WBC世界ミニマム級タイトルマッチ メルビン・ジェルサレム対シヤコルワ・クセ
(写真左より)メルビン・ジェルサレム、シヤコルワ・クセ、ニキータ・チュー、オスカル・ディアス
フィリピン ⇒ 南アフリカ
開催地を変えてのダイレクトリマッチ
2年前に重岡優大(ワタナベ)を破ってWBC世界ミニマム級王座を獲得したメルビン・ジェルサレム(32=フィリピン)が、WBC2位のシヤコルワ・クセ(22=南アフリカ)を相手に4度目の防衛戦に臨む。両者は昨年10月に王者の地元フィリピンで対戦し、3対0の小差判定勝ちでジェルサレムが防衛に成功している。開催地をクセの地元南アフリカに変えてのダイレクトリマッチとなる。
初戦の内容に加え試合地が影響しているのか、前回は10対1と一方的だったオッズが、今回はジェルサレム有利のまま3対2と接近している。
"サウスポーキラー"のジェルサレム
ジェルサレムは2023年1月、来日して谷口将隆(ワタナベ)に衝撃的な2回TKO勝ちを収めてWBO世界ミニマム級王座を獲得。その第一次政権では初防衛戦でオスカル・コヤソ(プエルトリコ)にベルトを明け渡したが、1年経たないうちに重岡からWBC王座を奪取。
その後は重岡を返り討ちにするなど堅実に3度の防衛を重ねている。直近のクセ戦は完勝とはいかなかったものの終盤で優勢を印象づけ、116対112、116対112、115対113の3-0で勝利をものにした。
谷口戦で見せたように右ストレートは一撃で試合を終わらせる威力がある。もうひとつ特徴を挙げるならばサウスポーに強いという点だろう。7度の世界戦のうち谷口、重岡(2度)、そしてクセなど6人がサウスポーで、コヤソ戦以外は勝利を収めているのだ。戦績は28戦25勝(12KO)3敗。
スピードと切れで勝負するクセ
リベンジと王座獲得を狙うクセは2003年7月13日生まれで、boxrec.comによれば2018年6月30日にプロ初戦を行ったことになっている。これが本当ならば15歳直前でのデビューとなる。ただし、6戦した時点では国内王座への挑戦失敗、王座獲得、陥落と3勝(2KO)2敗1分に終わっている。その後は7戦6勝(2KO)1敗と好調だ。1敗はジェルサレムに喫したもので、その試合が初の世界戦、そして初の国外試合でもあった。戦績は13戦9勝(4KO)3敗1分。
クセはサウスポーのボクサーファイター型で、最大の武器はスピードといっていいかもしれない。KO率は31パーセントと決して高いわけではないが、その数字以上に切れがありそうな印象だ。好戦的な一面もあるが、1年前の試合ではダウンを喫しており打たれ強くはなさそうだ。
打撃戦か技術戦か
6ヵ月半後の再戦ということで、両選手ともに初戦の感触が残っているものと思われる。変わるのは試合地がジェルサレムの地元からクセの地元になるという点だ。パンチャー型でありながら迎え撃つ戦い方が目立つジェルサレムが、アウェーでの試合であることを意識して積極的に仕掛けて出る可能性がある。これに対しクセがどう対応するか。打撃戦に応じるのか、捌くボクシングを選択するのか。いずれにしても今回も接戦になりそうだ。
<ミニマム級トップ戦線の現状>
WBA S:オスカル・コヤソ(プエルトリコ)
WBC :メルビン・ジェルサレム(フィリピン)
IBF :ペドロ・タドゥラン(フィリピン)
WBO :オスカル・コヤソ(プエルトリコ)
松本流星(帝拳)
この階級の主役が2団体の王座を持つオスカル・コヤソ(プエルトリコ)であることに疑問の余地はないだろう。ただ、上のクラスへの転向も考えているようで、そうなると再び混戦模様になりそうだ。WBAのレギュラー王者だった松本流星(帝拳)は5月に王座を返上し、他団体王者への挑戦を目指している。
WBC王者のメルビン・ジェルサレム(フィリピン)はカウンターもとれる強打者で、すでに3度の防衛を果たしている。今回、V3戦で拳を交えたシヤコルワ・クセ(南アフリカ)と相手国で再戦するが、はたして乗り切れるかどうか。
IBF王者のペドロ・タドゥラン(フィリピン)はサウスポーのボクサーファイター型で、すでに9度の世界戦を経験しているベテラン。2年前、重岡銀二朗(ワタナベ)を破って王座に返り咲いた。その第2次政権では3度防衛中だ。
ウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)、ビック・サルダール(フィリピン)ら元王者に加え、前出の松本、石井武志(大橋)、森且貴(大橋)らが挑戦の機会を待っている。
WBOインターナショナル スーパー・ウェルター級王座決定戦
ニキータ・チュー対オスカル・ディアス
The Butcher vs El Toro
無敗同士の世界先陣争い
スーパー・ウェルター級でIBF7位、WBO9位に名を連ねる12戦11勝(9KO)1無効試合のニキータ・チュー(28=オーストラリア)と、WBC33位にランクされる16戦全勝(6KO)のオスカル・ディアス(25=スペイン)が空位のWBOインターナショナル王座をかけて拳を交える。The Butcher(精肉店、滅多打ちにする男)のニックネームを持つチュー、El Toro(雄牛、闘牛、勇敢な男)と呼ばれるディアス。
世界先陣争いを制するのは――。
チューは元世界王者の父コンスタンチン・チュー(ロシア/オーストラリア)の息子で、同じく元世界王者の兄ティム・チュー(オーストラリア)を兄に持つ。良血のホープとして期待度、注目度は高いものがある。すでに国内王座、IBFオーストララシアとWBOインターコンチネンタル王座などを獲得しており、世界挑戦圏内にいる。
フェイントを多用しながら機を見て踏み込み、主武器の左ストレートを打ち込むサウスポーのボクサーファイター型だが、防御の甘さもあり、まだ成長途上といえそうだ。
ディアスはスペインの国内王座や欧州シルバー王座、今年1月にはWBC中南米王座を獲得している。しかし、世界的な強豪との対戦は皆無で、戦績どおりの実力があるかどうかは疑問だ。加えてサウスポーとの手合わせも少なく、今回がスペインを出て初めての試合という点も不安材料といえる。
オッズは6対1、チュー有利と出ている。右ジャブで牽制し、距離を詰めて左ストレートに繋げていく可能性が高そうだ。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
エキサイトマッチ~世界プロボクシング
WBC世界ミニマム級タイトルマッチ
メルビン・ジェルサレム vs シヤコルワ・クセ
WBOインターナショナル S・ウェルター級王座決定戦
ニキータ・チュー vs オスカル・ディアス
7/13(月)午後9:00
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