WBO世界スーパー・ライト級タイトルマッチ テオフィモ・ロペス対シャクール・スティーブンソン
2016年リオ五輪戦士対決
オッズは5対2 挑戦者有利
2階級制覇を成し遂げているWBO世界スーパー・ライト級王者のテオフィモ・ロペス(28=アメリカ)に、4階級制覇を狙ってWBC世界ライト級王者のシャクール・スティーブンソン(28=アメリカ)が挑む注目の一戦。実績も知名度もある人気者同士のカードだが、オッズは5対2で挑戦者のスティーブンソン有利と出ている。
初戴冠当時の勢いが感じられないロペス
ロペスは両親の出身国である中米ホンジュラスの代表として2016年リオデジャネイロ五輪に出場(ライト級1回戦敗退)するなど170戦150勝20敗の戦績を残し、2016年11月にプロに転向。派手なKO勝ちを重ねて注目度を上げていき、3年後にはリチャード・コミー(ガーナ)を2回で粉砕してIBF世界ライト級王座を獲得した。
さらにWBA、WBC(フランチャイズ王座)、WBO王者のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)にも勝って4団体王座統一を果たし、一気にスターダムに上り詰めた。
しかし、モチベーションが低下してしまったのか次戦で伏兵のジョージ・カンボソス(オーストラリア)にダウン応酬のすえ判定負け。輝かしい日々は長続きしなかった。無冠になったのを機にスーパー・ライト級に転向し、2023年6月に19戦全勝のWBO王者、ジョシュ・テイラー(イギリス)に初黒星をつけて2階級制覇を達成。試合直後には「スポーツに関連した仕事をしたい」という理由で引退を示唆したが、のちに撤回している。この王座は暫定王者との団体内統一戦を含め3度防衛中だが、いずれも判定勝負となっている。スピードに乗った波状攻撃が売りだが、ここ数年はかつての勢いは感じられない。戦績は23戦22勝(13KO)1敗。
危機察知能力と防御勘に秀でたスティーブンソン
スティーブンソンも2016年リオデジャネイロ五輪戦士で、こちらはアメリカ代表として出場したバンタム級で銀メダルを獲得している。アマチュア戦績は「140戦して負けたのは12回か13回」(スティーブンソン)という。ロペス同様、トップランク社と契約して2017年4月にプロ転向を果たし、初戦こそ6回負傷判定勝ちという消化不良の結果だったが、以後はスピードとスキルを生かした手堅いアウトボクシングで勝利を重ねてきた。初の世界王座獲得は2019年10月で、空位になっていたWBOフェザー級のベルトを手にしている。
その後、WBO暫定世界スーパー・フェザー級王座(のちに正王者に昇格)と同WBC王座、さらに2023年11月にはWBC世界ライト級王座も獲得して3階級制覇を達成。この王座は、33戦全勝(27KO)の暫定王者、ウィリアム・セペダ(メキシコ)を退けたのを含め3度防衛中だ。「Fearless(怖いもの知らず)」のニックネームを持つサウスポーだが、危機察知能力に優れているためか打撃戦を好まない傾向がある。戦績は24戦全勝(11KO)。今回はWBC世界ライト級王座を保持したままロペスに挑戦する。
序盤で主導権を握りたいロペスだが...
