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WBO世界ライト級タイトルマッチ デニス・ベリンチク対キーション・デービス

19戦全勝のスイッチヒッター vs 13戦無敗のスター候補
プロの大舞台で実現する五輪銀メダリスト対決

 昨年5月、3階級制覇王者のエマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)を2対1の12回判定で下して空位になっていたWBO世界ライト級王座を獲得したデニス・ベリンチク(36=ウクライナ)が、WBO1位、WBC2位、IBF3位にランクされる25歳の俊英、キーション・デービス(アメリカ)の挑戦を受ける。ベリンチクが2012年ロンドン五輪L・ウェルター級、デービスは2021年東京五輪ライト級でともに銀メダルを獲得した実績を持っており、元アマエリート同士の対決でもある。

長丁場の戦いも心得ているベリンチク

 ロンドン五輪前年に開催された世界選手権でも準優勝しているベリンチクは2015年8月にプロデビュー。地域王座を獲得、防衛するなど自国を拠点に活動していたが、ロシアの軍事侵攻の影響もあり直近の3戦はイギリス、ポーランド、アメリカで行っている。世界ランカーのイバン・メンディ(フランス)、世界挑戦経験者のアンソニー・イギット(スウェーデン)、そしてナバレッテを相手に異国で価値のある勝利を収めてきた。身長170cmと体は大きくないが、巧みに出入りしたり構えを左右に変えたりして的を絞らせず、そして隙を突いて攻め込む戦い方を身に着けている。12ラウンドを7度、フルに戦い切っており長丁場の戦いにも慣れている。戦績は19戦全勝(9KO)。パワーには欠けるが、なかなか狡猾的な選手といえる。

強豪を連破して勢いを増してきたデービス

 デービスはアマチュア時代、2019年の世界選手権や東京五輪では決勝でアンディ・クルス(キューバ)に優勝を阻まれ2番手に甘んじた。そのクルスもプロに転向してライト級で世界挑戦を狙っており、デービスとしては先に王座を獲得してライバルを迎え撃ちたいところだ。
 コロナ禍のため東京五輪開催が1年先送りになったため、デービスは2021年2月にプロデビュー。3勝後に五輪に出場した経緯がある。プロに戻ってからは世界挑戦経験者のファン・カルロス・ブルゴス(メキシコ)、アンソニー・イギット、元2階級制覇王者のホセ・ペドラサ(プエルトリコ)らを下して世界上位に進出。昨年11月には体重超過のグスタボ・レモス(アルゼンチン)を2回KOで一蹴して今回の試合に繋げた。身長175cm、リーチ178cmの恵まれた体格でプレッシャーをかけ、中間距離で左の上下、右ストレート、コンビネーションと矢継ぎ早にパンチを繰り出していく。これまでは相手が右構えであろうと左構えであろうと気にせずに戦ってきた。戦績は13戦12勝(8KO)1無効試合。

オッズは11対2 25歳の新王者誕生の予感

 デービスがプレッシャーをかけ、ベリンチクが立ち位置を変えながら出入りする機会をうかがう展開が予想される。相手国での試合となるベリンチクは先手を取って若い挑戦者の焦りを誘いたい。接近戦の際にはクリンチを多用するなどしてデービスのスピードを封じ、同時にリズムを寸断することができれば防衛が見えてきそうだ。
 しかし、11対2で挑戦者有利というオッズが出ているように現有戦力はデービスが上回っているものと思われる。中間距離から速い右ストレート、左フックで煽り立て、相手が守勢にまわったところで連打に繋げるシーンが目に浮かぶ。25歳の新王者誕生の可能性が高そうだ。

<TALE OF THE TAPE 両選手のデータ比較表>


  <ベリンチク> <デービス>
生年月日 1988年5月5日/36歳 1999年2月28日/25歳
出身地 ウクライナ・クラスノドン アメリカ・ノーフォーク
アマチュア実績 2011年世界選手権銀
2012年ロンドン五輪銀
2019年世界選手権銀
2021年東京五輪銀
プロデビュー 2015年8月 2021年2月
戦績 19戦全勝(9KO) 13戦12勝(8KO)1無効試合
KO率 47% 62%
身長/リーチ 170cm/ 175cm/178cm
戦闘スタイル スイッチヒッター 右ボクサーファイター型

<ライト級トップ戦線の現状>


WBA  :ジャーボンテイ・デービス(アメリカ)
WBC  :シャクール・スティーブンソン(アメリカ)
WBC暫定:ウィリアム・セペダ(メキシコ)
IBF     :ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)
WBO     :デニス・ベリンチク(ウクライナ)


 WBA王者のジャーボンテイ・デービス(30=アメリカ)、WBC王者のシャクール・スティーブンソン(27=アメリカ)、IBF王者のワシル・ロマチェンコ(36=ウクライナ)の3強は直接対決が期待されながら実現せずに時間ばかりが経過している。先送りになればなるほどロマチェンコは厳しい状況になり、逆に若いスティーブンソンが有利になると思われるが、実際はそう単純なことではないのだろう。
 トップ3の頂上決戦が実現しないなか、32戦全勝(27KO)のWBC暫定王者、ウィリアム・セペダ(28=メキシコ)、今回、WBO王者のデニス・ベリンチクに挑戦するキーション・デービス、そのデービスにアマチュア時代に4勝しているアンディ・クルス(29=キューバ)、さらにレイモンド・ムラタラ(28=アメリカ)らが台頭、3強を猛追している。
 ちなみにWBAのデービスは日本時間の3月2日に1階級下のS・フェザー級WBA王者のラモント・ローチ(29=アメリカ)の挑戦を受けることになっている。その1週間前にはWBC王者のスティーブンソンが18戦全勝(12KO)の22歳、フロイド・スコフィールド(アメリカ)を相手に2度目の防衛戦を行う予定だ。

◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆


WBO世界ライト級タイトルマッチ
デニス・ベリンチク vs キーション・デービス

2/15(土)午前10:00頃~ 先行ライブ配信 WOD
2/17(月)午後9:00 WOWOWライブWOD


◆最新の放送・配信予定などはこちらから◆


【WOWOWエキサイトマッチ公式サイト】 https://www.wowow.co.jp/sports/excite/
【WOWOWエキサイトマッチ公式X】 https://x.com/Excite_Match
【WOWOWオンデマンド】 https://wod.wowow.co.jp/genre/boxing

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