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WBC世界ミニマム級タイトルマッチ メルビン・ジェルサレム対ルイス・カスティージョ

重岡優大から王座奪取のジェルサレム
無敗の長身サウスポー相手にホームで初防衛戦

 今年3月、名古屋で重岡優大(ワタナベ)から2度のダウンを奪って12回判定勝ちを収め、WBC世界ミニマム級王座を奪ったメルビン・ジェルサレム(30=フィリピン)の初防衛戦。挑戦者はWBC1位にランクされるルイス・カスティージョ(27=メキシコ)。22戦21勝(13KO)1分の戦績を残している長身サウスポーだ。ジェルサレムのホームでの試合ということもありオッズは6対1で王者有利と出ている。

来日して2度の王座獲得を果たしているジェルサレム

 ジェルサレムはアマチュアを経て2014年7月にプロデビューし、7連続KOを含め11連勝でWBC世界ミニマム級王座に挑戦。ワンヘン・ミナヨーティン(タイ)からベルトを奪うことはできなかったものの相手国タイで1~2ポイント差の惜敗だった。東洋太平洋王座を獲得後の2023年1月、谷口将隆(ワタナベ)の持つWBO王座に挑み、2回に右ストレート一発でTKO勝ち、大阪で初の戴冠を果たした。この王座は初防衛戦で失ったが、今春、重岡を破ってWBCで返り咲きを果たした。この試合は採点が114対112(ジェルサレム)、114対112(ジェルサレム)、114対113(重岡)と割れたが、3回と6回にジェルサレムが奪ったダウンが決め手となった。今回が初防衛戦となる。戦績は25戦22勝(12KO)3敗。
 左右のグローブをアゴと胸の間で上げ下げしてリズムをとりながら相手との距離と飛び込むタイミングをうかがい、ここというところで右ストレートを打ち込む。谷口も重岡もこの右を被弾して敗れている。静から動への意向が突然で速いため相手は対応が遅れるのかもしれない。

メキシコ国外で初試合となるカスティージョ

 挑戦者のカスティージョは2014年4月にプロデビューし、7戦目の引き分け以外は挫折を経験せずに大舞台に辿り着いた。6年前に元IBF世界ミニマム級世界王者のマリオ・ロドリゲス(メキシコ)に10回判定勝ち。2年前には世界挑戦経験者のアブラハム・ロドリゲス(メキシコ)に6回TKO勝ちを収めている。
 ミニマム級としては167cmと長身のサウスポーで、全体的にゆったりとしたリズムで戦うボクサーファイター型だ。スピードやパワーはずば抜けたものは感じられないが、相手を懐に呼び込んで突き上げるアッパー系のパンチは要注意といえる。

サウスポーを苦にしない王者に大きなアドバンテージ

 オッズは6対1、ジェルサレム有利と出ている。メキシコを出て戦うことが初めてのカスティージョに対し、ジェルサレムはタイ、アメリカ、日本(2度)で世界戦を経験しており、実績という点で明確な差をつけている。今回はフィリピンでの試合ということで王者には大きなアドバンテージになりそうだ。
 加えてジェルサレムは直近の5戦のうち4試合でサウスポーを相手にしており(3勝1敗)、左構えの相手を苦にしない傾向がある。谷口戦や重岡戦を見るかぎり、むしろ右ストレートが生きるサウスポーとの対戦を得意としている印象がある。
 長身サウスポーのカスティージョが距離とタイミングを計るなか、王者がフェイントを多用しながら飛び込む機会をうかがう展開になりそうだ。敵地での挑戦となるカスティージョは序盤から飛ばして主導権を握り、ジェルサレムの焦りを誘いたいところだが...。

<ミニマム級トップ戦線の現状>


WBAスーパー:ノックアウト・CPフレッシュマート(タイ)
WBC    :メルビン・ジェルサレム(フィリピン)
IBF     :ペドロ・タドゥラン(フィリピン)
WBO    :オスカー・コラーゾ(プエルトリコ)


 在位10年超のWBAスーパー王者、ノックアウト・CPフレッシュマート(34=タイ)を除く3王者は、いずれも戴冠から2年が経っていない。WBC王者のメルビン・ジェルサレムは今年3月、重岡優大(27=ワタナベ)から2度のダウンを奪って王座を獲得。かつて谷口将隆(30=ワタナベ)を2回TKOで下してWBO王座を獲得した実績を持っており、団体を変えて返り咲きを果たしたことになる。
そのジェルサレムからWBO王座を奪ったオスカー・コラーゾ(27=プエルトリコ)はアマチュア経験豊富な万能型サウスポーで、すでにアジア・オセアニア圏を出ないWBAスーパー王者を上回る評価を得ている。このコラーソとノックアウトの両王者が11月16日、サウジアラビアで統一戦を行うことになっている。
 IBF王者のペドロ・タドゥラン(28=フィリピン)は2019年~2021年までIBF王座に君臨していた実績を持っている。その後、ベルトの持ち主はレネ・マーク・クアトロ(28=フィリピン)、ダニエル・バジャダレス(30=メキシコ)、そして重岡銀二朗(25=ワタナベ)と変わっていたが、今年7月、重岡に勝って返り咲いた。
 ジェルサレムやタドゥランが返り咲きを果たしたことでも分かるように、この階級は王者とランカーの力が紙一重という場合が多い。無冠となった重岡兄弟、ノックアウトに惜敗したアレックス・ウィンウッド(27=オーストラリア)にも遠からず再びチャンスが巡ってくる可能性は高い。

◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆


WBC世界ミニマム級タイトルマッチ
メルビン・ジェルサレム vs ルイス・カスティージョ

フェザー級10回戦
ジェルウィン・アンカハス vs スックプラサード・ポンピタック

S・バンタム級8回戦
ガブリエル・サンティシマ vs ジェロ・バカルソ

S・フライ級8回戦
ケビン・ビラヌエバ vs ジャーソン・アリゴラ

11/11(月)午後9:00 WOWOWライブWOD


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