WOWOWニュース

IBF世界フェザー級タイトルマッチ ルイス・アルベルト・ロペス対アンジェロ・レオ

井上尚弥戦を熱望するロペスのV4戦
完全アウェーでもオッズは4対1で王者有利

 3月に阿部麗也(KG大和)の挑戦を8回TKOで退けたIBF世界フェザー級王者、ルイス・アルベルト・ロペス(30=メキシコ)のV4戦。挑戦者のアンジェロ・レオ(30=アメリカ)は元WBO世界S・バンタム級チャンピオンで、2階級制覇を狙ってリングに上がる。試合はレオの生まれ故郷、アメリカのニューメキシコ州アルバカーキで行われるが、完全アウェーにも拘わらずオッズは4対1でロペス有利と出ている。

敵地で戴冠、防衛を果たしているロペス

 32戦30勝(17KO)2敗の戦績を残しているロペスはKO率こそ53パーセントだが、その数字以上の攻撃力を感じさせるファイターだ。このクラスでは163cmと小柄だが、自在に立ち位置を変えつつ上体を振ってプレッシャーをかけ、振りかぶるようにして放つ右フックや左フック、アッパーなどパンチは予測不能で多彩だ。
 2022年12月のイギリス遠征でジョシュ・ウォーリントン(イギリス)に競り勝って現在の王座を手に入れ、初防衛戦では元WBA暫定世界王者のマイケル・コンラン(イギリス/アイルランド)を右アッパーで倒して5回TKO勝ち。これも相手の地元に乗り込んでの試合だった。V2戦も相手国のアメリカでジョエト・ゴンザレス(アメリカ)に12回判定勝ち。そしてニューヨークで行われた3度目の防衛戦では阿部に8回TKO勝ちを収めている。条件さえ合えばどこでも戦う逞しいチャンピオンといえる。
 すでにフェザー級では最強との評価もあり、近い将来に井上尚弥(大橋)が階級を上げた場合は真っ先に対戦したいとロペスはアピールを繰り返している。そのためにはこの先2年は王座をキープしなければならない。

無冠に戻ってから4連勝と好調維持のレオ

 レオは2012年11月にプロデビューし、ルーキー時代は比較的イージーな選手を相手に勝利を重ねていった。2017年に元世界5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー(アメリカ)とプロモート契約を締結。その後ろ盾があってか実績以上にランキングが上昇し、2020年8月にはトラメイン・ウィリアムス(アメリカ)とのWBO世界S・バンタム級王座決定戦に出場し、大差の12回判定勝ちで戴冠。しかし、初防衛戦でスティーブン・フルトン(アメリカ)に敗れ、約半年の天下に終わった。
 再起戦後に2年5ヵ月のブランクをつくったが、復帰戦でフェザー級に転向してからは元世界ランカーや世界挑戦経験者らを下している。ワンツーや左フックなど手数の多い右ボクサーファイター型で、中間距離での戦いを得意としている。ときどき構えを左にスイッチすることもある。スピード、パンチ力、テクニックなど見た目の戦力で飛び抜けたものはないが、同じペースで戦い続けることができ、気持ちの強さも感じられる選手だ。25戦24勝(11KO)1敗。

カウンターで応戦したい挑戦者

 ロペスにとってはアウェーでの試合になるが、オッズは4対1で有利と出ている。これまでに何度も敵地で戦ってきているロペスにとって試合場所は大きな問題ではなさそうだ。ただ、レオにとっては大きな力になる可能性がある。
 いつものようにロペスがガードを低くした構えでプレッシャーをかけ、距離を潰して右フックや左フック、アッパーなど軌道の分かりにくいパンチで攻め込んでいくものと思われる。レオも攻撃的な選手だが、より攻撃的なロペスが相手ということで今回は迎え撃つ形になりそうだ。レオにとってリスクの高い試合になることは間違いないが、ガードの甘い王者の出端にカウンターを合わせることができれば接戦に持ち込めそうだ。

<フェザー級トップ戦線の現状>


WBA         :ニック・ボール(イギリス)
WBC         :レイ・バルガス(メキシコ)
WBC暫定:ブランドン・フィゲロア(アメリカ)
IBF            :ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)
WBO         :ラファエル・エスピノサ(メキシコ)

 WBC王者のレイ・バルガス(33=メキシコ)は戴冠から2年以上経つが、王座を持ったままS・フェザー級のWBC王座決定戦に出場(12回判定負け)したことも影響してか防衛回数は1に留まっている。バルガスと引き分けて王座を逃したニック・ボール(27=イギリス)はその3ヵ月後(今年6月)、WBA王者のレイモンド・フォード(25=アメリカ)に競り勝って新王者になった。敗れたフォードは3ヵ月の短命王者に終わったが、才能のあるサウスポーだけに今後の巻き返しに期待したい。
 IBF王者のルイス・アルベルト・ロペスと並び高い評価を得ているのがWBC暫定王者のブランドン・フィゲロア(27=アメリカ)だ。S・バンタム級時代にはスティーブン・フルトン(30=アメリカ)に競り負けたが、フェザー級転向後は3連勝(2KO)を収めている。
 ロベイシ・ラミレス(30=キューバ)を破ってWBO王者になったラファエル・エスピノサ(30=メキシコ)は185cmの長身選手で、長い腕を折り畳んで打撃戦もこなせる。年内に計画されているラミレスとの再戦が正念場になりそうだ。
 ランカーではWBA1位、WBC2位、IBF10位、WBO2位に上がってきたブルース・カーリントン(27=アメリカ)に要注目だ。身長173cm、リーチ183cmと体格に恵まれた右ボクサーファイター型で、スピードと強打を併せ持っている。まだ12戦(全勝8KO)と経験は少ないが、強豪相手に勝ち抜いていけば怖い存在になりそうだ。S・バンタム級から階級を上げるスティーブン・フルトン(30=アメリカ)は9月にWBA7位、WBC5位、WBO13位のカルロス・カストロ(30=メキシコ/アメリカ)との再起戦が決まっている。昨年7月に井上尚弥(大橋)に8回TKOで完敗してから1年2ヵ月。どんなパフォーマンスを見せるか注目したい。

◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆


エキサイトマッチ~世界プロボクシング IBF世界フェザー級タイトルマッチ ルイス・アルベルト・ロペスvsアンジェロ・レオ
9/2(月)午後9:00 WOWOWライブWOD


◆最新の放送・配信予定などはこちらから◆


【WOWOWエキサイトマッチ公式サイト】 https://www.wowow.co.jp/sports/excite/
【WOWOWエキサイトマッチ公式X】 https://x.com/Excite_Match
【WOWOWオンデマンド】 https://wod.wowow.co.jp/genre/boxing

記事をシェアする
  • line

Getty Images

×

PAGE TOP