WOWOWニュース

WBC世界ミニマム級タイトルマッチ メルビン・ジェルサレム対シヤコルワ・クセ

"サウスポー・キラー"の王者
6連勝の挑戦者迎えV3戦

 昨年3月、来日して重岡優大(ワタナベ)に12回判定勝ちを収めWBC世界ミニマム級王座を獲得したメルビン・ジェルサレム(31=フィリピン)が、同級2位のサウスポー、シヤコルワ・クセ(22=南アフリカ)を迎えて3度目の防衛戦に臨む。これまで2度の戴冠試合を含め6度の世界戦のうち5度、左構えの相手と戦ってきたジェルサレムが、今度も"サウスポー・キラー"ぶりを発揮しそうだ。

谷口将隆、重岡優大に勝って王座獲得のジェルサレム

 ジェルサレムはデビューから2年半後の2017年1月、12戦目でWBC世界ミニマム級王座に挑んだが、ワンヘン・ミナヨーティン(タイ)に僅差の12回判定負け。2023年1月、大阪で谷口将隆(ワタナベ)の持つWBO同級王座に挑戦し、右ストレート一発で2回TKO勝ちを収めて戴冠を果たした。この王座は初防衛戦でオスカル・コヤソ(プエルトリコ)に明け渡したが、昨年3月、再来日して重岡優大(ワタナベ)を攻略、12回判定勝ちで返り咲きに成功した。今年3月のV2戦では重岡を返り討ちにしている。谷口を倒し、重岡との初戦でもダウンを奪っている右ストレートが主武器だ。ただ、自ら踏み込んで攻め立てるよりも相手を巧みに迎え撃つことが多く、なかなかの試合巧者といえる。戦績は27戦24勝(12KO)3敗。

22歳の挑戦者クセは国外初試合

 挑戦者のクセは2018年6月にプロデビューし、6戦が終わった時点では国内王座挑戦失敗、獲得、陥落を含め3勝(2KO)2敗1分だった。しかし、その後は国内王座奪回、WBCシルバー王座獲得など6連勝(2KO)を収めている。スピードのある左ボクサーファイター型でパンチの切れもありそうだが、直近の試合でダウンを喫しているように打たれ強くはなさそうだ。戦績は12戦9勝(4KO)2敗1分。
22歳と若く、今回が初の国外試合となる。

オッズは10対1 王者の防衛が濃厚

 日本、アメリカ、タイと世界戦で国外試合を経験しているジェルサレムはキャリア、パンチ力など総合力で勝るうえホームのアドバンテージもあり、10対1というオッズが出ているように圧倒的有利と見られている。クセがサウスポーである点も王者には追い風になりそうだ。クセがよほど奮起しないと判定まで生き延びるのは難しいのでないだろうか。

<ミニマム級トップ戦線の現状>

WBA S:オスカル・コヤソ(プエルトリコ)
      :松本流星(帝拳)
WBC   :メルビン・ジェルサレム(フィリピン)
IBF   :ペドロ・タドゥラン(フィリピン)
WBO   :オスカル・コヤソ(プエルトリコ)


 2団体王者のオスカル・コヤソ(28=アメリカ/プエルトリコ)が9月、WBA王者の松本流星(27=帝拳)も9月、IBF王者のペドロ・タドゥラン(29=フィリピン)が10月、そして今回、WBC王者のメルビン・ジェルサレム(31=フィリピン)が防衛戦を行うことになり、このクラスはなかなか活発な状況といえる。
 現状で最も評価が高いのは13戦全勝(10KO)のコヤソだ。2年半前にはジェルサレムにも7回終了TKO勝ちを収めており、世界戦だけで7試合を行うなど経験値も高い。28戦25勝(12KO)3敗のジェルサレム、24戦19勝(13KO)4敗1分のタドゥラン、7戦全勝(4KO)の松本がコヤソを追っている。特に松本は伸びしろを残しているだけに楽しみな存在といえる。このまま成長を続けていけばコヤソとの統一戦という計画が持ち上がる可能性もある。
 OPBF東洋太平洋王者の石井武志(26=大橋/12戦11勝8KO1敗)、北野武郎(21=大橋/11戦9勝4KO1敗1分)、10月に日本王座を獲得した森且貴(25=大橋/18戦14勝3KO4敗)、高田勇仁(27=ライオンズ/28戦16勝6KO9敗3分)ら日本勢の動向にも注目していきたい。

