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WBA・WBC世界L・フライ級タイトルマッチ 寺地拳四朗対ヘッキー・ブドラー

The Amazing Boy vs The Hexecutioner
経験値の高い技巧派同士の対決

 世界L・フライ級2団体統一王者の寺地拳四朗(31=B.M.B)が、元2階級制覇王者で現WBC1位、WBA4位の指名挑戦者、ヘッキー・ブドラー(35=南アフリカ共和国)を迎え撃つ。経験値の高い技巧派同士の一戦だが、このところ3連続KO勝ちの寺地が攻撃力では大差をつけている。
 もともと左ジャブと足による空間支配力に関しては定評のある寺地だが、直近の3戦では攻撃型に転じた感がある。体調不良のまま臨んだV9戦で矢吹正道(緑)に10回TKO負けを喫してWBC王座を失ったが、半年後の再戦では右ストレート一発で3回KO勝ち、王座を奪回。WBAスーパー王者の京口紘人(ワタナベ)との統一戦では壮絶な打撃戦を展開したすえ7回TKO勝ちを収めている。今年4月のアンソニー・オラスクアガ(アメリカ)との防衛戦でも真っ向から打ち合い、9回TKOで仕留めてみせた。
 以前よりもリスクは高まったが、そこには強い覚悟が感じられる。同時にプロボクサーとしてのアピール力は大きく跳ね上がったといえる。戦績は22戦21勝(13KO)1敗。
 ブドラーは2007年7月にプロデビューした35歳のベテランで、これまでにWBA世界ミニマム級王座とL・フライ級のIBF王座とWBAスーパー王座を獲得している。日本のファンには来日して田口良一(ワタナベ)に12回判定勝ちした試合と、マカオで行った初防衛戦で京口紘人に10回終了TKOで敗れた試合が印象に残っているはずだ。京口戦後、2年半近くのブランクをつくったが戦線復帰し、メキシコに乗り込んで行ってWBCの挑戦者決定戦を制して今回のチャンスをつかんだ。
 10度の世界戦(7勝3KO3敗)を含めた39戦35勝(11KO)4敗の戦績が示すようにパワーで勝負するタイプではなく、相手の持ち味を封じながら迷路に誘い込んでポイントを重ねることが多い。
 オッズは10対1。攻撃力で大きく勝る寺地が圧倒的有利と見られている。

<TALE OF THE TAPE  両選手のデータ比較表>

寺地拳四朗 名前 ヘッキー・ブドラー
1992年1月6日31歳 生年月日/年齢 1988年5月18日35歳
城陽市(京都府) 出身地 ヨハネスブルク(南アフリカ共和国)
73戦57勝16敗 アマチュア戦績  
2014年8月 プロデビュー 2007年7月
164.5㎝163㎝ 身長/リーチ 160㎝167㎝
22戦21勝(13KO)1敗 プロ戦績 39戦35勝(11KO)4敗
59% KO率 28%
WBC、WBAスーパーL・フライ級 獲得世界王座

WBAミニマム級
WBAスーパー、IBF L・フライ級

13戦12勝(8KO)1敗 世界戦の戦績 10戦7勝(3KO)3敗
右ボクサーファイター型 戦闘スタイル 右ボクサー型


<寺地拳四朗 世界戦全記録>

2017年  
5月 ガニガン・ロペス(メキシコ) 〇12回判定
  (WBC世界L・フライ級王座獲得)
10月 ペドロ・ゲバラ(メキシコ) 〇12回判定 防衛①
12月 ヒルベルト・ペドロサ(パナマ) 〇4回TKO 防衛②
2018年  
5月 ガニガン・ロペス(メキシコ) 〇2回KO 防衛③
10月 ミラン・メリンド(フィリピン) 〇7回TKO 防衛④
12月 サウル・フアレス(メキシコ) 〇12回判定 防衛⑤
2019年  
7月  ジョナタン・タコニン(フィリピン) 〇4回TKO 防衛⑥
12月 ランディ・ペタルコリン(フィリピン) 〇4回TKO 防衛⑦
2021年  
4月 久田哲也(ハラダ) 〇12回判定 防衛⑧
9月 矢吹正道(緑) ●10回TKO WBC王座失う
2022年  
3月 矢吹正道(緑) 〇3回KO WBC王座奪回
11月 京口紘人(ワタナベ) 〇7回TKO
  (WBA王座獲得=2団体王座統一)
2023年  
4月 アンソニー・オラスクアガ(アメリカ) 〇9回TKO 統一王座防衛

