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WBC世界バンタム級タイトルマッチ 中谷潤人対ダビド・クエジャル

3階級制覇王者 vs 28戦全勝の「将軍」

 フライ級、スーパー・フライ級、そしてバンタム級と3階級で世界王座を獲得してきた中谷潤人(27=M.T)が、28戦全勝(18KO)の23歳、ダビド・クエジャル(メキシコ)の挑戦を受ける。中谷にとっては2024年2月に獲得したWBC世界バンタム級王座のV3戦となる。

173cm/174cmの3階級制覇王者 中谷

 身長173cm、リーチ174cmの中谷はサウスポー・スタンスから多彩な右ジャブを放って相手を牽制。距離とタイミングが合うと躊躇なく左を打ち込んでいく。この左も真っすぐに伸びるものと外側から巻き込むようにして放つもの、インサイドからのアッパーなどバリエーション豊かだ。多くの相手は戸惑っているうちに被弾し、守勢にまわったところを追撃されてキャンバスに沈んできた。
 戦績は29戦全勝(22KO)。このなかには8度の世界戦が含まれている(8勝7KO)。海外での防衛戦もこなしており、一戦ごとに経験値も高くなってきている。特にバンタム級上げてからはアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)を6回TKO、ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)を1回KO、ペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)を6回TKOで下しており、「ビッグバン(大爆発)」のニックネームどおり勢いを増している印象だ。

174cm/171cm 28戦全勝の23歳 クエジャル

 挑戦者のクエジャルは「El General(エル・ヘネラル=将軍)」というニックネームを持つホープで、アマチュアを経て2017年7月に15歳8ヵ月でプロデビューしてから一度も挫折を経験することなくここまで来た。中谷を上回る174cmの長身で、中間距離で左フックや右アッパーなどを振り抜くことが多い。距離をキープした戦いができる一方、打撃戦も辞さない強気な面もある。
 世界挑戦経験者のイバン・メネセス(メキシコ)、元世界2階級制覇王者のモイセス・フエンテス(メキシコ)、世界挑戦経験者のヒルベルト・メンドサ(パナマ)、元世界2階級制覇王者のルイス・コンセプション(パナマ)、世界挑戦経験者のホセ・ベラスケス(チリ)らを連破している。彼らがいずれもピークを過ぎていた点は割り引いて考える必要があるが、若くて勢いがあることは事実だ。さらにメキシコの名伯楽といわれるホセ・レイノソ(通称チェポ)の指導を受けていることも加えておく必要があるだろう。

<バンタム級トップ戦線の現状>


WBA  :堤聖也(角海老宝石)
暫定   :アントニオ・バルガス(アメリカ)
WBC  :中谷潤人(M.T)
IBF     :西田凌佑(六島)
WBO  :武居由樹(大橋)


 昨年5月、西田凌佑(28=六島)がIBF王座、武居由樹(28=大橋)がWBO王座を獲得してから、日本人選手が主要4団体王座を独占した状態が続いている。10月には堤聖也(29=角海老宝石)が井上拓真(29=大橋)からWBA王座を奪取。2024年2月にWBC王座を獲得した中谷潤人(27=M.T)を加え、4人とも無敗だ。なかでも3階級制覇の中谷はアメリカの『Ring Magazine』のパウンド・フォー・パウンドで8位にランクされており、頭ひとつ抜け出た存在といっていいだろう。
 4人を追う一番手としては強打と打たれモロさを併せ持つWBA暫定王者のアントニオ・バルガス(28=アメリカ)が挙げられる。ランカーを見てもダビド・クエジャル(23=メキシコ)のほかは日本人選手が目立つ。堤との再戦と王座奪還を目指す井上拓真、デビューから2年で急成長中の那須川天心(26=帝拳)、一撃必倒の左ストレートを持つサウスポーの日本王者、増田陸(27=帝拳)、そして15連続KO勝ちの日本記録保持者でもある元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(29=志成)。しばらくは日本の天下が続きそうな気配だ。

119ポンド(約53.9kg)契約10回戦
那須川天心対ジェーソン・モロニー


バンタム級世界ランカー対決

 バンタム級でWBA2位、WBC3位、WBO3位、IBF13位にランクされるサウスポーの那須川天心(26=帝拳)が、近い将来の世界挑戦を見据えて前WBO同級王者のジェーソン・モロニー(34=オーストラリア)と対戦する。昨年5月に武居由樹(大橋)に王座を奪われたモロニーだが、現在もWBC5位とIBFで5位、WBOで6位にランクされており、世界上位ランカー同士のカードということになる。
 キックボクサー時代から抜群の知名度を誇る那須川は2023年4月にプロボクシングに転向し、5戦全勝(2KO)の戦績を残している。
デビュー戦が日本2位、次戦がメキシコ国内王者、3戦目と4戦目は世界ランカー、5戦目は全勝のホープとの対戦だった。まずは順調に成長しているといっていいだろう。一番の武器は卓越したスピードだが、一戦ごとにテクニック、駆け引き、スタミナ配分なども巧みになってきている。
 対するマロニーは30戦27勝(19KO)3敗の戦績を残しているベテランで、昨年5月に武居に王座を明け渡してからの再起戦となる。
 左ジャブから右ストレートに繋げる正統派の右ボクサーファイターで、直近の4戦はすべて12回判定決着となっており、スタミナも一定以上の打たれ強さも備えている。ただ、武居戦を見るかぎりサウスポーを不得手にしている印象は拭えない。今回の試合を前にモロニーは「武居戦のときは十分な対策と対応ができなかったが、その課題はクリアした」と話している。

◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆


エキサイトマッチSP「中谷潤人vsクエジャル」「那須川天心vsモロニー」

4/28(月)午後9:00 WOWOWライブWOD


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