NABO北米ウェルター級王座決定戦
ニコラス・フラッツ対デランテ・ジョンソン

 17戦15勝(10KO)2敗のニコラス・フラッツ(30=プエルトリコ)対16戦全勝(8KO)のデランテ・ジョンソン(27=アメリカ)の試合はNABO北米ウェルター級王座決定戦(10回戦)として挙行される。WBAコンチネンタル米国王座を獲得するなど2022年以降に6連勝(3KO)を収めているフラッツはIBF10位にランクされており、
オッズでも20対19の僅差で有利とみられている。
 対するジョンソンは2021年夏に開催された東京オリンピックに出場後にプロデビューし、まずは順調な歩みをみせている。今年6月には16戦目で初の10回戦に臨み、5年前にフラッツに1回TKO勝ちを収めているジャネルソン・ボカチカ(アメリカ)に大差の判定勝ちを収めている。現在はWBC29位にランクされている。
 La Bestia(獣)というニックネームを持つフラッツと、Tiger(虎)と呼ばれるジョンソン――どちらが相手を噛みちぎるのか。

バンタム級10回戦
秋次克真対ビンセント・アストロラビオ

 和歌山県生まれの秋次克真(27=日本/アメリカ)は高校を中退して16歳で渡米。現地でトレーニングしながら21歳のときにプロデビューした。全勝やキャリア豊富な相手との試合を勝ち抜いたあと、直近の2戦ではアストン・パリクテ(フィリピン)、ジョナス・スルタン(フィリピン)とのテストマッチが組まれたが、これも6回KO勝ち、10回判定勝ちでクリア。今回、3戦連続でフィリピンの世界挑戦経験者との試合がセットされた。戦績は13戦全勝(3KO)、すでにIBFバンタム級12位、WBC21位にランクされている。
 「Asero(鋼鉄)」というニックネームを持つアストロラビオはプロ10年、25戦(20勝15KO5敗)のキャリアを持つ強打者で、こちらは秋次のひとつ下、IBF13位にランクされている。元世界2階級制覇王者のギジェルモ・リゴンドー(キューバ)、世界ランカーのニコライ・ポタポフ(ロシア)、ナワポン・ソールンビサイ(タイ)らを撃破した実績があるが、昨年7月の世界挑戦試合ではWBCバンタム級王者だった中谷潤人(M.T)には1回KO負けを喫している。
 勝者がIBFでトップ10入りを確実にする一方、敗者は15傑外に落ちることが確定的な今回のランカー対決。オッズは4対1で勢いのある秋次有利と出ている。

◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆


エキサイトマッチ~世界プロボクシング
WBC世界ミニマム級タイトルマッチ
メルビン・ジェルサレム vs シヤコルワ・クセ

NABO北米ウェルター級王座決定戦
ニコラス・フラッツ vs デランテ・ジョンソン

バンタム級10回戦
秋次克真 vs ビンセント・アストロラビオ

12/15(月)午後9:00 WOWOWライブWOD


◆最新の放送・配信予定などはこちらから◆


【WOWOWエキサイトマッチ公式サイト】 https://www.wowow.co.jp/sports/excite/
【WOWOWエキサイトマッチ公式X】 https://x.com/Excite_Match
【WOWOWオンデマンド】 https://wod.wowow.co.jp/genre/boxing

記事をシェアする
  • line

Getty Images

×

PAGE TOP