UEFAチャンピオンズリーグ ここまでの戦いを振り返る & Matchday 5を展望!(グループA~D)
WOWOWで放送・配信中のUEFAチャンピオンズリーグ2023-24。グループステージはMatchday 4を終え、決勝トーナメント進出を決めたチームや早々に敗退が決まったチームなど悲喜こもごも。各グループのここまでの戦いを振り返り、グループステージMatchday 5を展望する。
グループA:バイエルンは盤石。方や大苦戦のマンチェスター・U
マンチェスター・Uとの初戦を撃ち合いの末、4-3で制したバイエルンは勢いそのままに無傷の4連勝。クリーンシートがないのは気がかりだが、ケイン、ムシアラら点を取るべき人がしっかりと結果を出し、ドイツの絶対王者は隙を見せなかった。
一方のユナイテッドはホームのガラタサライ戦、敵地コペンハーゲン戦で逆転負けを喫するなど、ここまでわずか1勝の最下位。グループステージ突破に黄信号が灯る。
イカルディ、メルテンス、ザハら強力なタレントを揃えるガラタサライは当初の予想ほどグループAをかき乱す存在となれず、代わってコペンハーゲンが台風の目となりそうだ。注目はユナイテッド戦で値千金の決勝弾を決めたバルドグジ。先日18歳になったばかりの新鋭は、国内リーグでも16試合7ゴールを挙げるチームトップスコアラーと実力は本物。ファーストネームの「ルーニー」とあわせて、その名を覚えておいて損はない選手だ。
Matchday 5
ガラタサライ vs マンチェスター・U
バイエルン vs コペンハーゲン
カギを握るのはもちろんガラタサライとマンチェスター・Uの一戦だろう。ユナイテッドはここで敗れれば決勝T進出の可能性が潰えるため、負けは許されない。とはいえ強力な個を揃える攻撃陣を、ましてや異様な熱狂をみせるガラタサライのホームで防ぐのは至難の業だ。
この週が最大の好機となりえるのはコペンハーゲン。対戦相手のバイエルンはGS突破どころか首位通過を決めており、今節から事実上の消化試合に。プライドにかけて手を抜くことは考えにくいが、モチベーションでいえばMatchday 4までのそれとは雲泥の差がある。大逆転劇をみせた前節のように、最後まで足掻く姿勢を貫けば決勝Tを大きく手繰り寄せる1勝を得られるかもしれない。
グループB:アーセナルがGS突破王手。あとは3つ巴の様相
敵地でRCランスに敗れるハプニングがあったものの、3勝1敗のアーセナルがひとつ先を走っているのは間違いない。特にホームでの2試合は文字通り相手を圧倒し、反撃の兆しすら作らせない完璧な戦いぶりだった。もともと下馬評では一頭地を抜く存在だっただけに、この状態を維持できれば7シーズンぶりの決勝T進出は堅い。
そして残り1枠は3チームが争う展開。番狂わせを起こしたRCランスはその後調子を上げられず、PSVとの連戦で1分1敗。逆にルーク・デ・ヨングのヘディング弾でホームでのRCランス戦を制したPSVが、白熱の2位争いで優勢に立っているかもしれない。国内リーグではなんと開幕13連勝中で、得点数と最少失点でともにリーグトップ。あらゆる局面からチャンスを演出できるオランダ代表MFフェールマンがCLの舞台でも本領を発揮できれば、PSVの強さに欧州中が驚くはずだ。
セルヒオ・ラモスの復帰が話題を呼んだ昨季EL王者のセビージャはここまで未勝利。苦しい戦いが続く。
Matchday 5
セビージャ vs PSV
アーセナル vs RCランス
アーセナルは今節引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる。ホームで第一関門を突破し、アーセナル・スタジアムを歓喜の渦に包みたい。一方Matchday 2で金星を挙げているRCランスは、その記憶を頼りに勝ち点を持ち帰るのがノルマだ。センセーショナルな活躍を見せたエリ・ワイが再びキーマンになるだろう。
大会初勝利を狙うセビージャは絶好調のPSVを迎える。注目は身長188cmの両エース。セビージャの昨季EL制覇の立役者エン=ネシリは長身ながらバリエーション豊富な得点パターンを持つ。古巣対決のルーク・デ・ヨングはその見た目を裏切らないハイタワースタイルで、今季の全12ゴール中5つがヘディングによるもの。CLで沈黙が続く前者か、古巣凱旋の後者か、試合の行方は空中で決まるかもしれない。
グループC:R・マドリードが決勝T進出。ナポリもほぼ手中に収める
開幕から4連勝のレアル・マドリードが早々にグループステージ突破を決め、残り1枠にもナポリが王手をかける。R・マドリードの主役はもちろんベリンガム。開幕3戦連続でゴールを挙げており、もはや欧州に彼を止める教科書は存在しない。5番不在のMatchday 4では代役ブライム・ディアスが躍動し、チームとしても危なげなく決勝T進出を決めた。
