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4団体統一世界スーパー・バンタム級タイトルマッチ 井上尚弥対ラモン・カルデナス

「モンスター」 vs 「ダイナマイト」
井上 5度目の海外世界戦

 4階級制覇、2階級での4団体王座統一、世界戦24戦全勝(22KO)など数々の金字塔を打ち立てている井上尚弥(32=大橋)が、4年ぶりにラスベガスに乗り込んで戦う。4団体統一世界スーパー・バンタム級王座の防衛戦で拳の交えるのはWBA1位のラモン・カルデナス(29=アメリカ)。「モンスター」vs「ディナミタ(ダイナマイト)」という構図だ。

 井上にとっては節目のプロ30戦目となる。2012年10月に49.1kgの体重でデビューしてから13年。ライト・フライ級、スーパー・フライ級、バンタム級、そして現在のスーパー・バンタム級で世界王座を獲得し、29戦全勝(26KO)という驚異的ともいえる戦績を残している。4月に32歳になったが、2020年以降は10連続KO勝ちと勢いは衰えていない。スピード、パワー、テクニック、スタミナ、耐久力、ボクシングIQなどボクサーが必要とする戦力を極めて高い次元でバランスよく備えており、死角は見当たらない。アメリカの老舗専門誌「リング」はじめパウンド・フォー・パウンドの上位常連として世界的にも広く知られた存在だ。
 対するカルデナスはアマチュアを経て2015年7月にプロデビュー。10年間に27戦26勝(14KO)1敗の戦績を収めている。唯一の敗北は2017年4月の初10回戦で判定負けを喫したもので、以後は14連勝(7KO)をマーク。この間、元世界王者ロドリゴ・ゲレロ(メキシコ)、世界ランカーのミチェル・バンケス(ベネズエラ)、ラファエル・ペドロサ(パナマ)、イスラエル・ロドリゲス・ピカソ(メキシコ)、ブライアン・アコスタ(メキシコ)を破っている。右のボクサーファイター型で踏み込んで放つ左フック、相手の打ち終わりに合わせる左フックを得意としている。

<スーパー・バンタム級トップ戦線の現状>


WBA:井上尚弥(大橋)
暫定 :ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)
WBC:井上尚弥(大橋)
IBF   :井上尚弥(大橋)
WBO:井上尚弥(大橋)


 井上尚弥(32=大橋)がスティーブン・フルトン(アメリカ)を8回TKOで破ってWBC、WBO王座を獲得したのが2023年7月のこと。5ヵ月後、WBA、IBF王者のマーロン・タパレス(33=フィリピン)に10回KO勝ちを収めて転級後2試合で4団体王座を統一。以来、「モンスター」のひとり天下が続いている。WBAが暫定王座を設け、タパレスの前の2団体王者、ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)が昨年12月にベルトを獲得している。
 無冠組ではWBC1位のアラン・ピカソ(24=メキシコ)、「ワンダーボーイ」というニックネームを持つ26戦全勝(20KO)のサウスポー、WBO1位のカール・マーティン(26=フィリピン)に要注目だ。
 各団体のトップ15を見てみるとタパレス、ルイス・ネリ(30=メキシコ)、ジョンリエル・カシメロ(36=フィリピン)、ジェルウィン・アンカハス(33=フィリピン)、ら馴染みの名前が並んでいる。
 こうしたベテラン組と村田昴(28=帝拳)、下町俊貴(28=グリーンツダ)、中嶋一輝(32=大橋)ら日本勢の今後に注目していきたい。

WBO世界フェザー級タイトルマッチ
ラファエル・エスピノサ対エドワード・バスケス

 約57.1kgが体重上限のフェザー級にあってWBO王者のラファエル・エスピノサ(31=メキシコ)は身長185cm、リーチ188cmという規格外の体格の選手だ。それだけで十分なアドバンテージになるが、意外にも中間距離での打ち合いを好むタイプで、両腕をコンパクトに畳んでフックやアッパーで攻め立てることが多い。五輪2大会優勝のロベイシ・ラミレス(キューバ)から王座を奪い、初防衛戦は派手な4回TKO勝ち。ラミレスとの再戦では6回TKOで返り討ちにしてV2を果たしている。
 挑戦者のエドワード・バスケス(29=アメリカ)は、エスピノサとは対照的に身長170cm、リーチ165cmと比較的小柄な部類に入る。のちに世界王者になるレイモンド・フォード(アメリカ)に1対2の10回判定負け、2023年11月にはジョー・コルディナ(イギリス)の持つIBF世界スーパー・フェザー級王座に挑んで惜敗と、なかなかしぶとい選手だ。今回はベストウェートのフェザー級に戻しての世界挑戦となる。
 戦績は、エスピノサが26戦全勝(22KO)、バスケスが20戦17勝(4KO)2敗1無効試合。


フェザー級10回戦
中野幹士対ペドロ・マルケス

 OPBF東洋太平洋フェザー級王者でWBA9位、WBC10位、IBF8位、WBO11位にランクされる中野幹士(29=帝拳)が、初の海外遠征で元世界ランカーのペドロ・マルケス(30=プエルトリコ)と対戦する。
 中野はアマチュアで77戦68勝(48KO)9敗の戦績を残し、2018年10月にプロデビュー。4連続KO勝ちのあと5戦目の8回判定勝ちを挟み、以後は7連続KO勝ちを収めている。昨年9月にOPBF東洋太平洋王座を獲得し、今年1月に初防衛を果たしている。自分から積極的に仕掛けて出るサウスポーで、左右ともにパンチ力がある。
 対するマルケスは2015年2月にプロデビューし、2戦目に4回判定負けを喫したが、このときの相手はのちに世界ランカーになるルイス・レブロン(プエルトリコ)だった。2020年1月31日にNABO北米フェザー級王座を獲得したことでWBOランク入りを果たしたが、試合枯れのため9ヵ月後に除外された。2022年5月に戦線復帰して4連勝を収めている。
 戦績は、中野が12戦全勝(11KO)、マルケスが17戦16勝(10KO)1敗。

◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆


エキサイトマッチSP
4団体統一世界S・バンタム級タイトルマッチ
井上尚弥 vs ラモン・カルデナス

WBO世界フェザー級タイトルマッチ
ラファエル・エスピノサ vs エドワード・バスケス

フェザー級10回戦
中野幹士 vs ペドロ・マルケス

8/4(月)午後9:00 WOWOWライブWOD


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(C)Naoki Fukuda

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