いよいよ開幕!初戦で一昨季のCL決勝が再現、解説・戸田和幸氏の注目ポイントも【Matchday 1プレビュー】
欧州クラブNo.1を決める戦いが再び始まる――。
WOWOWで独占生中継するUEFAチャンピオンズリーグ2024-25は、日本時間9月18日(水)にいよいよ開幕。大会フォーマットが大幅に変わり、グループステージ改めリーグフェーズからビッグクラブ同士が顔を合わせる、サッカーファンにとってはたまらないカードが目白押しだ。
ついに迎える開幕を前に、Matchday 1でWOWOWが無料放送・配信する2試合と、絶対に観ておくべき試合「プレミアムマッチ」の見どころをお届け。またリーグフェーズ各節で押さえておきたい一戦を紹介する。
【無料放送・配信】9月18日(水)午前1:15 ユヴェントスvsPSV
苦しい1年を乗り越え、ビアンコネロがCLの舞台に帰ってくる。ファイナンシャル・フェアプレー規則の違反により、2023-24シーズンのUEFA主催大会出場禁止措置を受けたユヴェントス。国内大会に集中した昨季はセリエAで3位に入り、2年ぶりのCL出場権を勝ち取った。
ボローニャを躍進に導いたチアゴ・モッタを新監督に迎えた今季は変革の年になる。ラビオ、キエーザら主軸が退団し、ブッフォンの後継としてゴールマウスを守ってきたシュチェスニーが電撃引退。新指揮官の下ではトルコ代表MFケナン・ユルディズ、ムバングラら若手を積極起用している。
その中で主軸として注目したいのがカンビアーソ。左右両足で高精度のキックを持つ現代型のサイドバックだったが、同ポジションでプリマヴェーラ出身のサヴォーナが台頭したことで、今季は攻撃的ポジションでの起用が増加。セリエA開幕戦ではさっそく左足でミドルシュートを決めてみせた。まさに水を得た魚、両足から放たれる正確なボールを存分に繰り出し、得点やチャンスメイクに多く絡む飛躍のシーズンとなりそうだ。
34試合でわずか1敗、驚異的な強さで2023-24シーズンのオランダ国内リーグを制したPSVは、CLではプレーオフからベスト16に進出した昨季超えの成績を狙う。チームの武器は圧巻の攻撃力。今季ここまでの公式戦6試合で生み出したゴールは「24」、さらにスコアラーは合計で10人と誰が出ても衰えぬ得点力を持っている。
オランダが誇る最強の矛は、好スタートを切った新生ユーヴェをも倒すのか?大会フォーマットの刷新で新時代を迎えるUEFAチャンピオンズリーグは、刺激的な一戦で幕を開ける。
【無料放送・配信】9月18日(水)午前3:50 レアル・マドリードvsシュトゥットガルト
いま、名実ともに世界最強といえるクラブがあるとするならば、それは紛れもなくレアル・マドリードのことだろう。史上最多15回の欧州制覇、昨季の欧州王者という称号だけでなく、そこにエンバぺが加わったことで、その地位は完全に確立されたものになった。
R・マドリードに加入した背番号9は、新天地デビューとなったUEFAスーパーカップ・アタランタ戦でさっそく加入後初ゴール。まだ合流から日が浅いながらも、すでに決定的な役割をこなせることを証明した。ヴィニシウス、ベリンガム(Matchday 1は負傷により欠場予定)との連携も向上中。いまのレアル・マドリードは世界が羨む理想の攻撃陣を形成しつつある。
それに引けを取らないバルベルデ、モドリッチら中盤の存在感、そしてGKクルトワをはじめとした守備陣を含め、各ポジションに世界最高峰のタレントが揃うことこそ、彼らが新・銀河系軍団と呼ばれる所以だ。
そんな完全無欠の白い巨人に初戦で挑むのは、15シーズンぶりにCLに出場するシュトゥットガルト。2023-24シーズンに躍進しブンデスリーガ2位となったチームだが、特に前半戦に驚異的な得点ペースで快進撃を牽引したFWギラシ、後方で堅守とビルドアップを支えたアントン、日本代表DF伊藤洋輝がそれぞれステップアップを求めて移籍するなど、この夏で大きく様変わりしている。
