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WBC世界フライ級王座決定戦 寺地拳四朗対クリストファー・ロサレス

前L・フライ級2団体王者 vs 元WBCフライ級王者

 L・フライ級のWBA・WBC王座を返上した寺地拳四朗(32=BMB)がフライ級転向初戦でWBC王座決定戦に出場、元王者のクリストファー・ロサレス(30=ニカラグア)と拳を交える。

「打たれないボクシングをする」と寺地

 寺地は2017年5月にガニガン・ロペス(メキシコ)からWBC世界L・フライ級王座を奪い、4年間に8度の防衛に成功。矢吹正道(LUSH緑=現IBF世界L・フライ級王者)にV9を阻まれたが、半年後の再戦で3回KO勝ちを収め王座を奪回。次戦でWBA王者の京口紘人(ワタナベ)を7回TKOで下して王座を統一し、以後、アンソニー・オラスクアガ(アメリカ/帝拳)、ヘッキー・ブドラー(南アフリカ)、カルロス・カニサレス(ベネズエラ)を相手に2本のベルトを守り抜いた。カニサレス戦後、以前から痛めていた右手の手術に踏み切り、両王座を返上してフライ級転向を決めた。
戦績は24戦23勝(14KO)1敗。本来は左ジャブとステップで巧みな位置取りをしながらテクニックで翻弄するタイプだが、矢吹戦以降はリスクの高い打撃戦が続いている。今回の試合を前に寺地は「(見る人の)ドキドキは減るかもしれないけれど打たれないボクシングをする」と宣言している。

比嘉の16連続KOを阻止して戴冠果たしたロサレス

 対するロサレスは、3代前のWBC世界フライ級王者で、約6年ぶりの返り咲きを狙ってリングに上がる。2018年4月に来日し、体重超過のため計量で失格した比嘉大吾(志成)に9回TKO勝ちを収めて王座を獲得。イギリス開催となった初防衛戦では地元選手を4回KOで退けた。4ヵ月後のV2戦で再びイギリスのリングに上がったが、チャーリー・エドワーズ(イギリス)に12回判定負けを喫してベルトを失った。その後、エドワーズが返上したWBC王座の決定戦に出場したが、フリオ・セサール・マルチネス(メキシコ)に9回TKO負け。3勝後、WBC挑戦者決定戦に出場したが、アンヘル・アヤラ(メキシコ=現IBF世界フライ級王者)に12回判定負けと低迷が続いた。しかし、その後は5連勝(1KO)と調子を取り戻している。
 「El Latigo(鞭)」というニックネームを持つ右のボクサーファイター型で、身長168cm、リーチ180cmと体格に恵まれている。世界的なスーパースターのサウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)の指導者でもあるエディ・レイノソ・トレーナーに師事している。戦績は43戦37勝(22KO)6敗。
 スピードとスキルに加え打撃戦もこなせる寺地に対し、タフな強打者のロサレスという構図になる。


WBA世界フライ級タイトルマッチ
ユーリ阿久井政悟対タナンチャイ・チャルンパック

1月に戴冠 5月に初防衛――阿久井のV2戦

 今年1月にロングラン王者のアルテム・ダラキアン(アゼルバイジャン/ウクライナ)を攻略してWBA世界フライ級王座を獲得したユーリ阿久井政悟(29=倉敷守安)の2度目の防衛戦。

阿久井「テーマは勝つこと。できればKOで」

 阿久井は王座獲得から3ヵ月半後の5月、東京ドームで桑原拓(大橋)の挑戦を一蹴して初防衛を果たした。23戦20勝(11KO)2敗1分とKO率は48パーセントに留まっているが、1ラウンドKO勝ちが9度もある点は特筆に値するだろう。ダウンやKOのほとんどが右ストレートによるものでもあることも加えておく必要がありそうだ。ただ、直近の6戦の勝利に関しては10回判定、10回TKO、10回判定、10回判定、12回判定、12回判定と長い勝負が続いている。その分、スタミナ配分など経験値を上げているともいえる。今回の試合を前に「相手はタイ人独特のリズムがある。テーマは勝つこと。KOでも判定でもいいが、できればKOで」と話している。

