輝かしい歴史を持つ両クラブの対戦は、未だ衰えぬ2人のベテランから目が離せない。

ミランvsローマ

 CL/EL合わせて唯一の同国対決となったカードは、今勢いのあるイタリア勢同士の一戦。ちなみに今季はセリエAで2度対戦しており、結果はミランの2勝となっている。1月14日に行われた2戦目を終えて、ローマはジョゼ・モウリーニョ前監督の解任に踏み切った。そしてダニエーレ・デ・ロッシの招聘が風向きを変えることになる。

 新監督就任後のローマはリーグ戦の順位を9位から5位まで上げ、対するミランも現在公式戦7連勝中と両者ともに好調。過去の対戦戦績は参考になりようがなく、最高潮のムードで迎える準々決勝。昨季のCL同様、欧州カップ戦の佳境で同国対決を戦うミラン、昨季ELファイナリストのローマ。この日のイタリアは赤一色に染まりそうだ。

【準々決勝 放送・配信スケジュール】

UEFAチャンピオンズリーグ 準々決勝 1st leg
4月10日(水)午前3:45
レアル・マドリードvsマンチェスター・シティ(解説:佐藤寿人 / 実況:田中大士
アーセナルvsバイエルン・ミュンヘン(解説:安永聡太郎 / 実況:横内洋樹

4月11日(木)午前3:45
パリ・サンジェルマンvsバルセロナ(解説:風間八宏/ 実況:西岡明彦
アトレティコ・マドリードvsボルシア・ドルトムント(解説:野口幸司 / 実況:藤田崇寛

※いずれも午前3:30より英語実況解説を配信開始(配信のみ)

UEFAヨーロッパリーグ 準々決勝 1st leg
4月12日(金)午前3:45
リヴァプールvsアタランタ(解説:坪井慶介 / 実況:横内洋樹
ミランvsローマ(解説:北澤豪 / 実況:河路直樹
バイヤー・レヴァークーゼンvsウェスト・ハム(解説:田中隼磨 / 実況:安井成行
ベンフィカvsマルセイユ(解説:望月重良 / 実況:山田泰三

UEFAチャンピオンズリーグ 準々決勝 2nd leg
4月17日(水)午前3:45
バルセロナvsパリ・サンジェルマン(解説:風間八宏/ 実況:西岡明彦
ボルシア・ドルトムントvsアトレティコ・マドリード(解説:野口幸司 / 実況:藤田崇寛

4月18日(木)午前3:45
マンチェスター・シティvsレアル・マドリード(解説:佐藤寿人 / 実況:田中大士)
バイエルン・ミュンヘンvsアーセナル(解説:安永聡太郎 / 実況:横内洋樹)

※いずれも午前3:30より英語実況解説を配信開始(配信のみ)

UEFAヨーロッパリーグ 準々決勝 2nd leg
4月19日(金)午前3:45
アタランタvsリヴァプール(解説:坪井慶介 / 実況:横内洋樹
ローマvsミラン(解説:北澤豪 / 実況:河路直樹
ウェスト・ハムvsバイヤー・レヴァークーゼン(解説:田中隼磨 / 実況:安井成行
マルセイユvsベンフィカ(解説:望月重良 / 実況:山田泰三

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