WBC世界スーパー・ウェルター級タイトルマッチ セバスチャン・フンドラ対キース・サーマン
仕切り直しの注目ファイト
オッズは4対1でフンドラ有利
セバスチャン・フンドラ(28=アメリカ)対キース・サーマン(37=アメリカ)のWBC世界スーパー・ウェルター級タイトルマッチは2025年10月25日に行われる予定だったが、フンドラが負傷したため5ヵ月延期された経緯がある。この間、12月にフンドラは28歳、サーマンは11月に37歳の誕生日を迎えている。かつてウェルター級で2団体王座を統一し、通算8度の防衛を記録したサーマンだが、2020年以降はわずか2度しかリングに上がっておらず、今回も1年ぶりの試合となる。そんな点がマイナスに作用してかオッズは4対1、フンドラ有利と出ている。
「タワーリング・インフェルノ」 フンドラ
フンドラは身長197cm、リーチ203cmの規格外の体格の持ち主で、加えてサウスポーでもある。対戦相手から最も嫌われるタイプといっていいだろう。2016年9月のプロデビューから3年ほどは単なる異色選手として見られていたが、2020年あたりから世界挑戦経験者や元世界ランカーらを連破して評価は急上昇。2022年4月にはエリクソン・ルビン(アメリカ)にも9回終了TKO勝ちを収めてWBC暫定世界スーパー・ウェルター級王者になった。V2戦でブライアン・メンドサ(アメリカ)の強打を浴びて逆転の7回KO負けを喫して無冠になったが、2年前にティム・チュー(オーストラリア)を破ってWBC、WBO王座を獲得(のちにWBO王座は剥奪)。実力が本物であることを証明した。そのチューには再戦でも7回終了TKO勝ちを収めており、今回が3度目の防衛戦となる。
戦績は25戦23勝(15KO)1敗1分。ニックネームは「タワーリング・インフェルノ」。高層ビル火災の恐怖を描いた映画にちなんだ命名だ。
2020年以降では3度目の実戦となるサーマン
サーマンはアマチュアで全米選手権3位(2006年、2007年)などの実績を残し、2007年11月にプロデビュー。2013年7月には24歳の若さでWBA暫定世界ウェルター級王座を獲得し、のちに正王者からスーパー王者に認定された。2017年3月にはWBC王者のダニー・ガルシア(アメリカ)にも勝って王座統一を果たした。ただ、もともとケガの多い選手でもあり、このあとは試合間隔が空くことが増えた。2019年7月、V9戦となったマニー・パッキャオ(フィリピン)戦では初回のダウンを挽回すべく中盤から追い上げたが僅差の12回判定負け、6年保持した王座を失った。前述のとおり、その後は2試合を消化したのみだ。約7年ぶりの世界戦に臨むにあたり、まずはコンディション調整が気になるところだ。
身長は177cm、リーチは175cmとスーパー・ウェルター級では平均的な体格といえる。戦績は33戦31勝(23KO)1敗1無効試合。もともとは爆発力のあるパンチャー型だったが、キャリアを重ねるとともにテクニックと巧みな戦術が売りになってきた印象が強い。
王者の左右連打か 挑戦者の右ストレート、左フックか
試合展開と勝敗を占ううえで注目すべきは、やはり超長身サウスポーのフンドラにサーマンのパンチが届くのかどうかという点だろう。サーマンが得意とする踏み込んで打ち込むフック系の右ストレート、あるいは左フックがクリーンヒットすることがあれば、打たれ脆い面があるフンドラがキャンバスに這うシーンが見られるかもしれない。逆にサーマンが体格差に戸惑いをみせ、攻めあぐねてフンドラの正面に立つ時間が長くなるようならば王者の連打を浴びる可能性が高くなりそうだ。フンドラは超距離から繰り出す右ジャブも武器のひとつだが、両腕をコンパクトに折り畳んだ状態から繰り出す左右フック、アッパーも得意としている。これらをサーマンは搔い潜ることができるか。
<TALE OF THE TAPE> 両選手のデータ比較表
| セバスチャン・フンドラ | キース・サーマン | |
| 生年月日/年齢 | 1997年12月28日/28歳 | 1988年11月23日/37歳 |
| 出身地 | ウェストパームビーチ(アメリカ フロリダ州) | クリアウォーター(アメリカ フロリダ州) |
| アマチュア戦績 | 107戦101勝6敗 | |
| プロデビュー | 2016年9月 | 2007年11月 |
| 獲得世界王座 | WBC、WBO Sウェルター級 | WBA、WBCウェルター級 |
| 世界戦の戦績 | 6戦5勝(3KO)1敗 | 10戦9勝(4KO)1敗 |
| 通算戦績 | 25戦23勝(15KO)1敗1分 | 33戦31勝(23KO)1敗1無効試合 |
| KO率 | 60% | 70% |
| 身長/リーチ | 197cm/203cm | 177cm/175cm |
| 戦闘タイプ | 左ボクサーファイター型 | 右ボクサーファイター型 |
