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WBC世界L・フライ級王座決定戦 カルロス・カニサレス対パンヤ・プラダブスリ

カルロス・カニサレス (C)NAOKI FUKUDA、パンヤ・プラダブスリ Getty Images

寺地拳四朗の後継王者を決める一戦
2度目の戴冠か2階級制覇か

 WBA・WBC世界L・フライ級王者だった寺地拳四朗(BMB)がフライ級に転向するために返上、空位になった王座の決定戦。元WBA王者のカルロス・カニサレス(31=ベネズエラ)が勝てばWBCで返り咲きとなる。元WBC世界ミニマム級王者のパンヤ・プラダブスリ(32=タイ)が勝てば2階級制覇となる。

田口戦はドロー 寺地戦はダウン応酬の激闘

 カニサレスは2014年7月にプロデビューし、いきなり9連続KO勝ちをマーク。連勝を16に伸ばしたところで田口良一(ワタナベ)の持つWBA世界L・フライ級王座に挑んだが、三者三様のドローに終わった。2018年3月には再来日してWBA同級王座決定戦に臨み、小西伶弥(真正)に12回判定勝ちを収めて戴冠を果たした。中国江西省撫州でのV2戦では元WBO世界フライ級王者の木村翔(青木)に12回判定勝ちを収め、長期政権を予測させた。しかし、次戦で伏兵エステバン・ベルムデス(メキシコ)に逆転の6回TKO負けを喫して王座から陥落した。
 その後、元世界王者のガニガン・ロペス(メキシコ)や世界ランカーのダニエル・マテリョン(キューバ)らに勝ってWBA最上位に復帰。2024年1月、2団体王者の寺地に挑んだ。ダウン応酬の序盤を経て中盤も一進一退の打撃戦を展開して会場を沸かせたのは記憶に新しいところだ。最後の2ラウンドで寺地にポイントを持っていかれ惜敗したが、実力を証明した試合だった。半年後の再起戦でWBCシルバー王座を獲得し、戦績を30戦27勝(19KO)2敗1分に伸ばしている。

ワンヘンから奪取した王座を重岡優大に明け渡したパンヤ

 パンヤは2014年1月にプロデビューし、地域王座を獲得しながら世界ランクを駆け上がり、一時はWBO1位まで上昇した。しかし、元世界王者の熊朝忠(中国)に判定負けを喫し、連勝は18でストップ。その後、再び16連勝を収め、2020年11月には54戦全勝のワンヘン・ミナヨーティン(タイ)を攻略してWBC世界ミニマム級王者になった。この王座はワンヘンや田中教仁(三迫)らから4度防衛したが、2023年10月に東京で重岡優大(ワタナベ)に敗れて失った。2ヵ月半後には2回TKO勝ちで再起戦を飾り、さらに2勝を加えている。戦績は45戦43勝(27KO)2敗。

11対8でカニサレス有利  パンヤには地の利

 元世界王者同士の対戦だが、日本、マレーシア、中国、メキシコ、アルゼンチンのリングに上がったこともあるカニサレスが経験値と攻撃力では勝っている。特に振り抜くように放つ左フックと寺地からダウンを奪った右ストレートが強い。田口戦、木村戦、寺地戦などでスタミナがあることも証明済みだ。
 パンヤは隣国ラオスや中国、日本での試合経験はあるが、対戦相手の質で見劣りすることは否めない。ミニマム級からの転向という点も気になるところだ。スピードのある右ストレートを軸にしたボクシングは大崩れする心配はなさそうだが、カニサレスのようなパワーは感じられない。一方、不利な要素が多いパンヤにとって心強いのが地元開催という点であろう。ラジャダムナン・スタジアムに響く大声援がパンヤの背中を押すはずだ。
 そうした差し引きをしたうえで、オッズは11対8でカニサレス有利と出ている。

<カニサレスの対日本人戦績>


2016年12月 田口良一 △12回引分 WBA世界L・フライ級王座挑戦 @東京
2018年3月 小西伶弥 〇12回判定 WBA世界L・フライ級王座獲得 @神戸
2019年5月 木村翔 〇12回判定 WBA世界L・フライ級王座防衛 @中国
2024年1月 寺地拳四朗 ●12回判定 WBA・WBC世界L・フライ級王座挑戦 @東京

<パンヤの対日本人戦績>


2022年8月 田中教仁 〇12回判定 WBC世界ミニマム級王座防衛 @タイ
2023年6月 田中教仁 〇8回TKO WBC世界ミニマム級王座防衛 @タイ
2023年10月 重岡優大 ●12回判定 WBC世界ミニマム級王座失う @東京

<L・フライ級トップ戦線の現状>


WBA:エリック・ロサ(ドミニカ共和国)
WBC:空位 ※カニサレス対パンヤで決定戦
IBF   :矢吹正道(LUSH緑)
WBO:岩田翔吉(帝拳)

 空位となっているWBCを含め、この1年で4団体すべての王者が入れ替わっている。WBAとWBC王者だった寺地拳四朗(BMB)が両王座を返上。すでにWBAでは決定戦を制した「ミニ・パックマン」エリック・ロサ(24=ドミニカ共和国)が王座を獲得している。WBCは今回のカルロス・カニサレス(31=ベネズエラ)対パンヤ・プラダブスリ(32=タイ)の決定戦で寺地の後継王者が決まる。
 IBFは昨年10月12日にシベナティ・ノンティンガ(26=南アフリカ)を9回TKOで破った矢吹正道(32=LUSH緑)がベルトを握り、その翌日にはハイロ・ノリエガ(32=スペイン)との決定戦を3回TKOで制した岩田翔吉(29=帝拳)がWBO王座に就いた。このWBO王座はジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)がフライ級転向のために返上したもの。すでに岩田は統一戦に意欲をみせているが、まだ誰も初防衛戦をクリアしていないこともあり王者同士の対戦が簡単に決まることはなさそうだ。
 ランカーを見渡してみると、27戦25勝(20KO)2敗のレコードを残しているIBF1位のクリスチャン・アラネタ(29=フィリピン)、17戦全勝(8KO)のエリック・バディージョ(29=メキシコ)、17戦16勝(6KO)1敗のWBO1位、レジー・スガノブ(27=フィリピン)、さらに日本王者の川満俊輝(29=三迫)、8戦全勝(6KO)の新鋭、高見亨介(帝拳)らが控えている。

◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆


WBC世界L・フライ級王座決定戦
カルロス・カニサレス vs パンヤ・プラダブスリ

WBAコンチネンタル ライト級タイトルマッチ
ゲイリー・カリー vs マキシ・ヒューズ

3/10(月)午後9:00 WOWOWライブWOD

◆最新の放送・配信予定などはこちらから◆


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