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IBF世界フェザー級タイトルマッチ ルイス・アルベルト・ロペス対ジョエト・ゴンザレス

敵地で戴冠&防衛の王者 vs 「3度目」にかける挑戦者
阿部麗也の標的は?

 「El Venado(エル・ベナド=鹿)」というニックネームを持つIBF世界フェザー級王者のルイス・アルベルト・ロペス(30=メキシコ)が、同級12位にランクされるジョエト・ゴンザレス(29=アメリカ)の挑戦を受ける。ロペスが53%、ゴンザレスが52%とふたりともKO率は驚くほど高いわけではないが、闘志を前面に出して戦う好戦派同士だけに序盤から激しいパンチの応酬が見られそうだ。

敵地イギリスで価値ある3勝を挙げたロペス

 ロペスは3年ほど前までは目立つ存在ではなかったが、2020年7月に元世界ランカーのアンディ・ベンセス(アメリカ)に競り勝って株を上げた。2021年9月にはトップランク社が売り出していたホープ、ガブリエル・フローレス(アメリカ)をストップ寸前まで打ちのめして10回判定で圧勝。それを機に自身がトップランク社とプロモート契約をするに至った経緯がある。
 次戦では初のイギリス遠征でアイザック・ロー(イギリス)に7回KO勝ちを収めてIBF世界フェザー級王座への指名挑戦権を獲得。昨年12月、再びイギリスに乗り込みジョシュ・ウォーリントン(イギリス)を12回判定で破り現在の王座を手に入れた。さらに今年5月、マイケル・コンラン(イギリス/アイルランド)の挑戦を受け、ベルファストのファンの前で痛烈な5回TKO勝ちを収めて初防衛に成功している。熱狂的な応援で知られるイギリスで3勝しており、ハートの強さも特筆ものといえる。戦績は30戦28勝(16KO)2敗。

スティーブンソン、ナバレッテと対戦したゴンザレス

 ゴンザレスはアマチュア時代に全米選手権で優勝しているほか、3階級制覇王者ジャーボンテイ・デービス(アメリカ)から2勝を挙げるなど顕著な実績を残している。
 プロ転向後も順調に勝利を重ねたが、2019年10月のWBO世界フェザー級王座決定戦ではシャクール・スティーブンソン(アメリカ)に大差の12回判定負けを喫した。2年後、スティーブンソンの後継王者になったエマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)に挑んだが、これまた12回判定で敗れた。再起戦を挟んで元WBO世界S・バンタム級王者のアイザック・ドグボエ(ガーナ/イギリス)とのWBC挑戦者決定戦に臨んだが、10回判定で惜敗。こうして直近の4年間の6戦で三つの黒星が重なったが、今年4月にはエンリケ・ビバス(メキシコ)に大差の10回判定勝ちを収めて存在感を示している。
戦績は29戦26勝(15KO)3敗。

攻撃力に勝るロペスが有利 終盤勝負の接戦か

 ふたりとも打撃戦を好むタイプだが、攻撃力という点ではロペスが勝る。距離を詰めながら右フック、右アッパー、左フックを強振することが多く、パンチのタイミングも軌道も変則的なところがあるため相手は対応しにくいようだ。一方のゴンザレスはガードを固めながら中間距離で顔面とボディにパンチを打ち分けることが多い。手数が多くハートも強いが、決め手に欠ける傾向がある。それが出世の妨げになっているといえそうだ。
 自在に足をつかえるロペスが出入りしながら変則的な右フックや右アッパーを狙い、ゴンザレスがガードを固めながら接近を試みるという展開が予想される。一発のパワーではロペスが勝るが、耐久力のあるゴンザレスが簡単に屈するとは思えない。オッズは6対1でロペス有利と出ているが、終盤まで競った状態が続く可能性が高い。
 なお、IBFは阿部麗也(KG大和)にフェザー級王座への指名挑戦権を与えており、この試合の勝者が自動的に阿部の標的ということになる。

<フェザー級トップ戦線の現状>

※2023年9月14日時点

WBA  :リー・ウッド(イギリス)
WBC  :レイ・バルガス(メキシコ)
WBC暫定:ブランドン・フィゲロア(アメリカ)
IBF     :ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)
WBO  :ロベイシ・ラミレス(キューバ)

 昨年7月にWBC王座を獲得したレイ・バルガス(32=メキシコ)を除き、暫定王者を含む4人はいずれも1年以内に王座を獲得している。絶対的な存在は見当たらず、今後も混戦状態が続くものと思われる。
 こうしたなかWBO王者のロベイシ・ラミレス(29=キューバ)は11月に21戦全勝(18KO)のラファエル・エスピノサ(29=メキシコ)とのV2戦が予定されており、さらにWBC王者バルガスと暫定王者のブランドン・フィゲロア(26=アメリカ)の団体内統一戦も計画されている。混乱状態に拍車がかかるのか、それとも王者が実績を積み重ねるのか注目したい。
 ランカー陣のなかでは元WBO世界S・バンタム級王者のアイザック・ドグボエ(29=ガーナ/イギリス)、前WBA王者のマウリシオ・ララ(25=メキシコ)が目を引く。このほか井上尚弥(大橋)に敗れた前WBC・WBO世界S・バンタム級王者のスティーブン・フルトン(29=アメリカ)がWBO3位にランクされている。
 IBF王座への指名挑戦権を持つ阿部麗也(30=KG大和)、3階級制覇を目指す亀田和毅(32=TMK)、東洋太平洋王者の堤駿斗(24=志成)らも挑戦の機会をうかがっている。

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