| ニックネーム | 「タワーリング・インフェルノ」 | 「One Time」 |
<セバスチャン・フンドラ 全世界戦>
| 2022年 4月 |
エリクソン・ルビン (WBC暫定世界S・ウェルター級王座獲得) |
〇9回終了TKO | |
| 2022年10月 | カルロス・オカンポ | 〇12回判定 | 防衛1 |
| 2023年 4月 |
ブライアン・メンドサ (WBC暫定世界S・ウェルター級王座失う) |
●7回KO | |
| 2024年 3月 | ティム・チュー (WBC、WBO世界S・ウェルター級王座獲得) |
〇12回判定 | |
| 2025年 3月 | チョーデール・ブッカー ※WBO王座剥奪 |
〇4回TKO | 防衛1 |
| 2025年 7月 | ティム・チュー | 〇7回終了TKO | 防衛2 |
<キース・サーマン 全世界戦>
| 2013年 7月 | ディエゴ・チャベス (WBA暫定世界ウェルター級王座獲得) ※のちに正王者、スーパー王者に昇格 |
〇10回KO | |
| 2013年12月 | ヘスス・ソト・カラス | 〇9回TKO | 防衛1 |
| 2014年 4月 | フリオ・ディアス | 〇3回終了TKO | 防衛2 |
| 2014年12月 | レナード・ブンドゥ | 〇12回判定 | 防衛3 |
| 2015年 3月 | ロバート・ゲレロ | 〇12回判定 | 防衛4 |
| 2015年 7月 | ルイス・コラーゾ | 〇7回終了TKO | 防衛5 |
| 2016年 6月 | ショーン・ポーター | 〇12回判定 | 防衛6 |
| 2017年 3月 | ダニー・ガルシア (WBC世界ウェルター級王座獲得=2団体王座統一) ※のちにWBC王座は返上 |
〇12回判定 | 防衛7 |
| 2019年 1月 | ホセシト・ロペス | 〇12回判定 | 防衛8 |
| 2019年 7月 |
マニー・パッキャオ (WBA世界ウェルター級王座失う) |
●12回判定 |
<スーパー・ウェルター級トップ戦線の現状>
WBA:ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)
暫定 :ジャロン・エニス(アメリカ)
WBC:セバスチャン・フンドラ(アメリカ)
暫定 :バージル・オルティス(アメリカ)
IBF :ジョシュ・ケリー(イギリス)
WBO:ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)
このクラスは昨年来、急に賑やかになってきた。ウェルター級から上げてきたジャロン・エニス(28=アメリカ)がWBA暫定王者になったことが大きい。すでに実力では頭ひとつ抜け出していると思われるスイッチヒッターのエニスが誰と戦うのかという点が注目されているのだ。現時点ではWBC暫定王者のバージル・オルティス(27=アメリカ)戦が内定とも伝えられるが、なかなか正式発表に至らない。注目度の高い無敗同士の対決だけに空中分解は避けてもらいたい。
スター候補のザンダー・ザヤス(23=プエルトリコ)は昨夏にWBO王座を獲得し、半年後の今年1月、アバス・バラオウ(31=ドイツ)に勝ってWBA王座も手に入れた。
エニスやオルティスとの早期対決は現実的ではないが、このまま勝ち進んで知名度と評価をさらに上げれば真の主役になる可能性は秘めている。
2年前にティム・チュー(31=オーストラリア)を破ってWBC、WBO王座を手に入れたセバスチャン・フンドラ(28=アメリカ)は、ザヤスとの対戦に難色を示したためWBO王座を剥奪され、現在はWBC王座のみを保持している。今回のキース・サーマン(37=アメリカ)戦が正念場といえそうだ。
IBF王者のジョシュ・ケリー(32=イギリス)は、チューを破壊したバカラン・ムルタザリエフ(33=ロシア)とのダウン応酬の激闘を勝ち抜いて戴冠。番狂わせの勝利は見事だが、まだ世界王者としての評価を定める段階ではない。ザヤス陣営がケリーを与し易しと判断した場合、3団体王座統一戦の可能性も出てくる。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
エキサイトマッチ~世界プロボクシング
WBC世界S・ウェルター級タイトルマッチ
セバスチャン・フンドラvsキース・サーマン
3/29(日)午前9:00頃~ 先行ライブ配信
3/30(月)午後9:00
◆最新の放送・配信予定などはこちらから◆
【WOWOWエキサイトマッチ公式サイト】 https://www.wowow.co.jp/sports/excite/
【WOWOWエキサイトマッチ公式X】 https://x.com/Excite_Match
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