8月の畑中戦を含め24連勝中のタナンチャイ

 挑戦者のタナンチャイは26戦25勝(15KO)1敗の戦績を残している24歳で、「キングコブラ」というニックネームを持っている。デビュー2戦目に4回判定負けを喫したあとは6年間に24連勝を収めており勢いがある。特に今年8月には来日して名古屋で畑中健人(畑中)に12回判定勝ち、フライ級のWBOアジアパシフィック王座を獲得しており、自信を深めて大舞台に上がるはずだ。相手が出てくると誘い込んで右ストレートを打ち下ろし、出て来ないと自ら踏み込んでいく。主武器は右ストレートで、その点は阿久井と似ている。
 ともに右ストレートという切り札を持つが、その右を生かすための左の使い方にも注目したい。

<フライ級トップ戦線の現状>


WBA        :ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)
WBC        :寺地拳四朗(BMB)
WBC暫定:ガラル・ヤファイ(イギリス)
IBF           :アンヘル・アヤラ(メキシコ)
WBO        :アンソニー・オラスクアガ(アメリカ/帝拳)


 井上尚弥(大橋)が4本のベルトを束ねているS・バンタム級、4王座すべてを日本人が占めているバンタム級、そしてこのフライ級でも日本人王者が活躍している。直近の4試合を日本で行っているWBO王者のアンソニー・オラスクアガ(25=アメリカ/帝拳)を含めれば3本のベルトが日本にあることになる。
 IBF王者のアンヘル・アヤラ(24=メキシコ)は8月にデーブ・アポリナリオ(25=フィリピン)を6回KOで下して空位の王座を獲得。「統一戦をやりたい」とコメントを発していたが、まだ初防衛戦が決まっていない。ガラル・ヤファイ(32=イギリス)は11月30日にイギリスで行われたWBC暫定王座決定戦で元IBF王者のサニー・エドワーズ(イギリス)に6回TKO勝ちを収めて戴冠を果たした。2016年リオデジャネイロ大会に続いて出場した2021年東京五輪ではフライ級で金メダルを獲得しているエリートで、プロでは9戦全勝(7KO)を収めている。テンポ速く攻めていくサウスポーのボクサーファイターで、こちらも統一戦に興味を示している。


<フライ級4団体王者のデータ比較表>


  WBA WBC WBC暫定 IBF WBO
  阿久井 寺地 ヤファイ アヤラ オラスクアガ
生年月日 1995.9.3 1992.1.6 1992.12.11 2000.5.11 1999.1.1
年齢 29歳 32歳 32歳 24歳 25歳
出身地 岡山県 京都府 イギリス メキシコ アメリカ
アマ戦績/実績 20勝7敗 57勝16敗 リオ五輪出場
東京五輪金
  23戦22勝1敗
プロデビュー 2014.4 2014.8 2022.2 2019.3 2020.9
プロ戦績 23戦20勝
(11KO)2敗1分
 24戦23勝
(14KO)1敗
9戦全勝(7KO) 18戦全勝(8KO) 9戦8勝(6KO)1敗
KO率 48% 58% 78% 44% 67%
世界戦戦績 2戦全勝 14勝(9KO)1敗 1戦1勝(1KO) 1戦1勝(1KO) 3戦2勝(2KO)1敗
身長/リーチ 163cm/170cm 164cm/164cm 163cm/173cm 168cm/168cm 163cm/166cm
タイプ 右ボクサーファイター 右ボクサーファイター 左ボクサーファイター 右ボクサーファイター 右ファイター
ニックネーム ユーリ アメイジング・ボーイ   カメレオン プリンセサ

◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆


WBC世界フライ級王座決定戦
寺地拳四朗 vs クリストファー・ロサレス

WBA世界フライ級タイトルマッチ
ユーリ阿久井政悟 vs タナンチャイ・チャルンパック

12/23(月)午後9:00 WOWOWライブWOD


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