「王家に捧ぐ歌」(星組2003年) を 湖月わたる×安蘭けいの副音声解説付きでお届け。放送・配信を前に、収録レポートを先行公開!
12/27(土)午後4:00放送「宝塚への招待」
「王家に捧ぐ歌」(星組2003年) を湖月わたる×安蘭けいの副音声解説付きでお届け。
放送・配信を前に、収録レポートを先行公開!
WOWOWが、宝塚歌劇の各組選りすぐりの公演や大劇場公演をお届けする「宝塚への招待」。2025年12月27日(土)午後4時からは、2003年に上演された星組作品『王家に捧ぐ歌』を元星組トップスター・湖月わたると、安蘭けいの副音声解説付でお届けする。放送後には、副音声の未公開映像をWOWOWオンデマンドにて配信予定だ。
『王家に捧ぐ歌』は、ヴェルディ作曲のオペラ「アイーダ」を、宝塚バージョンとして新たな脚本と音楽で舞台化。エジプトの若き将軍ラダメスとエジプト王ファラオの娘アムネリス、そしてエジプトに捕らえられたエチオピア王女アイーダの愛の葛藤を、荘厳な音楽に乗せて華やかにドラマティックに描き出す。今回放送されるのは、湖月わたるがラダメス役、檀れいがアムネリス役を演じ、星組トップコンビの大劇場お披露目公演として上演された2003年の初演時のステージ。アイーダ役には、後に星組トップスターとなる安蘭けいが娘役にチャレンジしている。
3時間近くに及ぶ副音声収録では「なつかしいね、あれから22年だよ」「こだわってお稽古してたよね」などなど、感慨深い様子で当時の話に花を咲かせたふたり。そんな収録を終えたばかりのふたりは興奮冷めやらぬといった表情で、「幕開きの音楽から懐かしくて、なんだか細胞がザワザワしました。特にとうこちゃん(安蘭の愛称)と一緒だった、ということもあって。あの時の温度とか、いろんなことが蘇ってきました」と湖月が振り返ると、安蘭も「3時間の収録ということで、心して挑んだんですけど、3時間があっという間だった。見入っちゃうところも多くて。あらためて素晴らしい作品だなと思いました」としみじみ語る。
さらに「この作品は、わたるさんのために作ったんだと思えるぐらい、わたるさん率いる星組の感じとすごくマッチしていて。当時のわたるさんの生き方と重なっているように感じられたんです」と付け加えた安蘭は、「それまで星組で育ってきたわたるさんは、そこからよその組などに行って、また戻っていらっしゃった。きっと星組の景色も、自分が知ってる頃とはだいぶ違ったと思うんで、戸惑いもあったと思うけど、そんなことよりもやるぞ! みたいな。男気みたいなものを横で感じてました」。
湖月自身も、この作品が自身の「星組カラー」を形作ったと振り返る。「トップお披露目公演って、たぶん皆さん無我夢中で。とにかく作品に、真っ正面から向き合うことしかできなくて。そうやって作品をつくっていく中で、久しぶりの星組とか、そうしたモヤモヤとか、雑念がどんどん消えていって。余計なこと考えずに、この作品をみんなで作り上げたら、きっとその先に何か景色が見えるはずだ、という感じが不安をかき消してくれたというか、そういう強いエネルギーを持てました」。
だが宝塚らしい夢のある物語ではなく、戦いをモチーフとした物語であるということ、歌やダンスでラダメスを表現できるのか、という不安と緊張感などを抱えながら初日を迎えたという湖月。だが幕が開いた時に、観客からの大きな拍手で迎え入れられた。「初日はものすごくドキドキしていました。でも幕が開いた時に、お客さまからものすごい拍手をいただいて。そして見終わった後に皆さんがチケットを買いにいってくださった、という話を聞いて。次もまた見たいと思ってくれたんだなと、とても手応えを感じました」。


一方の安蘭にとっても本作は大きな転機となった。男役としてキャリアを重ねてきた彼女が、本格的な娘役、しかも、もとになったオペラではタイトルロールである王女アイーダを演じることとなった。初めは「なんで私が?」と戸惑いを隠せなかったという。
「わたるさんが来て、私は2番手でやれると思ってたのに、なんで娘役なんだろうと。男役でやりたい、という気持ちもあったんですよね」と正直な思いを吐露する安蘭。「でも本を読んでいくうちに、これはすごくいい役だし、檀(れい)ちゃんと一緒に、わたるさんの横にいられる、というポジションだし。ちゃんと自分が取り組めば、絶対に自分にとってマイナスになることはないだろう、と言い聞かせて挑みました」。
そして実際にこの作品が安蘭の中でのターニングポイントになった。「この作品に出会ったから、この役に出会ったから、今の自分があるみたいなところがすごくあるので。この作品に出会ったこともそうだし、わたるさんの下でやらせてもらってたことにも本当に感謝しています。今回、映像を見ながらそれを思い出しました」
また本作では、ロシアの名バレリーナ、マイヤ・プリセツカヤの振り付けも話題を呼び、同年度の文化庁芸術祭賞演劇部門の優秀賞を受賞した。「本当にいるだけでオーラが強くて。わたしたちが踊ったのを見ていただいたんですが、『この振りがね』と言いながら、それこそ檀(れい)ちゃんの手に触れた時に空気が動くのを感じたんです。細部まで神経の行き届いたその動きに感動しました。そういう方とお会いできて、お仕事をご一緒できるというのが宝塚のすごいところだと思いました」。
そして最後に視聴者に向けて安蘭が「あの当時も結構尖ったテーマだなと思っていたんですが、それが今の時代には余計にリアルに感じるようになりました。本当に深いメッセージがある作品なんですが、そこに宝塚ならではの美しさや華やかさがあって。本当に見応えがあります。リアルだけどそこにファンタジーがしっかりとあるというのは本当に素敵なことだなと思います」と語ると、湖月も「見ていて胸が苦しくなるようなセリフや歌詞があるんですが、こういうことをエンターテイメントを通して伝えられる、というのが宝塚の宝物かなと思います。実際、私もすごくときめいてしまったので。私たちの副音声で、裏話などをいろいろと聞いていただきながら、楽しく、懐かしく、そしてちょっとときめきながら楽しんでください」と呼びかけた。

★12月のWOWOW「宝塚」番組★
◆宝塚プルミエール 彩風咲奈×彩みちる からくり装置工作
放送日:2025/12/27(土)午後3:30
◆宝塚への招待「王家に捧ぐ歌」―湖月わたる×安蘭けい 副音声解説付―
放送日:12/27(土)午後4:00
サイト:https://www.wowow.co.jp/stage/takarazuka/
★WOWOWオンデマンド配信情報★
◆宝塚プルミエール SPロケ&ナレーション収録日記:https://wod.wowow.co.jp/program/204169
◆宝塚への招待 未公開映像公開中:https://wod.wowow.co.jp/program/204170