WBA、WBO世界クルーザー級タイトルマッチ デビッド・ベナビデス対ヒルベルト・ラミレス
世界戦10度経験の2階級制覇王者対決
オッズは3対1 ベナビデス有利
2階級制覇を成し遂げているWBA、WBC世界ライト・ヘビー級王者のデビッド・ベナビデス(29=アメリカ)が、同じく2階級制覇の実績を持つWBA、WBO世界クルーザー級王者のヒルベルト・ラミレス(34=メキシコ)に挑む。経験豊富な実力者同士のカードだが、人気や知名度、攻撃力で勝る挑戦者のベナビデスが3対1のオッズで有利とみられている。
16歳でプロデビューし20歳で世界王者になったベナビデス
ベナビデスは13歳のときにトレーナーを務めている父親の勧めでボクシングを始めた。当時のベナビデスは体重が110㎏を超していたためダイエットが主目的だったという。サンドバッグを叩いているうちに選手志望に変わったのは、4歳上の兄ホセ・ベナビデス(元WBA暫定世界スーパー・ライト級王者)の影響も大きかったようだ。
アマチュアで15戦(全勝)したのち2013年8月、16歳8ヵ月でプロデビュー。4年後の2017年9月には空位になっていたWBC世界スーパー・ミドル級王座を獲得した。同階級史上で最も若い20歳8ヵ月での戴冠だった。その後、ドーピング違反と体重超過で王座を失うが、2度とも返り咲きを果たしている。2024年6月にはライト・ヘビー級でWBC暫定王座を獲得し、次戦でWBA王者のデビッド・モレル(キューバ)を下して王座統一を果たした。昨年11月、アンソニー・ヤード(イギリス)を7回TKOで一蹴したV2戦が直近の試合ということになる。
身長188㎝/リーチ189㎝の恵まれた体を生かしたパワーファイターで、中近距離での左右フック、アッパーは回転力があり執拗だ。戦績は31戦全勝(25KO)。勝てば3階級制覇となる。ニックネームは「モンスター」。井上尚弥(大橋)とは趣の異なる怪物だ。
キャリア16年 今回がプロ50戦目となるラミレス
ラミレスは12歳でボクシングを始め、2009年8月に18歳でプロデビューした。ミドル級のWBCユース王座、スーパー・ミドル級のNABF北米王座、NABO北米王座、WBOインターナショナル王座などを獲得、防衛しながらランキングを上げ、2016年4月にアルツール・アブラハム(アルメニア/ドイツ)を破ってWBO世界スーパー・ミドル級王座を獲得した。この王座は5度防衛したあとに返上してライト・ヘビー級に転向。トミー・カーペンシー(アメリカ)、サリバン・バレラ(キューバ)ら世界挑戦経験者を下し、2022年11月にはドミトリー・ビボル(キルギス/ロシア)の持つWBA王座に挑んだが、判定で敗れた。これがプロで唯一の黒星だ。
再起戦で元WBO世界ライト・ヘビー級王者のジョー・スミス(アメリカ)に勝ったあと2024年3月にはアルセン・グーラミリアン(アルメニア/フランス)に判定勝ちを収め、WBA世界クルーザー級王座を獲得。次戦でWBO王者のクリス・ビラム・スミス(イギリス)も下して2団体王座の統一を果たした。昨年6月、かつて対戦したことのあるユニエル・ドルティコス(キューバ)を退けたV2戦が最新試合となる。
こちらも身長189㎝/リーチ191㎝と大柄だが、このクラスではスーパー・ミドル級時代のような体格のアドバンテージはない。ただ、相手にとってはサウスポーの技巧派という戦いにくさはある。直近の5戦がすべて判定決着であるようにパワーには欠けるが、大崩れしない安定感、攻守の切り替えや相手の隙を突く巧さはベテランならではのものがある。戦績は49戦48勝(30KO)1敗。
攻めるベナビデス 迎え撃つラミレスという構図か
ファイター型のベナビデスがプレッシャーをかけ、サウスポーのラミレスが迎え撃つ展開になりそうだ。最近のラミレスはブロック主体の守りが多いため、ベナビデスとしては距離を詰めやすいものと思われる。中近距離で強引な左右のフック、アッパーを集中して当てることができればレフェリー・ストップに持ち込めるかもしれない。
ラミレスはカウンターの左ストレート、左右アッパーで効率よく迎撃したいところだが、ベナビデスの前進を止めるのは容易ではないだろう。
