IBF世界ウェルター級タイトルマッチ ルイス・クロッカー対リアム・パロ
(写真左より)ルイス・クロッカー、リアム・パロ
敵地で試練の初防衛戦
パロは2階級制覇に視界良好
昨年9月、ジャロン・エニス(アメリカ)が返上して空位になっていたIBF世界ウェルター級王座を獲得したルイス・クロッカー(29=イギリス)が、同級2位のリアム・パロ(30=オーストラリア)の挑戦を受ける。この試合は今年2月に計画されたが、クロッカーが拳を痛めたため延期された経緯がある。初の国外試合で初防衛を狙うクロッカー、スーパー・ライト級に続いて2階級制覇を狙うサウスポーのパロ。オッズは3対2、挑戦者有利と出ている。
ライバルとの2連戦を経て逞しさを増したクロッカー
クロッカーは世界ジュニア選手権に出場するなどアマチュアで活動後、2017年3月にプロ転向。WBO欧州ウェルター級王座を獲得するなど順調に勝ち上がり、昨年3月にはパディ・ドノバン(アイルランド)とのIBF世界ウェルター級挑戦者決定戦に臨んだ。この試合、接近戦に巻き込まれガードを固めて防御にまわる時間が多くなったクロッカーは8回にダウン。ポイントでも引き離されており敗色濃厚だった。そしてラウンド終了と同時に放ったドノバンの右フックで再びダウンを喫した。ところが、このパンチがゴング後の加撃と判断され、ドノバンに反則負けが宣告された。クロッカーにとっては命拾いの勝利といえた。
これを受け半年後には再び拳を交えることになるのだが、エニスの王座返上もありIBF王座決定戦という最高の舞台となった。今度はクロッカーが3回と5回に左フックのカウンターを合わせてダウンを奪い、12回判定勝ちを収め戴冠を果たしている。ただし、2度のダウンを奪いながらジャッジの採点が2対1に割れるほどの接戦だったことも付記しておく必要があるだろう。
戦績は22戦全勝(11KO)。ドノバンとの2連戦を経て逞しくなった印象もあるクロッカーだが、まだまだ評価を定めるだけの世界的実績を残しているとは言い難い。
転級3戦目で王座挑戦のパロ
パロも国内ユース選手権で優勝するなどアマチュアを経験後、2016年3月にプロデビューした。いくつもの地域王座を獲得しながらランキングを上げ、WBO1位まで躍進。2年前にはIBF世界スーパー・ライト級王者、スブリエル・マティアス(プエルトリコ)の地元に乗り込んで王座に挑み、3対0の12回判定勝ちを収めて戴冠を果たした。しかし、初防衛戦でリチャードソン・ヒッチンス(アメリカ)に敗れ、在位は半年に終わった。
26戦目で初黒星を喫したのを機にウェルター級に転向。昨年9月、デビッド・パポ(フランス)とのIBF挑戦者決定戦を勝ち抜いてクロッカーへの挑戦切符を手に入れた。今年1月、前出のドノバンとの対戦計画があったが、相手が体調不良のため中止になった経緯がある。戦績は28戦27勝(16KO)1敗。
どちらが左フックのカウンターを当てるか
クロッカーにとってはドノバン戦に続きサウスポーと3連戦ということになる。ドノバン戦と決定的に異なるのは初の国外試合、しかも相手のホームに乗り込んでの試合であるという点だ。ドノバン戦では守りながらカウンターを狙うという消極策が目立ったクロッカーだが、今回はもう少し積極的に出てきそうだ。
これに対しパロは地元の声援を受けながらいつものように動きつつ左ストレート、右フックを狙うことになるものと思われる。構えは左右で異なるが、ともに左のカウンターがあるだけにスリリングな攻防が見られそうだ。
<ウェルター級トップ戦線の現状>
WBA S:ローランド・ロメロ(アメリカ)
:ジャック・カテロール(イギリス)
WBC :ライアン・ガルシア(アメリカ)
IBF :ルイス・クロッカー(イギリス)
WBO :デビン・ヘイニー(アメリカ)
トップ戦線は混戦模様だが、話題には事欠かない。7月1日時点では正式発表には至っていないが、WBAスーパー王者のローランド・ロメロ(アメリカ)に元2階級制覇王者のテオフィモ・ロペス(アメリカ)が挑む話が進行中と伝えられ、さらにWBC王者のライアン・ガルシア(アメリカ)とコナー・ベン(イギリス)が対戦という報道もある。また、WBO王者のデビン・ヘイニー(アメリカ)と元4階級制覇王者のシャクール・スティーブンソン(アメリカ)が契約体重で対戦というプランも出ていると伝えられる。加えてキーション・デービス(アメリカ)も転級してきており、すでにWBOでは最上位にランクされている。フロイド・メイウェザー(アメリカ)との対戦が流れた47歳のマニー・パッキャオ(フィリピン)も控えており、役者の数と話題は十分といえる。半年後、あるいは1年後、どんな状況になっているのか興味は尽きない。
そんななかWBAレギュラー王者のジャック・カテロール(イギリス)とIBF王者のルイス・クロッカー(イギリス)はやや影が薄くなっている。クロッカーに挑むリアム・パロ(オーストラリア)を含め、意地を見せてほしいところだ。
若手では、東京五輪出場の実績を持つ18戦全勝(10KO)のロハン・ポランコ(ドミニカ共和国)に注目したい。
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エキサイトマッチ~世界プロボクシング
IBF世界ウェルター級タイトルマッチ
ルイス・クロッカー vs リアム・パロ
7/20(月・祝)午後9:00
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