WBO世界フライ級タイトルマッチ アンソニー・オラスクアガ対飯村樹輝弥
区切りのV5戦に臨む王者
11戦目で戴冠狙う飯村
日本のボクシングファンにもお馴染みの「トニー」ことアンソニー・オラスクアガ(27=アメリカ/帝拳)が、元日本、OPBF東洋太平洋王者の飯村樹輝弥(28=角海老宝石)を相手にWBO世界フライ級王座の5度目の防衛戦に臨む。両者は昨年12月に戦う予定だったが、飯村が負傷したため挑戦を辞退。代わりに桑原拓(大橋)がオラスクアガに挑んだ経緯がある(オラスクアガが4回TKO勝ち)。攻撃力のオラスクアガ、スピードの飯村という構図だ。
プロ12戦中6度の世界戦を経験しているオラスクアガ
中谷潤人(M.T)の拳友としても知られるオラスクアガは2020年9月にプロデビュー。2023年4月には6戦目で寺地拳四朗(BMB)の持つWBC世界ライト・フライ級王座に挑んだが、激闘のすえ9回TKOで敗れた。試合2週間前に決まった代理挑戦だったが、大健闘して株を上げた。2024年7月、加納陸(大成)を3回KOで屠り空位になっていたWBO世界フライ級王座を獲得。その後、4度の防衛を重ねてきた。
多少の被弾を覚悟で相手に肉薄し、左右のフックやアッパーを顔面とボディに打ち分ける攻撃型の選手で、パンチの回転も速い。その一方、京口紘人(ワタナベ)戦で見せたように距離を保った戦いもできる。プロキャリアは6年で12戦(11勝8KO1敗)と試合数は多くはないが、すでに6度の世界戦をこなしており、数字以上に経験値は高い。
日本、東洋太平洋王座を獲得した実績を持つ飯村
挑戦者の飯村はアマチュアを経て2021年1月に1回TKO勝ちでプロデビュー。3連勝のあとフィリピン・ランカーのエスネス・ドミンゴ(フィリピン)に6回TKO負けを喫したが、その後は6連勝を収めている。この間、日本フライ級王座、OPBF東洋太平洋王座を獲得し、昨年5月にはドミンゴに12回判定勝ちを収めて雪辱を果たしている。戦績は10戦9勝(2KO)1敗。
距離をキープしながら左ジャブを突き刺し、タイミングを計って右ストレートを打ち込む正統派といえる。直近の2試合で12ラウンドをフルに戦い切っており、スタミナも問題ない。桑原戦を会場で偵察している飯村は「トニー選手が強くて巧いことは分かっている。挑戦者らしくアタックしていく」と決意を口にしている。
<アンソニー・オラスクアガ 最近の7試合>
| 2023.4.8 | 寺地拳四朗 | ● 9回TKO | @東京 | (WBA、WBC世界ライト・フライ級王座挑戦) |
| 2023.9.18 | ジーメル・マグラモ | 〇 7回TKO | @東京 | |
| 2024.7.20 | 加納陸 | 〇 3回KO | @東京 | (空位のWBO世界フライ級王座獲得) |
| 2024.10.14 | ジョナサン・ゴンサレス | 〇 1回TKO | @東京 V1 | |
| 2025.3.13 | 京口紘人 | 〇12回判定 | @東京 V2 | |
| 2025.9.11 | ファン・カルロス・カマチョ | 〇 2回TKO | @ラスベガスV3 | |
| 2025.12.17 | 桑原拓 | 〇 4回TKO | @東京 V4 |
<フライ級トップ戦線の現状> ※2026年5月26日時点
WBA:リカルド・サンドバル(アメリカ)
暫定 :ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)
WBC:リカルド・サンドバル(アメリカ)
暫定 :ガラル・ヤファイ(イギリス)
IBF :矢吹正道(緑) vs レネ・カリスト(メキシコ) ※6.6@愛知
WBO:アンソニー・オラスクアガ(アメリカ/帝拳)
