WBA世界バンタム級タイトルマッチ 堤聖也対比嘉大吾

友人&ライバルの両者が再戦
昨年10月、井上拓真(大橋)を破ってWBA世界バンタム級王座を獲得した堤聖也(29=角海老宝石)が、友人でありライバルでもある元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(29=志成)を相手に初防衛戦に臨む。ふたりは高校時代に対戦したときは堤が2勝しているが、
プロでは10回引き分けに終わっている。再戦は舞台を世界に移して行われる。
スタミナと打たれ強さに定評の堤
堤は高校、大学とアマチュアで101戦84勝(40KO)17敗の戦績を残している。84勝のうちの2勝は比嘉からあげたもので、17敗のうちの1敗は井上拓真に喫したものだ。
プロで比嘉と対戦したのは2020年10月のことで、このときは堤が6戦5勝(4KO)1分、比嘉はWBC世界フライ級王座を失ってからの再起第2戦だった。勝負は判定に持ち込まれ、ジャッジのひとりが96対94で比嘉を支持したが、残る二者が95対95と採点したため引き分けとなった。
次戦で日本バンタム級王座を獲得した堤は4度防衛後に返上して
井上に挑戦。打撃戦を制して戴冠を果たしている。構えを右から左、左から右に変えながら接近戦を仕掛けて連打を浴びせるファイターで、尋常ならざるスタミナと打たれ強さを誇る。戦績は14戦12勝(8KO)2分。
15連続KO勝ちの記録保持者 比嘉
対する比嘉は高校卒業後の2014年6月にプロデビューし、15連続KO勝ちをマーク。これは浜田剛史(帝拳)、牛若丸あきべぇ(本名=渡部信宣/協栄)と並ぶ日本記録で、デビューからの連続KOとしては日本記録となる。このなかにはWBCユース王座、OPBF東洋太平洋王座、WBC世界フライ級王座の獲得と2度の防衛が含まれているのだから価値がある数字といえる。
計量で失格して世界王座を失い、試合でも9回TKO負け。一度はどん底を経験したが、バンタム級で再起して5年かけて再浮上してきた。昨年9月、敗れはしたもののWBO世界バンタム級王者の武居由樹(大橋)と壮絶な打撃戦を繰り広げたのは記憶に新しいところだ。その試合後、引退をほのめかすコメントを発したが「ボクシングを好きになってしまった」と翻意した経緯がある。戦績は25戦21勝(19KO)3敗1分。距離を潰して上下に連打を打ち分けるファイター型だ。
互いに性格も含めて手の内を知り尽くしている者同士のリマッチは、5対2で堤有利というオッズが出ている。
スーパー・ウェルター級10回戦
キース・サーマン対ブロック・ジャービス
元ウェルター級王者が3年1ヵ月ぶりの復帰戦
相手はKO率87%の強打者
2013年7月にWBA暫定世界ウェルター級王座を獲得し、WBC王座との統一を果たすなど2019年7月まで6年も最高位に君臨した実績を持つキース・サーマン(36=アメリカ)が、87パーセントのKO率を誇るブロック・ジャービス(27=オーストラリア)と対戦する。
サーマンにとっては3年1ヵ月ぶりのリングとなる。
サーマンは王者時代にロバート・ゲレロ(アメリカ)やショーン・ポーター(アメリカ)、ダニー・ガルシア(アメリカ)らに勝ったが、故障も多く後半は試合間隔が空くケースが目立った。2019年7月、初回に喫したダウンが響いてマニー・パッキャオ(フィリピン)に惜敗して無冠になってからは活動の鈍りに拍車がかかり、以後は2022年2月にマリオ・バリオス(アメリカ=現WBC世界ウェルター級王者)に勝った試合だけという状態が続いていた。昨年3月にティム・チュー(オーストラリア)の持つWBO世界スーパー・ウェルター級王座に挑戦することになったが、WBOが承認せず、そんな矢先に自身が二頭筋を痛めたため出場を辞退している。それからさらに1年経って今回の試合を迎えるわけだ。戦績は32戦30勝(22KO)1敗1無効試合。
ジャービスはWBCアジア シルバー王座、IBFユース王座、IBFアジアオセアニア王座、IBFパンパシフィック王座、WBOグローバル王座、IBFインターコンチネンタル王座などを獲得した実績を持っている。興味深いのはそれらがバンタム級に始まりスーパー・バンタム級、フェザー級、スーパー・フェザー級、ライト級と3年7ヵ月の間にウェートが上がってきている点だ。2022年10月にはのちの世界王者リアム・パロ(オーストラリア)に1回KO負けを喫したが、このときはスーパー・ライト級のWBOグローバル王座への挑戦だった。ウェルター級で再起したあと昨年12月にはミドル級の体重でリングに上がり4回TKO勝ちを収めている。戦績は23戦22勝(20KO)1敗。
ジャービスのパンチ力には十分な警戒が必要だが、経験値を含めた総合力で勝るサーマンが圧倒的に有利であることは間違いない。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
エキサイトマッチSP
WBA世界バンタム級タイトルマッチ
堤聖也 vs 比嘉大吾
S・ウェルター級10回戦
キース・サーマン vs ブロック・ジャービス
5/5(月・祝)午後9:00
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(C)NAOKI FUKUDA