<デビッド・ベナビデス 全世界戦>
| 2017年 9月 | ロナルド・ガブリル | 〇12回判定 | (WBC世界S・ミドル級王座獲得) |
| 2018年 2月 | ロナルド・ガブリル | 〇12回判定 防衛1 | ※のちにドーピング違反のため王座剥奪 |
| 2019年 9月 | アンソニー・ディレル | 〇 9回KO | (WBC世界S・ミドル級王座獲得) |
| 2020年 8月 | ロアメル・アングロ | 〇10回終了TKO | ※体重超過のため計量で失格 王座失う |
| 2022年 5月 | デビッド・レミュー | 〇 3回TKO | (WBC暫定世界S・ミドル級王座獲得) |
| 2023年 3月 | ケイレブ・プラント | 〇12回判定 防衛2 | |
| 2023年11月 | デメトリアス・アンドラーデ | 〇 6回終了TKO 防衛2 ⇒王座返上 | |
| 2024年 6月 | オレクサンダー・グボジーク | 〇12回判定 | (WBC暫定世界L・ヘビー級王座獲得 ※のちに正王者昇格) |
| 2025年 2月 | デビッド・モレル | 〇12回判定 防衛1 | (WBA世界L・ヘビー級王座獲得=2団体王座統一) |
| 2025年11月 | アンソニー・ヤード | 〇 7回TKO 防衛2 |
<ヒルベルト・ラミレス 全世界戦>
| 2016年 4月 | アルツール・アブラハム | 〇12回判定 | (WBO世界S・ミドル級王座獲得) |
| 2017年 4月 | マクシム・ブルサック | 〇12回判定 防衛1 | |
| 2017年 9月 | ジェシー・ハート | 〇12回判定 防衛2 | |
| 2018年 2月 | ハビブ・アーメド | 〇 6回TKO 防衛3 | |
| 2018年 6月 | ローマー・アングロ | 〇12回判定 防衛4 | |
| 2018年12月 | ジェシー・ハート | 〇12回判定 防衛5⇒王座返上 | |
| 2022年11月 | ドミトリー・ビボル | ●12回判定 | (WBA世界L・ヘビー級王座挑戦) |
| 2024年 3月 | アルセン・グーラミリアン | 〇12回判定 | (WBA世界クルーザー級王座獲得) |
| 2024年11月 | クリス・ビラム・スミス | 〇12回判定 防衛1 | (WBO世界クルーザー級王座獲得=2団体王座統一) |
| 2025年 6月 | ユニエル・ドルティコス | 〇12回判定 防衛2 |
<TALE OF THE TAPE 両選手のデータ比較表>
| <ベナビデス> | <ラミレス> | |
| 生年月日/年齢 | 1996年12月17日/29歳 | 1991年6月19日/34歳 |
| 出身地 | フェニックス(アメリカ アリゾナ州) | マサトラン(メキシコ シナロア州) |
| アマチュア戦績 | 15戦全勝 | 不明 |
| プロデビュー | 2013年8月 | 2009年8月 |
| 獲得世界王座 | WBC Sミドル級 | WBO Sミドル級 |
| WBA WBC Lヘビー級 | WBA WBOクルーザー級 | |
| 戦績 | 31戦全勝(25KO) | 49戦48勝(30KO) |
| KO率 | 81% | 61% |
| 世界戦 | 10戦全勝(5KO) ※自身の体重超過の試合含む |
10戦9勝(1KO)1敗 |
| 身長/リーチ | 188㎝/189㎝ | 189㎝/191㎝ |
| 戦闘スタイル | 右ファイター型 | 左ボクサーファイター型 |
| ニックネーム | 「The Monster」 | 「Zurdo」 |
<クルーザー級トップ戦線の現状>
WBA S:ヒルベルト・ラミレス(メキシコ)
WBC :ノエル・ミカエリアン(アルメニア)
暫定 :ミハル・チェスラック(ポーランド)
IBF :空位
WBO :ヒルベルト・ラミレス(メキシコ)