―※13戦12勝(8KO)1敗―



<L・フライ級トップ戦線の現状>

WBAスーパー:寺地拳四朗(B.M.B)
WBC    :寺地拳四朗(B.M.B)
IBF       :アドリアン・クリエル(メキシコ)
WBO    :ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)
WBO暫定  :レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)

 3回KO勝ちで矢吹正道(31=緑)からWBC王座を奪回し、WBAスーパー王者の京口紘人(29=ワタナベ)には7回TKO勝ち。続くアンソニー・オラスクアガ(24=アメリカ)戦でも9回TKO勝ち――直近の3戦で強さを見せつけている2団体統一王者の寺地拳四朗(31=B.M.B)が頭ひとつ抜けた存在といえる。
 本来ならば今年4月に寺地と統一戦を行うはずだったWBO王者のジョナサン・ゴンサレス(32=プエルトリコ)は、マイコプラズマ肺炎で寺地戦を見送ったあと10月のヘラルド・サパタ(29=ニカラグア)も急病でキャンセル。現時点でゴンサレスの王座は剥奪されていないが、WBOは緊急措置として暫定王座を設け、決定戦を制したレネ・サンティアゴ(31=プエルトリコ)がベルトを手にしている。
 IBF王座は11月4日にモンテカルロで行われた試合で挑戦者のアドリアン・クリエル(24=メキシコ)が、V2を狙ったシベナティ・ノンティンガ(24=南アフリカ共和国)を2回でKO、新王者となっている。引き分けを挟んで8連勝のクリエルは29戦24勝(5KO)4敗1分とKO率は低いが、その数字以上にパンチ力はある。7対1のオッズが出ていたノンティンガ戦では構えを左右にスイッチしながらプレッシャーをかけ、2回に右ロングフック一発で番狂わせを起こしている。化ける可能性のある選手だ。
 ランカーでは元WBA王者の"CCC"ことカルロス・カニサレス(31=ベネズエラ)、寺地を苦しめたオラスクアガ、ゴンサレスと接戦を演じた岩田翔吉(27=帝拳)、前WBC王者の矢吹らが控えている。特にカニサレスは28戦26勝(19KO)1敗1分と攻撃力があるだけに要警戒といえる。

S・バンタム級8回戦
那須川天心対ルイス・グスマン

"神童"のボクシング第2戦
相手は27歳のメキシコ王者

 キックボクシングで42戦全勝のレコードを残し"神童"と呼ばれた那須川天心(25=帝拳)が、プロボクサーとして第2戦に臨む。4月のデビュー戦では日本2位にランクされていた与那覇勇気(真正)からダウンを奪って6回判定勝ち。いきなり日本14位、OPBF東洋太平洋8位にランクされた。今回もアメリカでスパーリング中心のトレーニングを積んできた。「カウンターを含め、どのパンチでもダメージを与えられる自信がある」と話す。
 もともと那須川は9戦全勝(7KO)のフアン・フローレス(メキシコ)と対戦する予定だったが、フローレスが新型コロナウィルスに感染したためメキシコ王者のルイス・グスマン(27=メキシコ)に変更された経緯がある。グスマンは中間距離で横殴りの左右フックを叩きつけてくるファイター型で、昨年5月に10回判定勝ちでメキシコのバンタム級王座を獲得している。戦績は12戦10勝(6KO)2敗。10ラウンドのほか8ラウンドも2度、フルに戦い切るなど経験値では那須川を上回っている。
 スピードと勘の那須川 vs 攻撃力のグスマンという構図になりそうだ。

<TALE OF THE TAPE  両選手のデータ比較表>

那須川天心 名前 ルイス・グスマン
1998年8月18日/25歳 生年月日/年齢 1995年12月27日/27歳
千葉県松戸市 出身地 メキシコ
2023年4月 プロデビュー 2013年9月
165㎝/176㎝ 身長/リーチ 163㎝(身長)
1戦1勝 プロ戦績 12戦10戦(6KO)2敗
  KO率 50%
左ボクサーファイター型 戦闘スタイル 右ファイター型

【番組オフィシャルサイト】
https://www.wowow.co.jp/sports/excite/
【エキサイトマッチ公式Twitter】
https://twitter.com/Excite_Match
【WOWOWofficial YouTube】
https://www.youtube.com/user/WOWOWofficial

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Naoki Fukuda

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