市原隼人　演じた役を通じて
「生き方に関しても深く考えさせられた」

この度、本作の完成を祝い、初披露の場となる完成披露試写会を実施いたしました！
市原隼人、淵上泰史、陣内孝則、波多野貴文監督が登壇し、会場は大いに盛り上がりました。

ネットの普及と共に拡大し続ける様々な詐欺被害をテーマにしたクライムエンターテインメントの第２弾。Season１では交番勤務の警察官・多家良啓介（向井理）が、法では裁けない相手ばかりを狙う"詐欺師K"として法を超えて悪人を華麗に欺いた。本作Season２では巨大詐欺組織を喰らう詐欺師・田胡悠人（市原）を主人公に、圧倒的詐欺の知識とセンスを武器に成り上がっていく様を描く。

Season２の主人公・田胡悠人を演じる市原は「ＷＯＷＯＷならではの表現方法や物語、人物を掘り下げることでお客様に伝わることを信じて撮影という時間を紡いでいました。ここまで迷いながら、考えながら、集中しながら作品に向き合ったのは初めて。答えを求めれば求めるほど答えが遠くなっていく、そんな感覚でした」と神妙な表情。ただそんな迷いが今回はプラスに転じたそうで「迷いや心情を役に投影することが役へのアプローチだと思ったので、心情に深く入ることだけを考えて、見られ方よりもあり方を大切に役に入りました」と述べた。劇中では中国語セリフにも挑戦しており、「そんなところも楽しんでもらえたら幸いです」と見どころに挙げていた。

一方、謎のサロンを主宰する詐欺師・海藤周役の陣内は「本気と書いてマジ、運命と書いてさだめと読みますが、僕の場合は"感謝"と書いて"ＷＯＷＯＷ"と読みます。このドラマを足掛かりに、そして俳優としてベクトルが上向いている市原さんと淵上さんを踏み台に、この芸能界をのし上がっていきたいです」とやる気十分。演じる上では「表面だけをペロッと舐めてチャチャッとやっているように見えないよう、目線やセリフ回しを意識。僕は60代の俳優としては伸びしろがある俳優ですから」とジョークを放って会場を盛り上げていた。

ライドクリーン代表の木崎竜一役の淵上は「陣内さんの後の挨拶は非常にやりにくい...」と大先輩のパワフルさに怯えつつ「木崎竜一は成り上がり精神が強くて欲深い男。それを表情などで伏線として芝居に置いてきたつもり。話が進む中でそれがわかって来ると思うので、点と点が繋がる様になればいいなと逆算しながら作りました」と回想。撮影の様子を聞かれると「ベテラン勢ばかりの中で緊張感もありましたが、そんな中でもカットがかかるたびに陣内さんがひとネタ飛ばしてくれて現場を温めてくれました」と陣内のサービス精神に感謝して、市原も「僕もそこに参加したいと思いつつも、役から離れてしまうと緊張感がなくなると思って...。羨ましく陣内さんのことを見つめていました」と明かした。

市原と陣内は親子役を演じた映画『チェケラッチョ!!』以来、約18年ぶりの再共演。市原は「凄く嬉しかったです。照れくさいですけれど、少しでも大人になった自分を見ていただいて、胸を借りるような気持ちで芝居をさせてもらいました」としみじみ。陣内も「当時から出来上がっていて、顔なんか見てもずっと主役を張っていく人だなという感じで。それで今回18年ぶりにお会いをしたら、シェイプアップされていて大人としてセクシーになっていた。役に対する熱量が凄い。主演を張る人はこうでなければと思った」と再会を喜んでいた。

一方、第1話の演出を務めた波多野監督は「テレ東のSeason１とＷＯＷＯＷのSeason２ということで、しかも主演が向井理さんから市原さんに変わるということで、そこのテイストの違いを意識して作りました」と明かした。

そんな中、本ドラマの内容にちなんで日常の「嘘」にまつわるエピソードを披露。市原は俳優生活25年を振り返り「何をやっても嘘っぱち。何をやっても虚像ですし、常に申し訳ない気持ちがあります。それを払拭しようと役にアプローチして深く入っていきたいと思うけれど...。特殊な職業だといつも思いますね」とストイックさを覗かせた。

最後に主演の市原は「カッコよくもない、決して美化されるような主人公でもないけれど、誰かを犠牲にして成り立つ道義というものはあるのか？なぜ人を騙すのか？そんな中で生き方ということに関しても深く考えさせられました。皆さんにもそんなことを感じていただき、詐欺師としての巧妙な手口や会話劇、サスペンスを是非感じていただければ幸いです」と呼び掛けていた。