R・マドリードとの好試合で敗れたナポリも、その他では堅実な戦いを披露。エースのオシムヘンが負傷離脱の災難に見舞われても、ラスパドーリがしっかりと穴を埋めた。
苦戦を強いられているのはブラガとウニオン・ベルリン。前者は強豪相手に善戦することが多いものの、最後は地力の差を見せられている。CL初出場のU・ベルリンはボヌッチ、ゴーゼンスなどの補強で注目を集めたものの未勝利。Matchday 1、2と後半ATに決勝点を献上しての連敗で、勢いを失った形だ。
Matchday 5
レアル・マドリード vs ナポリ
ブラガ vs ウニオン・ベルリン
グループステージ屈指の好カードを前に、両者に激震が走った。R・マドリードはヴィニシウスが代表活動中に全治2カ月の負傷。チュアメニ、エデル・ミリトンら主力が連なる故障者リストに、重みのある背番号7が加わってしまった。そしてナポリはリュディ・ガルシア前監督の解任と、かつて指揮官をつとめたヴァルテル・マッツァーリの復帰を発表。勝てば決勝T進出が決まる一戦は「変化」をテーマに、満身創痍の白い巨人に立ち向かう。
ブラガとU・ベルリンがGS突破の可能性を残すには、それぞれ勝ったうえで、もう一方の試合結果に委ねるという厳しい条件。Matchday 2の対戦ではベッケルの2ゴールでU・ベルリンが先制するも、その後ブラガが3点を奪って逆転と劇的な幕切れとなったが、リターンマッチではどのようなドラマが生まれるのか。
グループD:早くもトップ2が確定。R・ソシエダとインテルが首位を争う
10季ぶりCL出場のレアル・ソシエダと、昨季ファイナリストのインテルによる一戦で幕を開けたグループD。1-1のドローに終わった両者が、その後それぞれ3連勝で早くもトップ2を確定させた。R・ソシエダはブライス・メンデスが開幕3試合連続ゴールと殊勲の活躍。Matchday 4では難敵ベンフィカを16分間で3ゴールの固め打ちで撃破し、本拠地アノエタで20季ぶりのCL決勝T進出を決めている。
インテルも初戦の引き分け以降いずれも1点差の勝利と、首位を走るセリエA同様に手堅く勝利を積み重ねた。懸念は負傷によりパヴァールが離脱中のバックライン。ダルミアン、デ・フライら経験値のある選手の起用も考えられる中、Matchday 4では新加入のビセックが先発出場した。まだ国内での出場歴が浅い22歳だが、CLで経験を積み新たなオプションとなるのか見守りたい。
ザルツブルクは1勝、ベンフィカは4連敗でCLからの敗退がすでに決定。ELのプレーオフ出場をかけて3位の座を争う。
Matchday 5
レアル・ソシエダ vs ザルツブルク
ベンフィカ vs インテル
R・ソシエダとインテルにとってここからは、首位突破を目指しての戦いとなる。オヤルサバルを負傷で欠くラ・レアルは前線の火力不足をどう補うかがカギで、当然、久保建英への期待が高まる。ここまでR・ソシエダのキーマンとして確かな活躍を見せているが、CLでは待望のゴールは生まれず。ネットを揺らす瞬間は訪れるのか。対戦相手のザルツブルクは国内リーグで大暴れ中、コートジボワール代表FWコナテに注目。同胞のレジェンド、ドログバを彷彿とさせるポテンシャルを持つ19歳はCLでは沈黙が続いており、こちらも初ゴールが待たれる。
昨季の準々決勝でも対戦したベンフィカとインテルだが、今季はグループステージで明暗が分かれた。とはいえディ・マリア、ベルナット、ネリスら実力者揃いのスカッドなだけに、インテルはアウェイで手を焼きそうだ。
【Matchday 5 放送・配信スケジュール】
10月30日(木)
午前2:30 グループA ガラタサライ vs マンチェスター・ユナイテッド(解説:林陵平/ 実況:西岡明彦)
午前2:30 グループB セビージャ vs PSV(解説:坪井慶介 / 実況:田中大士)
午前4:50 グループB アーセナル vs RCランス(解説:安永聡太郎 / 実況:山﨑誠)
午前4:50 グループC レアル・マドリード vs ナポリ(解説:宮澤ミシェル / 実況:大澤幹朗)
午前4:50 グループD レアル・ソシエダ vs ザルツブルク(解説:望月重良 / 実況:横内洋樹)
▼以下配信のみ▼
午前4:50 グループA バイエルン・ミュンヘン vs コペンハーゲン
午前4:50 グループC ブラガ vs ウニオン・ベルリン
午前4:50 グループD ベンフィカ vs インテル
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