ロペスがプレッシャーをかけて前進し、スティーブンソンが対応するという展開が予想される。攻撃型のロペスもスピードがあるが、より速いのは防御型のスティーブンソンだ。テンポの速い攻防のなか序盤でロペスの強打が挑戦者を捉えることがあれば戦況は王者に傾くかもしれないが、スピードとスキルに長けたスティーブンソンが簡単に被弾するとは思えない。中長距離から巧みに相手をコントロールしてポイントを重ねていく可能性が最も高そうだ。
<TALE OF THE TAPE 両選手のデータ比較表>
| <ロペス> | <スティーブンソン> | |
| 生年月日/年齢 | 1997年7月30日/28歳 | 1997年6月28日/28歳 |
| 出身地 | ブルックリン(アメリカ ニューヨーク州) | ニューアーク(アメリカ ニュージャージー州) |
| アマチュア実績 |
2016年リオデジャネイロ五輪出場 ※両親の出身国ホンジュラス |
2016年リオデジャネイロ五輪 バンタム級銀メダル獲得 |
| アマチュア戦績 | 170戦150勝20敗 | 140戦(128勝12敗or127勝13敗) |
| プロデビュー | 2016年11月(19歳) | 2017年4月(19歳) |
| 獲得世界王座 | 4団体統一ライト級 (WBCフランチャイズ王座含む) WBO Sライト級 |
WBOフェザー級 WBC、WBO Sフェザー級 WBCライト級 |
| 世界戦の戦績 | 7戦6勝(1KO)1敗 | 9戦全勝(2KO) |
| 通算戦績 | 23戦22勝(13KO)1敗 | 24戦全勝(11KO) |
| KO率 | 57% | 46% |
| 身長/リーチ | 175cm/174cm | 173cm/173cm |
| 戦闘タイプ | 右ボクサーファイター型 | 左ボクサー型 |
| ニックネーム | 「Takeover(総取り)」 | 「Fearless(怖いもの知らず)」 |
| トレーナー | テオフィモ・ロペス・シニア(父親) | ウィリー・モーゼス(祖父) |
<スーパー・ライト級トップ戦線の現状>
WBA:ゲイリー・アントゥアン・ラッセル(アメリカ)
WBC:ダルトン・スミス(イギリス)
暫定:イサック・クルス(メキシコ)
IBF:リチャードソン・ヒッチンス(アメリカ)
WBO:テオフィモ・ロペス(アメリカ)
2023年6月にWBO王座を獲得したテオフィモ・ロペス(28=アメリカ)が3度の防衛を重ねており、5人の王者のなかでは最長政権となっている。ほかはIBF王者のリチャードソン・ヒッチンス(28=アメリカ)が2024年12月、WBA王者のゲイリー・アントゥアン・ラッセル(29=アメリカ)が昨年3月、WBC暫定王者のイサック・クルス(27=メキシコ)が昨年7月、そしてWBC王者のダルトン・スミス(29=イギリス)が今年1月にそれぞれ王座を獲得しており、新鮮味のある20代の選手がトップに並んでいる。
ここに割って入りそうなのがロペスに挑むシャクール・スティーブンソン(28=アメリカ)だ。試合を前にした時点でも、すでに5人の王者たちよりも評価は高いといえる。スティーブンソン同様、ライト級から上がってきたキーション・デービス(27=アメリカ)、ラッセルに競り勝ったこともある元WBC王者のアルベルト・プエジョ(31=ドミニカ共和国)、プエジョに勝って戴冠を果たしたもののスミスに王座を明け渡したスブリエル・マティアス(33=プエルトリコ)、さらに2016年リオデジャネイロ五輪戦士で24戦全勝(16KO)のリンドルフォ・デルガド(31=メキシコ)らも今年は王座に絡んできそうだ。まだ先物買いの印象は拭えないが、17戦全勝(14KO)の21歳、エミリアーノ・バルガス(アメリカ)にも注目したい。
WBC世界フェザー級王座決定戦
ブルース・カーリントン対カルロス・カストロ
16戦全勝の新星 vs 初挑戦にかける32歳
スティーブン・フルトン(アメリカ)が返上して空位になった王座の決定戦。すでにブルース・カーリントン(28=アメリカ)は暫定王座を獲得しているが、改めて決定戦に臨むことになった。カルロス・カストロ(32=アメリカ)は2度目の挑戦。
カーリントンはスピードと強打を併せ持つ好選手で、昨年7月にマテウス・ヘイタ(ナミビア)に大差の12回判定勝ちを収めて暫定王座を獲得した。その前後から井上尚弥(大橋)のフェザー級転向プランに触れ、「俺と戦え」と盛んに挑発していることでも知られる。以前はパンチ力に頼った雑なボクシングが目立ったが、最近は長丁場の戦いを経験しながら総合力を上げてきている。
一方のカストロは2012年6月にプロデビューしたベテランで、9年間に27連勝(12KO)をマークしたこともある。4年前、元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)に10回判定負けを喫して28連勝を阻止された。次戦のWBC挑戦者決定戦ではブランドン・フィゲロア(アメリカ)に6回TKOで敗れており、また2024年9月にはフルトンにも10回判定負けを喫している。このフルトン戦ではダウンを奪っており、これまた「カストロが勝っていた」というファンや識者は多かったが、それ以降は試合から遠ざかっている。
カーリントンがスピードを生かして出入りし、徐々にダメージを与えていきながら機を見て一気にスパートしそうだ。オッズは13対2の大差でカーリントン有利と出ている。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
エキサイトマッチ~世界プロボクシング
WBO世界S・ライト級タイトルマッチ
テオフィモ・ロペス vs シャクール・スティーブンソン
WBC世界フェザー級王座決定戦
ブルース・カーリントン vs カルロス・カストロ
4/6(月)午後9:00
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