WBC世界バンタム級挑戦者決定戦 那須川天心対ファン・フランシスコ・エストラーダ
再起戦でビッグネームと対戦する那須川
ハイリスク・ハイリターンの再起戦
昨年11月、WBC世界バンタム級王座決定戦で井上拓真(30=大橋)に12回判定負けを喫した那須川天心(27=帝拳)が、2階級制覇の実績を持つ世界的なビッグネーム、ファン・フランシスコ・エストラーダ(35=メキシコ)と対戦する。再起戦で強敵と拳を交える那須川にとってはハイリスク・ハイリターンの試合となる。
井上拓真戦で初の挫折 レジェンド相手の再起戦
那須川はキックボクシングを経て2023年4月にプロデビュー。元王者を含む世界ランカー4人を下して約2年でWBC1位にまで上り詰めたが、井上に敗れて急停止を強いられた。「絶対に(井上拓真に)借りを返したい」と公言し、その権利を得るためにWBCの指令に従ってエストラーダとの挑戦者決定戦に臨む。
165㎝の身長に対しリーチが176㎝と恵まれた体型から定型を持たない自在な動きのなかでスピードのある右ジャブ、左ストレートを軸に多彩なパンチを放つ。井上戦では相手の出方に十分な対応ができたとはいえなかったが、それでも苦しい状況下で12ラウンドを戦い抜き経験値を上げている。戦績は8戦7勝(2KO)1敗。現在はWBC2位、WBA2位、IBF7位、WBO11位にランクされている。
3階級制覇への足掛かりをつかみたいエストラーダ
エストラーダは約18年のプロキャリアで那須川の6倍以上の試合をこなしてきたレジェンドだ。無冠の現在はバンタム級でWBC1位、WBO2位、IBF6位に甘んじているが、かつてはフライ級でWBA王座とWBO王座を獲得し、スーパー・フライ級でもWBAとWBCの2団体王者になった実績を誇る。戦績は49戦45勝(28KO)4敗。そのうち15度が世界戦(12勝6KO3敗)だ。
KO率は57パーセントと驚くほど高いわけではないが、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア/帝拳)との3試合をはじめ名だたる強豪たちとの対戦比率が高いなかで残してきた数字であることを考慮しなくてはなるまい。特に連打力、駆け引き、スタミナ、タフネスといった点で秀でている。ただ、7回KOで敗れた2年前のジェシー・ロドリゲス(アメリカ/帝拳)戦がそうだったように、4敗のうち3敗がサウスポーに喫したものである点も付記しておきたい。
海外のスポーツブックのオッズは6対5、エストラーダ有利と出ている。
<バンタム級トップ戦線の現状> ※2026年6月2日時点
WBA:アントニオ・バルガス(アメリカ)
休養:堤聖也(角海老宝石)
WBC:井上拓真(大橋)
IBF :ホセ・サラス・レイジェス(メキシコ)
WBO:クリスチャン・メディナ(メキシコ)
この2年ほど、リングの内外で大きな動きがみられる階級だ。2024年10月、WBA王座は井上拓真(大橋)から堤聖也(30=角海老宝石)に持ち主が変わったが、のちに堤とアントニオ・バルガス(29=アメリカ)の間で2度、正王者と休養王者の入れ替わりが行われている。この間、ノニト・ドネア(43=フィリピン/アメリカ)が暫定王者に認定されるなど理解に苦しむ状況が続いてきた。さらにバルガスにはスーパー・フライ級3団体統一王者、ジェシー・ロドリゲス(26=アメリカ)が挑戦(現地6月13日)と、話題にはこと欠かない。
WBC王者の井上拓真は昨年11月、那須川天心との王座決定戦を制してバンタム級で3度目の戴冠を果たした。5月2日には井岡一翔(37=志成)の5階級制覇を阻止して評価を上げたところだ。交渉がスムーズにいけば晩夏から秋にかけて今回の那須川対ファン・フランシスコ・エストラーダの勝者の挑戦を受けることになる。
17戦全勝(11KO)のIBF王者、ホセ・サラス・レイジェス(24=メキシコ)は手数の多いサウスポーで、まだ成長途上の選手といえる。ケネス・ラバー(23=フィリピン)対マイケル・アンジェレッティ(29=アメリカ)の勝者の挑戦を受けることになりそうだ。
WBO王者のクリスチャン・メディナ(26=メキシコ)は昨年9月、武居由樹(29=大橋)を4回TKOで下して王座を獲得。今年2月に初防衛を果たしている。頑丈な体を生かした攻撃型だが、テクニックもある。
こうした王者たちを追うグループには前出の那須川のほかジムメートの増田陸(28=帝拳)、アンドリュー・ケイン(29=イギリス)、さらに元王者のジェーソン・モロニー(35=オーストラリア)、エマヌエル・ロドリゲス(33=プエルトリコ)らがいる。秋次克真(28=日本/アメリカ)、ホセ・カルデロン(22=メキシコ)にも注目したい。
バンタム級10回戦
秋次克真対ホセ・カルデロン
強豪を連破している秋次 vs 増田に善戦したカルデロン
和歌山県出身で10代のときからアメリカを主戦場としているサウスポーの秋次克真(28=日本/アメリカ)が、プロ15戦目で初めて日本のリングに上がる。相手のホセ・カルデロン(22=メキシコ)は昨年11月、東京で増田陸(帝拳)と対戦して5回負傷判定負けを喫した長身選手。現在はWBC18位にランクされている。
IBF11位、WBO6位、WBC12位、WBA14位に名を連ねるサウスポーの秋次は右ジャブで探りを入れながらプレッシャーをかけ、左ストレートを上下に打ち分けるボクサーファイター型で、世界挑戦経験者らを連破して勢いを増している。
対するカルデロンは身長175㎝、リーチ185㎝の大柄な選手で、足をつかいながら中長距離で戦うこともあれば自らワンツーや左右フックで攻め込むこともある。相手にとっては戦いにくいタイプといえる。
秋次は「日本で初めての試合なので、いい印象を残したい」と話し、カルデロンは「リング上では戦争のような試合になるだろう」と意気込みを口にしている。
◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆
エキサイトマッチSP
WBC世界バンタム級挑戦者決定戦
那須川天心 vs ファン・フランシスコ・エストラーダ
バンタム級10回戦
秋次克真 vs ホセ・カルデロン
6/22(月)午後9:00
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(C)Naoki Fukuda(写真左より)那須川天心、ファン・フランシスコ・エストラーダ