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WBA世界ミニマム級タイトルマッチ ノックアウト・CPフレッシュマート対アレックス・ウィンウッド

10年間に15度防衛の王者 vs 5戦目で戴冠狙う挑戦者
オッズは9対4で地元のウィンウッド有利

 2014年10月にWBA暫定世界ミニマム級王座を獲得し、正王者からスーパー王者に昇格しながら15度の防衛を重ねてきたノックアウト・CPフレッシュマート(33=タイ ※本名 タムマヌーン・ニヨントロン)が、プロ5戦目で戴冠を狙う東京五輪戦士のアレックス・ウィンウッド(27=オーストラリア)の挑戦を受ける。24戦全勝(9KO)のノックアウト、4戦全勝(2KO)のウィンウッド。経験がものをいうのか、それとも若さと勢いが勝るのか。オッズは地元のウィンウッドが9対4で有利と出ている。

小野、大平、田中らを退けているノックアウト

 ノックアウトは2012年6月のプロデビュー戦でミニマム級のWBCユース王座を獲得し、7度の防衛に成功。9戦目にはWBA暫定世界ミニマム級王座を獲得した。2年後には正王者との団体内統一戦で勝利を収め、さらに2020年3月には「スーパー王者」の称号を得た。小野心(ワタナベ)、大平剛(花形)、田中教仁(三迫)を含め約10年間に15度の防衛を果たしている。そのうちKO勝ちは4度で、「名前のようにはいかないな」と皮肉られることもあるが、世界の舞台でベルトをキープし続けている点は十分に評価に値する。
ただ、2022年7月にV15を果たしたあと正王者のエリック・ロサ(ドミニカ共和国)との団体内統一戦が組まれたが、ロサのビザの問題などで試合が実現せず、結果として2年以上のブランクができてしまった。この空白と敵地での試合という点がどう影響するか。

東京五輪に出場したウィンウッド

 ウィンウッドは2021年東京五輪に出場(フライ級1回戦敗退)後、2022年11月に25歳でプロに転向した。こちらもデビュー戦(2回TKO勝ち)で西オーストラリア州のL・フライ級王座を獲得し、次戦(4回TKO勝ち)ではWBCインターナショナル同級王座に就いて世界15傑入りを果たしている。さらに3戦目にはミニマム級に体重を下げ、WBCインターナショナル王座を獲得。この試合と昨年12月の前哨戦では10回をフルに戦い切っている。一時はWBCとIBFで上位にランクされていたが、WBA王座への挑戦が決まったため除外されており、現在はWBA8位の肩書のみとなっている。

ホームとアウェーがどう影響するか

 15度の防衛のうち中国開催を除いて14度を自国で戦ってきたノックアウトにとっては2度目のアウェーでの試合となる。パワーよりも押し引きの巧みさと攻撃時の連打が持ち味の王者だが、環境が変わったなかでの試合ということでいつもよりも積極的に飛ばすことが予想される。一方、小刻みにリズムをとりながら出入りするタイプのウィンウッドはどう出るのか。声援に押されて攻めて出るのか、それとも迎え撃つ展開をイメージしているのか。カウンターもとれる好選手だが、守勢にまわると心もとないだけに判断が難しいところだ。接戦が予想される。

<ミニマム級トップ戦線の現状>


WBAスーパー:ノックアウト・CPフレッシュマート(タイ)
WBC    :メルビン・ジェルサレム(フィリピン)
IBF       :ペドロ・タドゥラン(フィリピン)
WBO    :オスカル・コラーソ(プエルトリコ)

 アメリカ生まれのプエルトリカン、万能型サウスポーのWBO王者、オスカル・コラーソ(27)が頭ひとつ抜け出た存在といえる。昨年5月、メルビン・ジェルサレム(30=フィリピン)を7回終了TKOで破って戴冠を果たし、すでに3度の防衛を果たしている。10戦全勝(7KO)。年内にWBA王者との統一戦が計画されている。
 そのコラーソに敗れて一度は無冠になったジェルサレムだが、今年3月に来日して重岡優大(27=ワタナベ)に勝ってWBCで返り咲きを果たした。IBF王者のペドロ・タドゥラン(27=フィリピン)も返り咲き組だ。2019年から2021年にかけてIBF王座に君臨していたタドゥランはレネ・マーク・クアトロ(28=フィリピン)からダニエル・バジャダレス(30=メキシコ)、そして重岡銀二朗(24=ワタナベ)へと渡っていた王座を今年7月に取り戻した。
 WBAスーパー王者のノックアウト・CPフレッシュマートは在位が約10年、15度の防衛に成功しているロングラン王者で、今回のアレックス・ウィンウッド戦がキャリア2度目の国外試合となる。勝者がコラーソとの統一戦に向かう可能性が高い。
 重岡兄弟はふたりとも今年になって王座を失ったが、王者と同等の戦力を備えているだけに巻き返しを期待したい。

WBC豪州ウェルター級タイトルマッチ
スティーブ・ガゴ対ブレーク・ミント


 スティーブ・ガゴ(35=オーストラリア)はサウスポーのボクサーファイター型で、9年のプロキャリアで16戦14勝(7KO)2敗の戦績を残している。この2敗は2019年8月にWBA世界ウェルター級9位にランクされていたヌルスルタン・ザンガバエフ(カザフスタン)との試合と、2021年7月のリアム・パロ(オーストラリア)戦で、いずれも10回判定で敗れたもの。パロは現IBF世界S・ライト級王者で、敗れはしたもののガゴにとっては勲章といっていいかもしれない。そのパロ戦後は2連続KO勝ちを収めている。
 ブレーク・ミント(31=オーストラリア)は10年のキャリアで23戦15勝(4KO)6敗2分のレコードを残している。20代のときにはマイナー団体の地域王座やIBFアジア オセアニア王座などを獲得したことがあるが、直近の5戦は1勝4敗と不振が目立つ。距離を潰して手数で攻め込む右のファイター型だが、戦績が示すとおりパンチ力には欠ける。
 ミントが積極的に前進し、サウスポーのガゴが迎え撃つ展開が予想される。総合力ではガゴが勝るが、近距離での乱戦に巻き込まれると苦戦も考えられる。

◆◆◆[WOWOW ボクシング 放送・配信情報]◆◆◆


エキサイトマッチ~世界プロボクシング WBA世界ミニマム級タイトルマッチ ノックアウト・CPフレッシュマートvsアレックス・ウィンウッド
10/21(月)午後9:00 WOWOWライブWOD


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