現在は無冠の前IBF王者、30戦全勝(23KO)のジェイ・オペタイア(30=オーストラリア)が実力NO,1とみられているが、今年3月の試合を前にリング外でベルトを失っている。もうひとり、3階級制覇を狙って下の階級から上げてくるデビッド・ベナビデス(29=アメリカ)も同格の実力者といっていいだろう。今回、2団体王者のヒルベルト・ラミレス(34=メキシコ)に挑むが、このサウスポーの技巧派を圧倒するようだと安定政権を築く可能性もある。
大ベテランのバドゥ・ジャック(42=スウェーデン)を破ったWBC王者のノエル・ミカエリアン(35=アルメニア)、同じく大ベテランのジャン・パスカル(43=ハイチ/カナダ)に勝ってWBC暫定王者になったミハル・チェスラック(36=ポーランド)には実力的にも年齢的にも多くを望むのは酷といえそうだ。
前WBO王者のクリス・ビラム・スミス(35=イギリス)、世界挑戦経験者のマテウス・マステルナク(38=ポーランド)を破ってEBU欧州王者になったビダル・ライリー(28=イギリス)、世界戦の経験があるライアン・ロジッキ(31=カナダ)らが挑戦の機会を待っている。
WBA世界スーパー・ミドル級タイトルマッチ
アルマンド・レセンディス対ハイメ・ムンギア
番狂わせ王者 vs 元S・ウェルター級王者
オッズは15対8で挑戦者有利
昨年5月、ケイレブ・プラント(アメリカ)を番狂わせの12回判定で破ってWBA世界スーパー・ミドル級王者になったアルマンド・レセンディスの初防衛戦。当初、元スーパー・ウェルター級、ミドル級王者のジャモール・チャーロ(アメリカ)が挑戦者候補に挙がっていたが辞退。それを受け元WBO世界スーパー・ウェルター級王者のハイメ・ムンギア(29=メキシコ)がレセンディスに挑む。オッズは15対8、挑戦者有利と出ている。
闘牛、勇敢な男を意味する「Toro」というニックネームを持つレセンディスは、その名のとおり強気の姿勢を貫く攻撃型の選手だ。特に出世試合となった3年前のジャレット・ハード戦(10回KO勝ち)、そして戴冠を果たした1年前のプラント戦では持ち味が存分に発揮されたといえる。身長178㎝/リーチ175㎝とスーパー・ミドル級のなかでは大きくはないが、ガードを高く上げた構えでプレッシャーをかけ、左ジャブから右ストレートに繋げる攻撃パターンを持っている。戦績は18戦16勝(11KO)2敗。
実績と知名度で大きく上回るムンギアは2階級制覇を狙っての挑戦となる。まだ29歳だが、プロデビューしたのが16歳時の2013年7月だから13年のプロキャリアとなる。2018年にサダム・アリ(アメリカ)を4回TKOで破ってWBO世界スーパー・ウェルター級王座を獲得。この王座は5度防衛後に返上し、ミドル級からスーパー・ミドル級へと階級を上げてきた。2年前にサウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)に敗れ、7ヵ月後には伏兵ブルーノ・スレイス(フランス)に6回KO負けするなど陰りが見え始めたが、1年前の再戦では12回判定勝ちで雪辱を果たしている。こちらも攻撃的な選手で、飛び込むようにして打ち込む右ストレートや左右フック、アッパーなどが主武器といえる。
2年前に対戦していたらミスマッチといわれた可能性もあるカードだが、直近の試合でレセンディスが番狂わせの戴冠を果たし、一方のムンギアが2戦前に不覚をとっていることがオッズにも影響しているのだろう。
攻撃型同士の組み合わせだけに、まずはどちらがプレッシャーをかける展開に持ち込むのか注目したい。ともに意地をみせて引かずに正面からぶつかり合った場合は序盤から激しい打撃戦になりそうだ。経験値に加え攻防の幅でも勝るムンギアが有利であることは間違いないが、勢いに乗るレセンディスが前戦に続いて不利の予想を覆す可能性も十分にある。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
生中継!エキサイトマッチSP
WBA・WBO世界クルーザー級タイトルマッチ
ヒルベルト・ラミレス vs デビッド・ベナビデス
WBA世界S・ミドル級タイトルマッチ
アルマンド・レセンディス vs ハイメ・ムンギア
5/3(日・祝)午前9:00
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