WBC暫定世界スーパー・ミドル級タイトルマッチ レスター・マルチネス対ルカ・プランチック
グアテマラ初の世界王者の初防衛戦
挑戦者は東京五輪出場者
今年3月、WBC暫定世界スーパー・ミドル級王座を獲得し、グアテマラ初の世界王者になったレスター・マルチネス(30=グアテマラ)の初防衛戦。2021年に開催された東京五輪のライト・ヘビー級でベスト16に入ったルカ・プランチック(29=クロアチア)を相手にどんな戦いを見せるのか注目される。
強豪相手に実績を積んだマルチネス
マルチネスは中米選手権や世界ユース選手権優勝などを手土産に2019年4月にプロデビュー。その初陣で元世界2階級制覇王者のリカルド・マヨルガ(ニカラグア)を2回TKOで下し、その後、WBC中南米王座、WBO中南米王座を獲得するなど順調に出世してきた。2022年から活動拠点をアメリカに移し、2年前には元世界ランカーのカルロス・ゴンゴラ(エクアドル)にも勝利。
昨年9月、WBC暫定世界スーパー・ミドル級王者のクリスチャン・エンビリ(カメルーン/フランス)に挑んだが、このときは三者三様の引き分けに終わった。その後、テレンス・クロフォード(アメリカ)の引退にともないエンビリが正王者に昇格。それを受け暫定王座決定戦が組まれ、イマヌエル・アリーム(アメリカ)に勝ったマルチネスがベルトを獲得した経緯がある。戦績は21戦20勝(16KO)1分。
アマチュア経験が豊富なプランチック
WBC4位にランクされる挑戦者のプランチックはアマチュア経験が豊富で、2021年には東京五輪に出場しライト・ヘビー級でベスト16の実績を残している。その間、2018年にプロ転向を果たしたが、そのときは一戦だけだった。五輪後の2022年2月に再びプロに転じ、10ヵ月後にはスーパー・ミドル級のWBCインターナショナル シルバー王座を獲得。2024年にはWBCインターナショナル王座を獲得し、自国のほかドイツ、イギリス、アルバニアで計4度の防衛を果たしている。戦績は13戦全勝(10KO)。ニックネームは「The Thunder(雷)」。今回がアメリカのリング初登場となる。
オッズは6対1で暫定王者有利
マルチネスは76パーセントのKO率が示すとおりの強打者で、左ジャブからクロス気味に繋ぐ右ストレートが巧みで強い。その一方、相手が攻めてくると打撃戦に応じるだけでなく足をつかって間合いを取って仕切り直しすることも多く、ディフェンスへの意識も強いものが感じられる。
対するプランチックは基本は右構えだが、折々で左構えにチェンジするスイッチヒッターで、上体を振りながら相手に圧力をかけ、中近距離で左右フックを叩きつけることが多い。ただ、スピードやパワーは平均の域内で、世界のトップレベルでのディフェンスや打たれ強さに関しては未知といえる。
6対1のオッズが出ているようにマルチネス有利は不動だ。プランチックの動きに惑わされることがなければ、中盤あたりで左ジャブからの右ストレートが決まる可能性が高い。
<スーパー・ミドル級トップ戦線の現状>
WBA:ハイメ・ムンギア(メキシコ)
WBC:クリスチャン・エンビリ(カメルーン/フランス)
暫定 :レスター・マルチネス(グアテマラ)
IBF :オスレイス・イグレシアス(キューバ)
WBO:ハムザ・シェラーズ(イギリス)
この階級の主は長いことサウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)だったが、昨年9月に下のクラスから上げてきたテレンス・クロフォード(アメリカ)に敗れ4本のベルトを失った。ジャッジのポイントは小差だったが内容的には完敗に近く、一時代の終焉が近づいてきたことを感じさせる敗北だった。ただ、アルバレスは10月にクリスチャン・エンビリ(カメルーン/フランス)の持つWBC王座に挑むことになっており、内容と結果によっては再浮上もありそうだ。
クロフォードの引退にともない4団体王座は再びバラバラになり、現状では5人の王者が存在する。
WBA王者のハイメ・ムンギア(メキシコ)は今年5月にアルマンド・レセンディス(メキシコ)に大差の12回判定勝ちで2階級制覇を達成。WBCではエンビリが暫定王者から正王者に昇格し、3月にはレスター・マルチネス(グアテマラ)が暫定王座を獲得。IBFは15戦全勝(14KO)の長身強打者、オスレイス・イグレシアス(キューバ)が4月の決定戦を制して戴冠を果たした。WBO王者のハムザ・シェラーズ(イギリス)は5月の決定戦を経て現在の地位にいる。こちらも191㎝の長身強打者で25戦24勝(19KO)1分の戦績を残している。
現在は無冠だが、26戦全勝(19KO)のディエゴ・パチェコ(アメリカ)は王者たちと同等の力量の持ち主といっていいだろう。そのパチェコには敗れたが、再起後は4連勝と再び調子を上げてきた36歳のケビン・レレ・サジョー(カメルーン/フランス)も不気味な存在だ。
スーパー・バンタム級10回戦
ラモン・カルデナス対レオナルド・カリージョ
「井上尚弥からダウン奪った男」の再起第2戦
WBA、WBC世界スーパー・バンタム級2位のラモン・カルデナス(30=アメリカ)が、レオナルド・カリージョ(33=コロンビア)を相手に再起第2戦に臨む。カルデナスは昨年5月、井上尚弥(大橋)の持つ4団体王座に挑んで8回TKOで敗れたが、2回にはダウンを奪うなど健闘、評価を上げている。相手のカリージョもWBA12位にランクされる実力者だけに、注目の世界ランカー対決といえる。
カルデナスは井上戦の前にも4人の世界ランカーに勝っており、その実力が井上戦であらためて明らかになったともいえる。再起戦では元NABO北米王者のエリック・ロブレス(メキシコ)を痛烈な5回KOで屠っている。自ら攻めた場合もなかなかの攻撃力を持っているが、井上戦のように相手に打ち終わりに左カウンターを合わせるなど高い技術力も備えている。戦績は29戦27勝(15KO)2敗。
カリージョは11年のプロ生活で22戦20勝(9KO)1敗1分の戦績を残している右のボクサーファイター型で、出身国コロンビアのほか現在の居住地であるパナマ、さらにロシア、アルゼンチンで試合経験がある。唯一の黒星はロシア遠征で現WBA1位、WBO5位、IBF7位、WBC11位のムハマド・シェホフ(ウズベキスタン)に10回判定で敗れたもので、以後は3連勝と復調している。
ふたりともリスクを承知でガツガツと自分から攻撃を仕掛けていくタイプではないだけに、序盤は駆け引きをまじえた静かな主導権争いが展開されるかもしれない。そして徐々に距離が詰まりスリリングな攻防へと移っていきそうだ。オッズは6対1、カルデナス有利と出ている。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
エキサイトマッチ~世界プロボクシング
WBC暫定世界S・ミドル級タイトルマッチ
レスター・マルチネス vs ルカ・プランチック
S・バンタム級10回戦
ラモン・カルデナス vs レオナルド・カリージョ
8/30(日)午前9:00頃~ ライブ配信
9/7(月)午後9:00
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