寺地拳四朗(BMB)を破ってWBA王座とWBC王座を獲得したリカルド・サンドバル(27=アメリカ)、2階級制覇を成し遂げているIBF王者の矢吹正道(33=緑)、そしてWBO王座を4度防衛中のWBO王者、アンソニー・オラスクアガ(27=アメリカ/帝拳)が横一線といった状態だ。サンドバルとWBC暫定王者のガラル・ヤファイ(33=イギリス)の試合が一度は6月にイギリス開催で決まったが、ヤファイが負傷したためキャンセルになっている。
ランカー陣では、前WBAライト・フライ級王者でフライ級転向表明後、WBA1位、IBF5位、WBO4位にランクされる高見亨介(24=帝拳)、高見の急病で4月の試合が中止になった前IBF王者のアンヘル・アヤラ(26=メキシコ)、2016年リオデジャネイロ五輪出場の実績を持つWBC中米カリブ王者のホセリト・ベラスケス(32=メキシコ)らに注目したい。
さらにWBOアジアパシフィック王者の富岡浩介(23=RE:BOOT)、OPBF東洋太平洋と日本王者の野上翔(25=RK蒲田)も控えている。
WBC世界ライト・フライ級タイトルマッチ
ノックアウト・CPフレッシュマート対岩田翔吉
世界戦19度の2階級制覇王者 vs 返り咲き狙う岩田
戦前のオッズは9対4 挑戦者有利
前WBO世界ライト・フライ級王者の岩田翔吉(30=帝拳)が、1年ぶりの王座返り咲きを狙って同級WBC王者のノックアウト・CPフレッシュマート(本名:タマヌーン・ニヨムトロン 35=タイ)に挑む。ノックアウトは2014年10月から2024年11月まで10年以上にわたってWBA世界ミニマム級王座を16度防衛した実績を持つ2階級制覇王者。それでも海外のスポーツブックのオッズは9対4で岩田有利と出ている。高い経験値を持つ王者をどう攻略するのか。
KO率71%の前WBO王者 岩田
岩田はアマチュアを経て2018年12月にアメリカでプロデビュー。最初の世界挑戦は惜敗に終わったが、2024年10月には会心の3回TKO勝ちで空位のWBO王座を獲得。
しかし、初防衛戦でレネ・サンティアゴ(プエルトリコ)に敗れ、在位は5ヵ月に終わった。再起戦を挟んで今回の試合に臨む。「スキルアップしたところを見てほしい」と話し、「いずれはサンティアゴに借りを返したい。そのためにもWBC王者になる」と、近未来の目標も口にしている。71パーセントのKO率が示すとおりの強打者だが、今回の試合を前に「以前よりもボクシングの幅が広がった」と自信を見せている。戦績は17戦15勝(12KO)2敗。
ミニマム級時代は在位10年 V16を記録したノックアウト
ノックアウトはムエタイを経て2012年6月に国際式デビュー。2年4ヵ月後にはWBA暫定世界ミニマム級王者になり、正王者からスーパー王者へと昇格しながら16度の防衛を果たした。2024年11月、WBO王者のオスカル・コヤソ(プエルトリコ)との統一戦で7回TKO負けを喫したあとライト・フライ級に転向し、昨年12月に現在の王座を獲得した。出入りを繰り返しながらポイントを奪っていく試合巧者で、19度の世界戦を含む戦績は30戦29勝(11KO)1敗。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
エキサイトマッチ~世界プロボクシング
WBO世界フライ級タイトルマッチ
アンソニー・オラスクアガ vs 飯村樹輝弥
WBC世界L・フライ級タイトルマッチ
ノックアウト・CPフレッシュマート vs 岩田翔吉
SPゲスト:岩田翔吉
6/15(月)午後9:00
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(C)Naoki Fukuda(写真左より)アンソニー・オラスクアガ、飯村樹輝弥、ノックアウトCP・フレッシュマート、岩田翔吉