攻守の要が抜けたチームで今季期待したいのがFWウンダフ、昨季はシャドーとしての起用が多いなか、ギラシに次ぐチーム2位のリーグ戦18得点をマーク。過去にベルギーリーグ得点王になるなど実力は折り紙付きで、今季はストライカーとしての本領発揮に期待したい。
【プレミアムマッチ】9月19日(木)午前3:50 マンチェスター・シティvsインテル
1年前、トルコ・イスタンブールの地でビッグイヤーをかけて戦った2チームが、Matchday 1で激突する。マンチェスター・シティは前人未到のプレミアリーグ4連覇、インテルは昨季セリエA史上最速タイの5試合残しての優勝と、ともに国内では一頭地を抜く両者だ。
マンチェスター・Cとインテルが公式戦で顔を合わせたのはたった1度、それが2022-23シーズンのCL決勝だ。当時、ペップ・サッカーの完成形とされた敵なしのシティに対し、インテルが真っ向勝負を挑んだ戦いは、近年のCL決勝でも指折りの手に汗握る名勝負だった。
マンチェスター・シティの初優勝から1年あまり、CLで再現した好カード。実際にこの試合の解説を務める戸田和幸氏による、注目ポイントをご紹介する。
一昨シーズンのCL決勝カードの再現。ホームチームのシティはロドリ不在の状況で素晴らしいシーズンを切りましたが、代表での試合を経てチームに戻った時にもうひと段階レベルが上がる事が期待されます。
ポイントは右サイドバックとウイングの人選でしょうか。
右SBはインサイドでのプレーだけでなくボックス内まで侵入して質の高いパフォーマンスを見せ始めている、(イングランド)代表デビューも果たしたリコ・ルイスか、EUROの影響により緩やかにシーズンを始めた強く逞しく速いウォーカーか。
5バックで自陣非保持を過ごすインテルを攻略する為にワイドプレイヤーとして誰を選ぶか、ドクとサヴィーニョの状態はとても良くグリーリッシュも控えていますが、ウォーカーと同様にシーズンインを遅らせているフォーデンの起用も含めて注目したいポジションです。
アウェイチームとなるインテルは、昨シーズン圧倒的なパフォーマンスでリーグタイトルを獲ったチームにジェリンスキやタレミといった実力者を加えましたが、高いレベルのシステマチック且つ柔軟性あるタクティクスをベースに個のクオリティを発揮させられる絶妙なバランスを持った素晴らしいチームです。
相手がシティとなった時に保持と非保持のバランスをどの程度に見積もるのか、どちらの局面をメインとした闘い方を採用するのか。
CL決勝時のように持たせたところに巧妙に仕組まれた非保持を当て嵌めてミスを誘いカウンターからの保持・攻撃を考えるのか、国内リーグでのように保持で相手を攻略し押し込む事にチャレンジするのか、ここがチームとして非常に重要なポイントになると思います。
CLの初戦でありマンチェスターシティとの重要な試合という事もありますが、この試合の結果によって次のステージへの突破が決まるといった試合ではないので、高いレベルの連携を持つ非保持はもちろんですが個人的には自在の可変からの運び出しや相手を引き出してラウタロ・マルティネス&テュラムの2トップの能力と連携を生かした縦パスを使っての鋭い前進・侵入といった素晴らしい攻撃が作れるインテルが見られる事を期待していますし、それによってよりエキサイティングな試合になるのではないかと期待しています。
この一戦は9月20日(金)午後11時放送・配信の「チャンピオンズリーグダイジェスト!」でも、解説の坪井慶介氏とともに徹底分析する。
また今後の「プレミアムマッチ」もご紹介。Matchday7までの各節で、絶対に見逃せないビッグマッチはこちらだ。
Matchday 2 : アーセナルvsパリ・サンジェルマン
Matchday 3 : バルセロナvsバイエルン・ミュンヘン
Matchday 4 : インテルvsアーセナル
Matchday 5 : リヴァプールvsレアル・マドリード
Matchday 6 : ユヴェントスvsマンチェスター・シティ
Matchday 7 : パリ・サンジェルマンvsマンチェスター・シティ
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