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S・ライト級12回戦 ライアン・ガルシア対オスカル・デュアルテ

元ライト級暫定王者ガルシアの再起戦
番狂わせ狙うKO率75%のデュアルテ

 元WBC暫定世界ライト級王者で現在はS・ライト級でWBA4位、IBF5位、WBC7位にランクされているライアン・ガルシア(25=アメリカ)が、WBO世界ライト級9位のオスカル・デュアルテ(27=メキシコ)と対戦する。昨年4月にWBA世界ライト級王者のジャーボンテイ・デービス(アメリカ)とノンタイトル戦で拳を交え、2度のダウンを喫して7回KOで敗れたガルシアにとっては重要な再起戦となる。

1,000万人以上のフォロワーを持つガルシア

 ガルシアはアマチュアで230戦215勝15敗の戦績を残し、17歳でプロデビュー。甘いマスクと強打、派手なKOで人気を集め、2021年1月には五輪金メダリストのルーク・キャンベル(イギリス)を7回TKOで斬って落としWBC暫定世界ライト級王者になった。その後、心身の不調を訴えてブランクをつくり暫定王座も返上した。2022年4月に戦線復帰を果たし、世界ランカーのエマヌエル・テイゴー(ガーナ)、元2階級制覇王者のハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ共和国)を連破。昨年4月、ガルシアは長いこと舌戦を展開してきたデービスと契約体重で対戦したが、2回にダウンを喫したあと7回にボディブローを浴びて再びダウン、膝をついたまま10カウントを聞かされた。
 このデービス対ガルシアはペイ・パー・ビュー(PPV=有料視聴)で120万件以上の契約件数を記録。これは3ヵ月後に行われたエロール・スペンス対テレンス・クロフォードのウェルター級4団体王座統一戦をはるかにしのぐ数字だった。インスタグラムで1,000万人を超えるフォロワーを持つガルシアの人気によるところが大きいといわれ、敗れはしたものの改めて25歳の元暫定王者の注目度の高さを印象づけたものだ。

11連続KO勝ちで勢いづくデュアルテ

 デュアルテは2013年4月にプロデビューし、引き分けを挟んで15連勝(10KO)をマーク。このなかにはのちの世界王者、ロジャー・グティエレス(ベネズエラ)に4回終了TKO勝ちを収めた試合も含まれる。17戦目に元世界ランカーのアドリアン・エストレージャ(メキシコ)に初黒星を喫したが、以後は11連続KO勝ちを収めている。この間、NABF北米ライト級王座を獲得しており、勢いを増している印象だ。ただ、強豪との対戦という点では物足りなさが残るのも事実で、WBO9位の評価が正しいのかどうか、今回のガルシア戦で判明するものと思われる。

KO決着間違いなし オッズは7対2でガルシア有利

 24戦23勝(19KO)1敗、KO率79パーセントのガルシアと、28戦26勝(21KO)1敗1分、KO率75パーセントのデュアルテが拳を交えるのだから判定決着は考えにくい。
 まずはどちらがプレッシャーをかける展開に持ち込むのかという点に注目したい。長距離からの右ストレート、左フックが強いガルシアが圧力をかけて追い立てる展開になるようだと勝負は5回までに決するものと思われる。逆に中近距離で持ち味を発揮するデュアルテが自分のパターンに持ち込んだ場合は長引く可能性がある。ガルシアは決して打たれ強くないだけに、ファンが冷や冷やするシーンが多くなるかもしれない。オッズは7対2でガルシア有利と出ているが、KO負け後の再起戦ということを考えると番狂わせの可能性も十分にありそうだ。

<S・ライト級トップ戦線の現状>

WBA  :空位
WBA休養:ローランド・ロメロ(アメリカ)
WBC  :デビン・ヘイニー(アメリカ)
IBF     :スブリエル・マティアス(プエルトリコ)
WBO  :テオフィモ・ロペス(アメリカ)

 昨年12月、ライト級の4団体統一王者だったデビン・ヘイニー(25=アメリカ)がレジス・プログレイス(34=アメリカ)を下してWBC王座を獲得。スピードとスキルでプログレイスを圧倒したことで、早くもS・ライト級NO.1との評価が出ている。まだ25歳と若いだけに、経験を積んでいけばさらなる高みに到達することも可能と思わせる勢いだ。
 その半年前にジョシュ・テイラー(33=イギリス)を攻略してWBO王座を獲得したテオフィモ・ロペス(アメリカ)も26歳と若い。ライト級時代に一度は挫折を味わったが、いまが適正階級といえそうだ。試合によってムラがある点は気になるがヘイニーを脅かす実力であることは間違いない。
 IBF王者のスブリエル・マティアス(31=プエルトリコ)も昨年2月に空位の王座を獲得したばかりだ。11月には23戦全勝(20KO)の大柄なショージャホン・エルガシェフ(32=ウズベキスタン)を6回で棄権に追い込んで評価を上げた。打撃戦を好む強打者で、この階級のトップ選手の誰と戦っても好カードになりそうだ。21戦20勝(20KO)1敗。
 先頭グループの3王者を追う一番手は17戦全KO勝ちのゲイリー・アントゥアン・ラッセル(27=アメリカ)であろう。ただ、この2016年リオデジャネイロ五輪L・ウェルター級ベスト8のサウスポーは相手から敬遠されるのか、それともマネージメントに問題があるのかなかなか大きなチャンスに恵まれない。そろそろ勝負をかけたいところだ。
 このほか元王者のテイラー、そのテイラーと王者時代に接戦を演じたホセ・ラミレス(31=アメリカ)、元暫定世界ライト級王者のライアン・ガルシア(25=アメリカ)、ロペスと互角に渡り合ったサンドール・マルティン(31=スペイン)ら力のある選手が控えている。
 さらに2016年リオデジャネイロ五輪に出場した経歴を持つリチャードソン・ヒッチンス(26=アメリカ)、テイラーを追い詰めたジャック・カテロール(30=イギリス)も挑戦の機会を待っている。

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