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バンタム級10回戦 ローマン・ゴンサレス対ロベル・バレラ

元4階級制覇王者 1年7ヵ月ぶりの再起戦
世界挑戦経験者を圧倒できるか

 ミニマム級、L・フライ級、フライ級、S・フライ級の4階級で世界王者になった実績を持つ「ロマゴン」ことローマン・ゴンサレス(37=ニカラグア/帝拳)が、2度の世界挑戦を経験しているロベル・バレラ(31=コロンビア)と対戦する。ゴンサレスは2022年12月にファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)とのWBC世界S・フライ級王座決定戦で敗れており、これが再起戦となる。

22度の世界戦を経験しているゴンサレス

 ゴンサレスは2008年にミニマム級、2010年にL・フライ級、2014年にフライ級、2016年にS・フライ級で世界王座を獲得。しかし、2017年以降は体格と年齢の壁もあり9戦5勝(3KO)4敗と不本意な戦績となっている。この間、L・フライ級王者時代に退けたエストラーダには2度の雪辱を許している。2試合ともどちらの手が挙がってもおかしくない接戦だったが、ゴンサレスに最後のひと押しがなかったのは事実だ。
 身長160cm、リーチ163cmとS・フライ級では小柄なゴンサレスは、巧みな防御と多彩で破壊力のあるパンチで55戦51勝(41KO)4敗の戦績を残してきた。このうち22戦は世界戦(18勝11KO4敗)という中身の濃さを誇る。現在はS・フライ級でWBC1位、WBA3位にランクされている。過去に1年3ヵ月、1年というブランクはあったが、1年7ヵ月の空白ができたのは初めてだ。6月に37歳になったゴンサレスがどんなパフォーマンスを見せるのか注目したい。

2度の世界挑戦を経験している「ハリケーン」

 バレラは2013年7月にプロデビューし、翌年10月にはWBA中南米ミニマム級王座を獲得して世界10傑入り。2017年7月には来日して田口良一(ワタナベ)の持つWBA世界L・フライ級王座に挑んだが、9回TKOで敗れた。粘りはしたもののボディを攻められて失速。最後はレフェリーにストップされるという内容だった。3年後、今度はフライ級でWBA暫定王座決定戦に出場したが、ルイス・コンセプション(パナマ)に11回TKOで敗れている。直近の3連続TKO勝ちを含めた戦績は33戦27勝(17KO)5敗1無効試合。構えを左右に変えるスイッチヒッターで、中間距離で繰り出す左右フックと接近戦の左右アッパーが主武器といえる。「ウラカン(ハリケーン)」のニックネームがあるが、そこまでの迫力は感じられない。

返り咲きに向け内容が問われる試合

 エストラーダとの激闘後、これが1年7ヵ月ぶりの試合となるゴンサレスに不安がないとはいえないが、総合力では大きく勝っており番狂わせの可能性は低いと見ていいだろう。プレッシャーをかけながら中近距離の戦いに持ち込み、ボディから顔面に強打を打ち分けていく姿が想像できる。2度の世界戦を経験しているバレラを軽視することは危険だが、ゴンサレスが攻め勝つ可能性が高い。返り咲きに向け、内容が問われる試合といえそうだ。

<S・フライ級トップ戦線の現状>


WBA         :フェルナンド・マルチネス(アルゼンチン)
WBA暫定:ダビド・ヒメネス(コスタリカ)
WBC         :ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)
WBC暫定:ペドロ・ゲバラ(メキシコ)
IBF            :フェルナンド・マルチネス(アルゼンチン)
WBO        :田中恒成(畑中)

 この6月、7月にS・フライ級には大きな変化が起こった。WBC王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(34=メキシコ)がジェシー・ロドリゲス(24=アメリカ)に7回KO負けを喫し、王座から陥落。前王者は再戦を呼びかけているが、先の一戦で時代が変わった印象は拭えない。そのロドリゲスは20戦全勝(13KO)のスイッチヒッターで、パンチも強くて多彩だ。まだ24歳と若く、経験値を上げていけばさらに強くなっていきそうだ。
 7月7日に東京で行われたWBAとIBFの王座統一戦ではフェルナンド・マルチネス(33=アルゼンチン)が井岡一翔(35=志成)を12回判定で下し2本のベルトを持つことになった。小柄なファイターは攻撃力だけでなく防御面でも巧さも見せ、総合力の高さを印象づけた。
 本来だったらWBO王者の田中恒成(29=畑中)も7月に初防衛戦を行う予定だったが、相手の体調不良、計量失格のため試合はキャンセルとなっている。次戦は秋か。
 WBAとWBCが暫定王座を設けているため団体内の統一戦が優先される可能性もあるが、そう遠くない時期にマルチネス、ロドリゲス、そして田中の3強による統一戦実現を期待したい。
 元4階級制覇王者のローマン・ゴンサレス、元WBA王者のアンドリュー・マロニー(33=オーストラリア)、元WBC王者のシーサケット・ソールンビサイ(37=タイ)も返り咲きの機会を待っている。

S・バンタム級12回戦
サム・グッドマン対チャイノイ・ウォラウット


井上への挑戦を先送りして前哨戦
リスキーな世界ランカー対決

 S・バンタム級でIBFとWBOで1位にランクされ、同級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)への指名挑戦権を持つサム・グッドマン(25=オーストラリア)が、WBC8位のチャイノイ・ウォラウット(27=タイ)を相手に前哨戦を行う。
 18戦全勝(8KO)のグッドマンは5月6日の井上がルイス・ネリ(メキシコ)を6回TKOで退けた試合後、「次の挑戦者」としてリングに上がった。しかし、のちに「1試合挟んでから挑戦したい」として今回のチャイノイ戦を組んだ経緯がある。陣営は12月に井上への挑戦を考えているというが、はたして計画どおりにいくかどうか。
 相手のチャイノイは2018年5月のプロデビューから26戦25勝(15KO)1分の戦績を残しているが、必ずしも中身が濃いとは言い切れない。元世界王者のプンルアン・ソーシンユー(タイ)、コンパヤック・ポープラムック(タイ)らに勝っているものの、ふたりともとっくの昔にピークを過ぎていたため評価の対象にはならない。WBCアジア王座も防衛しているが、対戦相手のなかに強豪の名前は見当たらない。初の国外試合となる今回、本当の力量が試されることになりそうだ。
 グッドマンにとってはリスキーな前哨戦ということになるが、近い将来の大一番を見据えて組んだカードだけに十分な自信があるのだろう。おそらくグッドマンが速いテンポで左ジャブを突き、右ストレートを狙う展開に持ち込むものと思われる。チャイノイがどこまで粘れるか。

◆[WOWOW エキサイトマッチ 放送・配信情報]◆


エキサイトマッチ~世界プロボクシング バンタム級10回戦ローマン・ゴンサレスvsロベル・バレラ/S・バンタム級12回戦サム・グッドマンvsチャイノイ・ウォラウット
8/26(月)午後9:00 WOWOWライブWOD


◆最新の放送・配信予定などはこちらから◆


【WOWOWエキサイトマッチ公式サイト】 https://www.wowow.co.jp/sports/excite/
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