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スーパー・バンタム級10回戦 ムロジョン・アフマダリエフ対ルイス・カスティージョ

井上尚弥戦を控えた暫定王者の無冠戦
メキシコのリング初登場

 9月14日に愛知県名古屋市のIGアリーナで4団体統一世界スーパー・バンタム級王者の井上尚弥(32=大橋)と対戦する同級WBA暫定王者、ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)の前哨戦。
 アフマダリエフはアマチュア時代に2015年世界選手権準優勝、2016年リオデジャネイロ五輪銅メダル、2017年世界選手権出場(2回戦敗退)など輝かしい実績を残した。アマチュア戦績は320戦300勝(80KO)20敗と伝えられている。プロデビュー後はアメリカを活動拠点とし、わずか1年10ヵ月後にはWBA、IBF世界スーパー・バンタム級王座を獲得した。次戦でIBF暫定王者の岩佐亮佑(セレス)に5回TKO勝ちを収めるなど3度の防衛を果たしたが、体調が不十分のまま臨んだV4戦でマーロン・タパレス(フィリピン)に不覚をとり王座陥落。しかし、昨年12月にWBA暫定王座を獲得している。以前は攻撃が売りだったが、最近は巧みなディフェンスを披露する機会も増えており、いまは万能型の左ボクサーファイターといっていいかもしれない。戦績は14戦13勝(10KO)1敗。
 カスティージョは2015年1月にプロデビューした10年選手で、37戦31勝(20KO)6敗の戦績を残している。世界ランカーのカシール・ファルーク(イギリス)に10回判定負け、のちに世界挑戦するクリスチャン・バカセグア(メキシコ)に10回判定負け、元世界2階級制覇王者の亀田和毅(TMK)に5回TKO負けを喫しており、世界レベルで戦うには実力が不足しているといえそうだ。膝の上下動でリズムを刻みながら右ストレートを狙うことが多いが、54パーセントのKO率ほどのパワーは感じられない。
 重要な前哨戦ということでアフマダリエフが慎重に戦う可能性があるが、それでもカスティージョに主導権を渡すことはないだろう。自身の動きを確認しつつ徐々にペースを上げていってチャンスをつかみそうだ。

<アフマダリエフの主なアマチュア実績>


2012年:世界ユース選手権L・フライ級 準優勝
2015年:アジア選手権バンタム級 準優勝
2015年:世界選手権バンタム級 準優勝
2016年:リオデジャネイロ五輪バンタム級 銅メダル獲得
2017年:アジア選手権バンタム級 優勝
2017年:世界選手権出場(バンタム級2回戦敗退)


<スーパー・バンタム級トップ戦線の現状>


WBA:井上尚弥(大橋)
暫定 :ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)
WBC:井上尚弥(大橋)
IBF   :井上尚弥(大橋)
WBO:井上尚弥(大橋)


 井上尚弥(32=大橋)がこの階級に転向した2023年7月以来、「モンスター」の一強状態が続いている。ルイス・ネリ(30=メキシコ)、ラモン・カルデナス(29=アメリカ)がダウンを奪うなど健闘したが、大番狂わせを起こすまでには至らなかった。トータルで見て力量差は小さくはなかったといえる。
 追う一番手はWBA暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)であろう。2016年リオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得するなど輝かしいアマチュア実績を持ち、プロでも6度の世界戦を含め14戦13勝(10KO)1敗の好戦績を収めている。強打とテクニックを兼備したサウスポーで、「打倒 井上」に並々ならぬ意欲をみせている。
 このほか33戦32勝(17KO)1分のWBC1位、アラン・ピカソ(25=メキシコ)、26戦全勝(20KO)のサウスポー、WBO1位のカール・マーティン(26=フィリピン)、20戦全勝(18KO)のセバスチャン・エルナンデス(24=メキシコ)といったホープが台頭してきているが、まだ井上との実力差は大きそうだ。

バンタム級10回戦
クリスチャン・メディナ対ファン・ラミレス

武居由樹戦を前にテストマッチ
メディナは加速できるか

 9月14日に愛知県名古屋市のIGアリーナで武居由樹(29=大橋)の持つWBO世界バンタム級王座に挑むクリスチャン・メディナ(25=メキシコ)の前哨戦。直近の9戦で2勝7敗と調子を落としているファン・ラミレス(31=メキシコ)を相手にどんな戦いを見せるのか注目される。
 「Chispa(火花)」というニックネームを持つメディナは2017年12月に17歳でプロの世界に飛び込み、ここまで28戦24勝(17KO)4敗の戦績を収めている。2年前、IBF世界バンタム級挑戦者決定戦に臨むために来日して西田凌佑(六島)に12回判定負けを喫したが、直近の16戦ではそれが唯一の敗北だ(15勝10KO1敗)。西田戦後はWBO中南米王座を獲得するなど3連続KO勝ちを収め、WBO1位に上がってきた。自ら踏み込んで打ち込む左右フックだけでなく、相手の出端に合わせてカウンターを放ったり打ち終わりを突いたりとテクニックもある。
 25戦16勝(9KO)9敗のレコードを持つラミレスは、昨年2月に元世界王者のファン・エルナンデス(メキシコ)に2回TKO勝ちを収めたのがキャリア最大の勝利だが、以後は2連敗を喫しており今回が再起戦となる。
 武居戦に向けメディナがどんなパフォーマンスを披露するのか。

◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆


エキサイトマッチ~世界プロボクシング
S・バンタム級10回戦
ムロジョン・アフマダリエフ vs ルイス・カスティージョ

バンタム級10回戦
クリスチャン・メディナ vs ファン・ラミレス

WBC米国L・ヘビー級タイトルマッチ
マヌエル・ガジェゴス vs カリル・コー

8/18(月)午後9:00 WOWOWライブWOD


◆最新の放送・配信予定などはこちらから◆


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