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3団体統一世界S・ミドル級タイトルマッチ サウル・カネロ・アルバレス対エドガー・ベルランガ

4階級制覇王者アルバレスが圧倒か
ベルランガは右強打に活路

 10年以上にわたってメキシコのみならず世界のボクシングシーンを牽引してきたスター選手、3団体統一世界S・ミドル級王者のサウル・カネロ・アルバレス(34=メキシコ)が、かつてデビューから16試合連続1ラウンドKO勝ちを収めたこともあるエドガー・ベルランガ(27=アメリカ/プエルトリコ)の挑戦を受ける。
 ベルランガの強打は侮れないが、経験値を含む総合力には明白な差があり、久々にアルバレスのKO防衛が期待されている。

5試合連続で判定決着のアルバレス

 2005年10月に15歳でプロデビューしてから19年。2011年3月に20歳でWBC世界S・ウェルター級王座を獲得してからも13年が経過した。プロとして65度もリングに上がり61勝(39KO)2敗2分という戦績を残している。ミドル級、S・ミドル級、L・ヘビー級を加えた4階級で世界王座を獲得し、現在のS・ミドル級では4団体の王座統一も果たすなど申し分ない実績を誇る。今回の試合を前にIBFから王座を剥奪されたが、アルバレスがこの階級の主であることは疑いようがない。
 約76kgが体重上限の階級で身長171cm、リーチ179cmは小柄な部類に入るが、その分、上半身をはじめ体の厚みがありアゴも頑丈だ。ただ、近年はリスクを比較的小さく抑えたマッチメークに加え、戦いぶりそのものも安全運転が目立つようになってきた。2022年以降の5試合に限定してみれば、L・ヘビー級のWBA王者ドミトリー・ビボル(キルギス/ロシア)に12回判定負け後、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)、ジョン・ライダー(イギリス)、ジャモール・チャーロ(アメリカ)、ハイメ・ムンギア(メキシコ)と下の階級の選手らを相手に4連続判定勝ちに留まっている。緩やかな下降戦を辿っているのか、それともベテランの域に入り試合巧者ぶりに拍車がかかってきたということなのか...。

ベルランガは16連続1ラウンドKO勝ち後、5連続判定勝ち

 挑戦者のベルランガは189戦162勝17敗のアマチュア戦績を残したあと、19歳の誕生日目前の2016年4月にプロデビューした。アルバレスがミゲール・コット(プエルトリコ)からWBC世界ミドル級王座を奪い、アミール・カーン(イギリス)との初防衛戦を控えているころだ。当時、すでにアルバレスがプロで48戦をこなしていたことを考えると、両者間には大きな経験の差があるといわざるを得ない。
 ベルランガはデビュー戦を62秒で終わらせると、2020年12月までの約4年半に16試合連続で1ラウンドKO勝ちを収め、スポットライトを浴びた。しかし、17試合目が初の8回判定勝ちを留まると、NABO北米王座を獲得した次戦を含め今度は5試合続けてフルラウンドの戦いを強いられている。世界挑戦経験者や元世界ランカーが相手だった点は割り引いて考えなければならないが、勢いが止まった印象は拭えなかった。それでも今年2月、18戦全勝(9KO)のパドレイグ・マクローリー(イギリス/アイルランド)に約3年ぶりのKO勝ちを収めトンネルを脱している。

オッズは12対1 アルバレスがKO防衛か

 ともに攻撃力が魅力の選手だけにスリリングな試合になることは間違いないだろう。ただ、12対1のオッズが出ているようにアルバレスが圧倒的に有利であることは疑いようがない。スピードのある左ジャブで牽制しておき、相手が十分な反応を見せないと判断すると右ストレート、右フック、左ボディブローなどで一気に仕留めにいくものと思われる。挑戦者が反撃してきたときは距離をとって仕切り直し、機を見て攻め返すはずだ。
 ベルランガは比較的高い位置に両グローブを置いて構えてはいるが、ディフェンスそのものが堅いわけではない。そこをアルバレスが見逃すとは思えず、久しぶりのKO勝ちが濃厚といってよさそうだ。前半決着の可能性もある。
 もしも大番狂わせが起こるとしたら、身長、リーチとも185cmと大柄なベルランガの主武器である被せるようにして打ち込む右強打が炸裂したときだろう。

<S・ミドル級トップ戦線の現状>


WBAスーパー:サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)
WBA    :デビッド・モレル(キューバ)
WBC    :サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)
IBF       :空位
WBO    :サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)


 この夏、大きな動きがあった。サウル・カネロ・アルバレスを脅かす存在と見られたWBC暫定王者のデビッド・ベナビデス(27=アメリカ)がL・ヘビー級に転向し、6月にWBC暫定王座を獲得。また、アルバレスに対しドイツを主戦場とする1位のウィリアム・スクール(32=キューバ)との指名防衛戦を課していたIBFが、義務を果たそうとしないアルバレスから王座を剥奪した。こうしたなかアルバレス対エドガル・ベルランガが決まった経緯がある。
 さらに、WBA王者のデビッド・モレル(26=キューバ)も大きな試合が決まらないことに焦れてか、L・ヘビー級に転向。8月にラディボヤ・カライジッチ(33=セルビア/アメリカ)に12回判定勝ちを収めてWBAレギュラー王座を獲得している。ベナビデス同様、再びS・ミドル級に戻るかどうかは不明だ。
 ランキングを見渡すと、28戦全勝(23KO)のクリスチャン・エムビリ(29=カメルーン/フランス)が4団体すべてで3位以内に入っている。8月にはセルゲイ・デレビヤンチェンコ(38=ウクライナ)にも大差の判定勝ちを収めて世界挑戦に前進した。
 5月にアルバレスに挑んで12回判定負けを喫したハイメ・ムンギア(27=メキシコ)は9月20日(日本時間21日)、エリック・バジニャン(29=アルメニア/カナダ)との再起戦が決まっている。

◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆


エキサイトマッチSP「カネロvsベルランガ」
9/15(日)午前8:00頃~ WOD先行ライブ配信
9/16(月・祝)午後9:00 WOWOWライブWOD


◆最新の放送・配信予定などはこちらから◆


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【WOWOWエキサイトマッチ公式X】 https://x.com/Excite_Match
【WOWOWオンデマンド】 https://wod.wowow.co.jp/genre/boxing

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